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多数歯欠損の治療法を比較|名古屋で入れ歯・インプラント・All-on-4を整理

歯がほとんどない状態には、3つの選択肢がある

歯がほとんどない、あるいは多数歯欠損の状態で「どうすればいいかわからない」と感じている方は少なくありません。名古屋で多数歯欠損の治療を考えたとき、大きく分けて入れ歯(義歯)・多数本インプラント・All-on-4(オールオンフォー)という3つの選択肢があります。

結論から言えば、どの治療法にも明確な利点と限界があり、「万能な方法」は存在しません。重要なのは、それぞれの仕組みと向き不向きを正しく理解し、自分の口の状態に合った選択をすることです。

この記事では、名古屋で歯がほとんどない方に向けて、3つの治療法を「仕組み・費用感・身体への負担・長期的な安定性」の観点で整理します。治療法を選ぶ前の判断材料として、お役立てください。

なお、そもそも歯がほとんどない状態で何から始めればいいか迷っている方は、まず全体像を整理することが大切です。

(→ 歯がほとんどない方は何から相談すればいい?)

3つの治療法の仕組みと違い

 

入れ歯(義歯)

入れ歯は、歯ぐきの上に人工歯を乗せて使う取り外し式の装置です。保険適用の総入れ歯であれば片顎1〜3万円程度と最も安価であり、手術は不要です。

ただし、顎の骨に固定されていないため、噛む力は天然歯の10〜20%程度にとどまります。長期間使い続けると顎の骨が痩せていき、入れ歯のフィット感が徐々に悪くなるという構造的な課題があります。5〜10年ごとに作り直しが必要になるケースも珍しくありません。

「とにかく費用を抑えたい」「手術が怖い」という方には一つの選択肢ですが、咬む力や見た目の回復には限界があります。

多数本インプラント(従来型)

失った歯1本ずつ、あるいは数本ごとにインプラント(人工歯根)を埋入し、その上にかぶせ物を装着する方法です。天然歯に近い感覚で噛めるという大きな利点があります。

しかし、歯がほとんどない状態では埋入するインプラントの本数が多くなり、8〜14本程度必要になることもあります。それに伴い手術の侵襲が大きくなり、費用も片顎で400〜600万円以上になるケースがあります。さらに、顎の骨が痩せている場合は骨造成(骨を増やす手術)が必要になることが多く、治療期間が6〜12ヶ月以上に及ぶこともあります。

All-on-4(オールオンフォー)

All-on-4は、片顎に最少4本のインプラントを埋入し、その上に12本分の連結した固定式の歯を装着する方法です。後方のインプラントを傾斜させて骨のある部分に埋入するため、多くの場合、骨造成が不要です。

最大の特徴は即時荷重、つまり手術当日に仮歯が入ることです。名古屋で「当日歯が入る」「一日で歯が入る」治療法として認知が広がりつつあります。費用は片顎210〜350万円程度(素材により異なる)で、多数本インプラントよりも抑えられる傾向があります。

歯がない本数が多い場合にAll-on-4が適しているかどうかの判断基準については、以下の記事で詳しく整理しています。

(→ 歯がない本数が多いほど All-on-4 が向くのか)

3つの治療法を数値で比較する

具体的な数値で比較すると、それぞれの特徴がより明確になります。

  • 咬合力の回復:入れ歯は天然歯の10〜20%、インプラント(多数本・All-on-4とも)は80〜90%
  • 10年生存率(インプラント体):多数本インプラント 93〜96%、All-on-4 93〜95%
  • 治療期間:入れ歯は数週間、多数本インプラントは6〜12ヶ月以上、All-on-4は手術日に仮歯装着
  • 骨造成の必要性:入れ歯は不要、多数本インプラントは高頻度で必要、All-on-4は多くの場合不要
  • 費用(片顎目安):保険入れ歯は1〜3万円、多数本インプラントは450〜600万円以上、All-on-4は350〜500万円

