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名古屋 サイナスリフトを伴うインプラント治療|骨が少ない上顎奥歯の選択肢
サイナスリフトが必要と言われた方へ──まず「サイナスリフト」とは何か

サイナスリフトが必要と言われた方へ、まず最初にサイナスリフトそのものを説明します。
サイナスリフトとは、上顎の奥歯の上にある空洞「上顎洞(じょうがくどう)」の内部に骨を作る外科処置です。
上顎洞とは副鼻腔の一部で、鼻の横に広がる空間のことを指します。この空洞の内側には「シュナイダー膜」という薄い粘膜があり、骨と空洞を隔てています。サイナスリフトでは、この膜を丁寧に持ち上げ、骨と膜の間に骨補填材(骨の代わりになる材料)を入れて、新たに骨の高さを確保します。
サイナスリフトと検索される背景には、「骨が足りないためインプラントが難しい」と言われた状況があります。
つまりこれは、インプラントを安全に固定するための“土台づくり”の治療です。
なぜサイナスリフトが必要になるのか
サイナスリフトが必要になる主な理由は、上顎奥歯の骨吸収です。
歯を失うと、その部位の骨は徐々に痩せていきます。さらに上顎洞は時間とともに下方へ広がる性質があり、結果として骨の高さが減少します。例えば上顎6番の部位で残存骨が2〜3mmしかない場合、通常使用される8〜10mm程度のインプラントは安定しません。
インプラントは骨の中で固定される人工歯根ですが、その固定力は「初期固定」によって左右されます。
初期固定とは、埋入直後にどれだけしっかりと骨に締結されているかを示す指標です。残存骨が1〜2mmでは、この初期固定が得られません。そのため、まず骨造成を行い、約6か月の治癒期間を経てからインプラントを埋入する計画になります。
サイナスリフトは、無理に短いインプラントを選択するよりも、長期安定性を重視するための方法です。
ソケットリフトとの違いと適応の判断
サイナスリフトと比較される方法に「ソケットリフト」があります。
ソケットリフトとは、インプラントの埋入孔から上顎洞の膜を押し上げる方法です。比較的骨が4〜6mm程度残っている場合に適応されることが多く、インプラントと同時に行えるケースもあります。
しかし骨が1〜2mmしかない場合、インプラントの大部分が骨に支えられない状態になり、安定性に欠けます。サイナスリフトは側方から骨に窓を開け、直視下で膜を持ち上げるため、より広範囲に骨を造成できます。その分、手術時間や腫脹はやや大きくなりますが、安全性を優先する選択です。
重要なのは術式の名前ではなく、骨量と咬合設計に基づいた判断です。サイナスリフトの適応は、CTによる三次元診断なしには決定できません。
米国補綴専門医としての診断ポリシー
私は米国補綴専門医として、補綴学という分野を専門にしてきました。補綴とは、歯や噛み合わせを再建する専門分野です。そのため、骨が作れるかどうかだけで判断することはありません。全顎的視点とは、1本ではなく口腔全体を機能単位として評価する考え方です。例えば上顎6番にインプラントを計画する場合でも、対合歯の状態、咬合力の方向、歯列全体の支持バランスまで分析します。
若い頃は「技術的に可能かどうか」を重視していました。しかし経験を重ねる中で、成功とは10年後も安定していることだと実感しました。実際に骨造成自体は成功しても、咬合設計が不十分でトラブルが起きた症例を経験しています。その学びから、サイナスリフトを行う際も、必ず噛み合わせまで含めた包括的診断を徹底しています。
質の高いサイナスリフトを検討している方へ
サイナスリフトを検討される方の多くは、単に歯を入れるのではなく、長く安定して使えることを求めています。
サイナスリフトは確かに外科処置ですが、骨が極端に少ない場合には合理的な選択です。費用は使用する骨補填材の量や範囲によって異なりますが、重要なのは価格ではなく設計思想です。
当院ではCT診断、咬合分析、段階的治療計画を通じて、お口全体として機能する設計を行います。流れ作業ではなく、一症例ごとに診査時間を確保し、将来予測まで含めて判断します。
名古屋で質の高いサイナスリフトを検討している方へ。骨の量だけでなく、噛み合わせと長期安定性まで見据えた診断を受けることが、後悔のない選択につながります。
サイナスリフトが必要になる背景や、インプラント治療全体の設計思想については、<インプラント治療について詳しくはこちら>で体系的にまとめています。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implntology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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