名古屋「85歳でもインプラントはできる?」右下奥歯をティッシュレベルインプラントで治療した症例

  • 自由診療対応
  • 完全予約制
  • 伏見駅徒歩2分

予約状況

無料相談(初回)
初診

名古屋市中区の歯医者「Eden Dental Office」

名古屋市中区の歯医者「Eden Dental Office」

名古屋市中区の歯医者「Eden Dental Office」

名古屋市中区の歯医者「Eden Dental Office」

MENU

WEB予約

TEL

お電話はこちらから

052-265-8996

症例

  • TOP
  • 症例
  • インプラント
  • 名古屋「85歳でもインプラントはできる?」右下奥歯をティッシュレベルインプラントで治療した症例

名古屋「85歳でもインプラントはできる?」右下奥歯をティッシュレベルインプラントで治療した症例

  • 治療前

  • 治療後

患者背景と症例概要

「高い」と感じてご相談いただいた症例

名古屋でインプラント治療を検討されている方の中には、「高齢だからインプラントは無理なのでは」「80代でも手術に耐えられるのか」「入れ歯以外の方法で噛めるようになりたい」というお悩みを抱えていらっしゃる方が少なくありません。今回ご紹介する症例は、85歳の患者様に対し、年齢ではなく全身状態と口腔条件に基づいてインプラント適応を判断し、ご高齢の方に適した設計で治療を行ったケースです。

患者様は85歳の女性です。昨年、右下6番目の歯(第一大臼歯)が大きな虫歯により保存不可能と診断され、抜歯されました。主訴は「抜歯後の欠損部を、入れ歯以外の方法で噛めるようにしたい」というものでした。

既往として度重なる虫歯はあったものの、歯ぎしりや歯周病の既往はなく、抜歯の原因も虫歯であったことから、口腔条件としてはインプラント治療に向いている方でした。ご年齢を考慮しても、服用されているお薬がなく、全身状態が良好であったことから、精査のうえインプラント治療が可能と判断しました。

インプラントとブリッジの比較を検討されている方は、以下の記事もご参照ください。

ご自身に近い症例をお探しの方は、以下の症例一覧もご覧ください。

症例まとめ

・患者:85歳 女性
・主訴:右下6番抜歯後の欠損部を、入れ歯以外の方法で噛めるようにしたい
・既往:度重なる虫歯(歯ぎしり・歯周病の既往なし)
・全身状態:良好、服薬なし
・最終治療方針:インプラント1本による補綴
・使用インプラント:ストローマン TLX(ティッシュレベル)
・上部構造:ジルコニア(スクリュー固定)
・骨造成:なし
・治療期間:約4ヶ月
・費用:580,000円(自由診療)

初診時の診断

初診時に行った検査

初診時には、口腔内診査、パノラマX線、歯科用コーンビームCT、歯周組織検査、咬合診査、全身状態の問診を行いました。ご高齢の患者様のインプラント治療では、口腔内の条件に加えて、全身状態・服薬状況・お口の管理能力を含めた総合的な評価が不可欠です。

CT所見と骨条件

CTによる計測の結果、欠損部の骨幅は約7mm、垂直的な骨の高さは約11mm確保されていました。骨高11mmの下方には下歯槽管(下顎の神経と血管が通る管)が走行しており、これとの安全距離を確保したうえで、必要なサイズのインプラントを埋入できる条件が揃っていました。

このため、骨の人工的な造成(GBR)などの追加処置を行わずに、シンプルにインプラントを埋入することができました。骨造成が不要であることは、ご高齢の患者様にとって治療期間・費用・身体的負担のすべてを軽減する大きな利点です。骨量が不足する場合の対応は、以下の記事で詳しく解説しています。

年齢と全身状態の評価

本症例で最も慎重に評価したのは、やはりご年齢です。しかし私は、インプラントの可否を決めるのは「暦の上の年齢」ではなく「全身状態と口腔条件」だと考えています。この患者様は85歳というご年齢でありながら、服用されているお薬がなく、全身状態は極めて良好でした。これらをすべて考慮し、インプラント治療が十分に可能と判断しました。

歯周状態と咬合の評価

他の歯に歯周病はなく、プロービング深さはほとんどの部位で3mm以下、歯の動揺もありませんでした。歯周病がないことは、インプラント周囲炎のリスクを下げる重要な条件です。