これらはあくまで一般的な傾向であり、個々の口腔内の状態によって大きく異なります。

それぞれの治療法で注意すべき点

入れ歯の限界

入れ歯は手軽さが魅力ですが、長期的に見ると顎の骨が痩せるスピードが加速するというデータがあります。入れ歯の下の歯ぐきには噛むたびに圧力がかかりますが、骨に直接力が伝わらないため、骨の吸収が進みます。使い始めて5年、10年と経つうちに入れ歯の安定感が下がり、痛みや不快感を感じるようになる方も少なくありません。

「最初は入れ歯でよかったけれど、だんだん合わなくなってきた」という声を、名古屋・栄の当院でもよくお聞きします。

入れ歯から固定式の歯(インプラントやAll-on-4)への移行を検討される方もいらっしゃいます。固定式の歯が自分に向いているかどうかの判断については、以下の記事が参考になります。

(→ 歯がほとんどない方に固定式の歯は向いている?)

多数本インプラントの注意点

本数が多いほど手術の侵襲は大きくなります。特に上顎では副鼻腔(上顎洞)との距離が近いため、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)という追加手術が必要になることがあります。手術回数が増えると、それだけ身体への負担と総治療期間も増加します。

また、インプラント1本1本にかぶせ物を作るため、全体の噛み合わせの設計が複雑になるという側面もあります。バラバラに設計された歯が本当に調和するかどうかは、診断の精度に大きく依存します。

All-on-4の注意点

All-on-4には大きな利点がある一方、いくつかの注意点もあります。

  • 4本のうち1本でも問題が起きると、補綴物全体に影響する可能性がある:冗長性(バックアップ)が少ない構造のため、1本のインプラントの不具合が全体に波及するリスクがあります
  • インプラント周囲炎のリスク:フルアーチの固定式補綴は清掃が難しく、定期的なメンテナンスが欠かせません。国際的な研究では、インプラント周囲の炎症(インプラント周囲粘膜炎)が約46%の患者に見られるとされています
  • 残せる歯がある場合は慎重な判断が必要:All-on-4は基本的に片顎すべての歯を抜歯する前提です。残存歯が数本ある場合、残すか抜くかの判断は治療結果を大きく左右します

残っている歯をどうするかという判断は、多数歯欠損の治療で最も難しいテーマの一つです。

(→ 残っている歯が数本だけの場合、残すか抜くかの判断)

米国補綴トレーニングから見た「比較」の本質

「どれがいいか」ではなく「何を基準に選ぶか」

私がアメリカで補綴専門の研修を受けていたとき、指導医に繰り返し言われたことがあります。「治療法を比較する前に、その患者の口全体をひとつの設計図として見ろ」と。

日本では「入れ歯かインプラントか」という二択で語られることが多いのですが、米国の補綴教育では、まず最終的なゴール(どういう歯並び・噛み合わせを目指すか)を設定し、そこから逆算して治療法を選ぶ「補綴主導」の考え方が徹底されています。

この考え方は、名古屋で多数歯欠損の治療を検討する方にとっても重要です。なぜなら、歯がほとんどない状態では噛み合わせの基準点がなくなっているため、「ただ歯を入れる」のではなく「口全体を再設計する」必要があるからです。

口全体の再設計という視点については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

(→ 歯が少ない方に必要な”口全体の再設計”とは)

長期安定を見据えた診断

多数歯欠損の治療では、5年後・10年後にその治療がどうなっているかを想定して計画を立てることが求められます。

たとえば、All-on-4で手術当日に仮歯を入れたとしても、その後のメンテナンスが不十分であればインプラント周囲炎のリスクが高まります。逆に、最初の診断で骨の状態・噛み合わせ・対合歯(反対側の歯)の状態まで精密に評価しておけば、長期的に安定する可能性は大きく高まります。

愛知県中区の当院では、CTデータによる骨量の三次元評価、咬合分析、顎関節の状態確認を含む包括的な診査を行ったうえで、治療法の選択肢を提示しています。どの治療法を選ぶにしても、「最初の診断にどれだけ時間をかけたか」が長期安定に直結するというのが、多くの症例を通じて得た実感です。

噛み合わせが崩れている場合はさらに慎重な設計が必要

多数歯欠損の方は、残った歯が移動したり傾いたりして、もともとの噛み合わせが崩壊しているケースが大半です。この状態のまま入れ歯やインプラントを入れると、特定の歯に過度な力がかかり、治療後に問題が出ることがあります。

(→ 多数歯欠損で噛み合わせが崩れているときの治療)

名古屋・伏見からもアクセスしやすい当院では、この噛み合わせの再構築を治療設計の出発点と位置づけています。見た目だけでなく、機能的に安定する口腔環境を目指すことが、結果として治療の長持ちにつながります。

見た目の回復がどこまで可能かについて気になる方は、以下の記事もご覧ください。

(→ 歯がほとんどない方の見た目の回復はどこまで可能?)

自分に合った治療法を整理するために

多数歯欠損の治療は、入れ歯・多数本インプラント・All-on-4のいずれも一長一短があります。大切なのは、それぞれの仕組みを正しく理解したうえで、ご自身の骨の状態・全身の健康・費用・生活スタイルに照らして判断することです。

この記事のポイントを整理すると、以下の通りです。

  • 入れ歯は安価で手術不要だが、咬合力の回復には限界がある
  • 多数本インプラントは天然歯に近い感覚が得られるが、手術の侵襲と費用が大きい
  • All-on-4は最少4本で固定式の歯が入り、骨造成が不要な場合が多いが、残存歯の扱いやメンテナンスに注意が必要
  • どの治療法を選ぶにしても、口全体を一つの設計として捉える包括的な診断が不可欠

名古屋で歯がほとんどない状態の治療を考えている方は、まず精密な診査を受け、ご自身の口の状態を正確に把握することから始めてみてください。

短期間での治療を希望される方には、以下の記事も参考になります。

(→ 名古屋で多数歯欠損を短期間で治したい方へ)

上下とも歯が少ないケースについては、治療の組み合わせ方が変わるため、別途整理しています。

(→ 上下とも歯が少ない場合の治療の考え方)


よくあるご質問(Q&A)

Q1. 入れ歯からAll-on-4に切り替えることはできますか?

可能です。ただし、長期間入れ歯を使用していた場合、顎の骨が痩せている可能性があります。切り替えの際にはCTで骨の状態を精密に確認し、All-on-4が適応できるかどうかを判断する必要があります。骨の吸収が進んでいても、傾斜埋入の工夫で対応できるケースは少なくありません。

Q2. 多数本インプラントとAll-on-4、どちらが長持ちしますか?

国際的な研究データでは、いずれも10年生存率が93〜96%程度で大きな差は認められていません。長持ちするかどうかは、治療法そのものよりも「診断の精度」「噛み合わせの設計」「治療後のメンテナンス」に大きく依存します。

Q3. 名古屋でAll-on-4を受ける場合、費用はどのくらいですか?

素材や設計によって異なりますが、片顎で210〜350万円程度が一般的な目安です。アクリルレジン素材は比較的安価で、ジルコニアやセラミックを使用する場合は費用が上がります。費用の内訳や選択基準については、担当医との相談で確認されることをお勧めします。

Q4. 歯周病で歯がボロボロの状態でも、All-on-4はできますか?

歯周病が原因で多数歯欠損になっている方は、All-on-4の対象になるケースが多くあります。ただし、歯周病の炎症が残ったままインプラントを入れると周囲炎のリスクが高まるため、事前の歯周病の管理が重要です。名古屋で歯周病による歯がボロボロの状態でお悩みの方は、まず炎症のコントロールから始めることが基本となります。

Q5. 3つの治療法を比較するとき、最も重視すべき点は何ですか?

ご自身が「何を優先するか」を明確にすることです。費用を最優先にするなら入れ歯、個々の歯の自然さを求めるなら多数本インプラント、固定式で骨造成を避けたいならAll-on-4が候補になります。ただし、どの治療法でも「口全体の設計」という視点なしには長期的な安定は得られません。担当医と一緒に、ご自身の骨の状態と生活スタイルを含めて総合的に判断することをお勧めします。


歯がほとんどない状態での治療の全体像については、以下のページで入れ歯・インプラント・All-on-4の選択肢を一覧で整理しています。

(→ 名古屋で歯がほとんどない方の治療法|入れ歯・インプラント・All-on-4を比較)

名古屋でオールオン4治療を含むインプラント治療全体について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。

(→ 名古屋でオールオン4を検討されている方へ)

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implntology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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