対合歯(噛み合う上の歯)はまだ健在で、抜歯から1年以内であったため、対合歯の挺出(伸び出し)はほとんど進んでいない状態でした。これは治療のタイミングとして幸運な条件でした。

治療計画と設計思想

治療選択肢の比較

治療選択肢の比較

①ブリッジ
右下6番は実質的に一番後ろの歯であり、後方に支えとなる歯がない遊離端欠損でした。後方の支えがないブリッジ(延長ブリッジ)は力学的に不利で、一般的に推奨されない治療となるため、本症例では選択肢から外れました。

②部分入れ歯
患者様は以前、他院で入れ歯を使用した際に「なかなか噛めなかった」というご経験をお持ちでした。また遊離端欠損に対する部分入れ歯は、支えとなる隣の歯に負担をかけ続けます。長期的に周囲の歯への影響が少ない方法として、入れ歯よりインプラントが有利と判断しました。

③インプラント1本(本症例で採用)
隣の歯を削らず、独立した1本として噛む機能を回復できる方法です。インプラント治療全体の利点と注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。

④放置するリスク
欠損を放置した場合、対合歯(反対側の噛む歯)が挺出してくるリスクがあります。本症例は抜歯から1年以内で対合歯がほとんど動いていなかったため問題ありませんでしたが、欠損が長く続くと、隣の歯が傾いてきたり、対合歯が伸びてきたりします。そうなってからでは、治療前に矯正や、噛み合わせの調整のためにご自身の歯を削る処置が必要になる場合があります。欠損治療は「動く前」に行うことが、余計な処置を避ける最善の方法です。

設計思想

なぜティッシュレベル(TLX)を選択したか

本症例の設計上の最大の特徴は、インプラント体にストローマン BLXではなく、TLX(ティッシュレベルインプラント)を選択した点です。

一般的なインプラントは「ボーンレベル」と呼ばれ、インプラント体は骨の高さまでで終わり、その上に歯ぐきを貫通するパーツを連結します。これに対しティッシュレベルインプラントは、骨の中の部分から歯ぐき(粘膜)を貫通する部分までが一体になった設計です。特定のメーカーにしかない設計のため馴染みのない方も多いのですが、とても理にかなった構造です。

選択の理由は2つあります。

第一に、インプラント周囲炎への対策です。インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に磨き残し(プラーク)が溜まり、周囲の骨が失われていく病気で、いわば「インプラントの歯周病」です。インプラントがダメになる最も大きな原因の1つであり、ご高齢の患者様では、年齢とともにお口の管理が少しずつ難しくなっていくことを見越して、周囲炎への対策を第一に考える必要があります。ティッシュレベルインプラントは、骨とパーツの継ぎ目が歯ぐきの上方に位置する構造のため、一度適切な位置に埋入されれば、ボーンレベルよりもインプラント周囲炎のリスクを抑えられると私は考えています。インプラント周囲炎の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。

第二に、力学的な強さです。右下6番は一番奥に近く、噛む力が最も強くかかる部位です。ティッシュレベルインプラントは構造上、咬合力への抵抗性に優れ、機械的なトラブル(部品の緩みや破損)が少ないと考えられます。

ただし、ティッシュレベルインプラントは埋入の深さの設定がボーンレベルよりも繊細で、より精密な計画と埋入技術が求められます。適応と技術が揃って初めて活きる選択肢です。インプラントの構造については、以下の記事で詳しく解説しています。

上部構造:ジルコニア+スクリュー固定

上部構造はジルコニアを選択し、スクリュー固定としました。ジルコニアは強度と清掃性に優れ、スクリュー固定は将来のメンテナンスや修理の際に取り外しが容易です。ご高齢の患者様の長期管理を見据えると、「外せる設計」であることの価値は大きいと考えています。

手術と治療経過

手術概要

手術概要

・埋入本数:1本(右下6番相当部)
・インプラント体:ストローマン TLX(ティッシュレベル)
・GBR(骨造成):なし

手術は局所麻酔下で行い、計画通りの位置・深さに埋入することができました。手術の流れと痛みの一般的な目安は、以下の記事で詳しく解説しています。

術後経過

手術当日には多少の痛みがあり、鎮痛薬を1錠服用されましたが、翌日からは痛みは全くなく、日常生活に支障はありませんでした。85歳というご年齢でも、骨造成を伴わないシンプルな埋入であれば、術後の負担はこの程度に抑えられることが多いというのが私の実感です。

治癒期間と最終補綴

埋入から3ヶ月後、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)を確認しました。その後、最終的な被せ物をジルコニアにて製作・装着し、治療を完了しました。初診から最終装着までのトータルの治療期間は約4ヶ月です。

最終装着後の評価では、咬合接触は安定し、清掃器具のアクセスも良好で、周囲の歯や歯ぐきにも問題は認められませんでした。

長期管理と歯科医師の解説

定期メンテナンス

定期メンテナンス

ご高齢の患者様のインプラントでは、定期メンテナンスの継続がとりわけ重要です。当院では3〜4ヶ月ごとの定期メンテナンスを行っており、インプラント周囲組織のプロービング、X線による周囲骨の確認、咬合接触のチェック、専門的なクリーニングを実施しています。ご自宅でのケアについても、その時々のお身体の状態に合わせた無理のない清掃方法をご提案しています。

長持ちさせるための管理の全体像は、以下の記事で詳しく解説しています。

よくあるご質問

質問1:85歳でもインプラントはできますか

年齢だけで判断することはありません。全身状態、服薬状況、骨の条件、お口の管理能力を総合的に評価して判断します。本症例では服薬がなく全身状態が良好であったため、問題なく治療できました。

質問2:ティッシュレベルインプラントとは何ですか

骨の中の部分から歯ぐきを貫通する部分までが一体になったインプラントです。継ぎ目が歯ぐきの上方にくるため、清掃性に優れ、インプラント周囲炎のリスクを抑えやすい設計と考えられます。一方で埋入深さの設定が繊細で、精密な計画が求められます。

質問3:一番奥の歯を抜いたまま放置するとどうなりますか

反対側の噛み合う歯が伸びてきたり(挺出)、隣の歯が傾いてきたりします。そうなると、インプラントの前に矯正や歯を削る調整が必要になる場合があります。欠損治療は歯が動く前に行うことをおすすめします。

質問4:手術後の痛みはどれくらいですか

本症例では当日に鎮痛薬1錠のみで、翌日からは痛みなく過ごされました。骨造成を伴わない1本のインプラントであれば、術後の負担は比較的軽いことが多いです。個人差があります。

質問5:インプラントはどのくらい持ちますか

適切なメンテナンスの継続により、10年生存率90%以上というデータが報告されています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

歯科医師からのコメント

今回の症例で私が最も重要だと考えたのは、「年齢を理由に選択肢を狭めない」ことと、「年齢だからこそ設計を変える」ことの両立です。

85歳という数字だけを見て「インプラントは無理」と判断するのは正しくありません。この患者様は服薬もなく全身状態は良好で、骨条件にも恵まれていました。一方で、これから先、年齢とともにお口の管理が少しずつ難しくなっていくことは自然な変化として見越しておくべきです。だからこそ本症例では、インプラント周囲炎への抵抗性と力学的な強さを重視して、あえてティッシュレベルインプラント(TLX)を選択しました。

「誰にでも同じインプラント」ではなく、その方の年齢・管理能力・部位にかかる力を読み込んで設計を変えること。それが10年先を見据えたインプラント治療だと考えています。

長期予後については、3〜4ヶ月ごとの定期メンテナンスを継続し、お身体の変化に合わせたケア方法の調整を行いながら、長期にわたって噛む機能を守ってまいります。

治療のリスク・副作用・費用・期間

治療内容:右下6番欠損部へのインプラント1本埋入(ストローマン TLX)+ジルコニア上部構造

治療期間:約4ヶ月(埋入・3ヶ月の治癒期間・最終補綴装着を含む)

費用:580,000円
インプラント治療は自由診療であり、費用は使用する材料や治療内容により変動します。

主なリスク・副作用:

・外科処置を伴います
・術後に腫れや痛みが生じることがあります
・インプラントが骨と結合しない可能性があります
・骨の状態によっては骨造成が必要になる場合があります
・下歯槽神経との距離によっては神経への影響のリスクがあります
・インプラント周囲炎のリスクがあるため、定期的なメンテナンスが重要です
・全身状態の変化により管理方法の調整が必要になる場合があります
・治療結果には個人差があります

名古屋でインプラント治療を検討されている方へ

インプラント治療では

・骨の状態
・噛み合わせ
・補綴設計

などを総合的に診断することが重要です。
当院のインプラント治療の考え方や治療の流れについては、以下のページで詳しく解説しています。

関連する内容は以下のページでご説明しています。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン

インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。