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セラミック・ベニアの前にホワイトニングをする理由
セラミックやベニアを考えていて、歯の色も明るくしたい方へ
この記事でわかること
- セラミック・ベニアの前にホワイトニングをする理由
- 色が落ち着く仕組みと、接着が弱くなる仕組み
- 当院での進め方
前歯をセラミックにしたい。ラミネートベニアで形や色を整えたい。あわせて、ほかの歯ももう少し白くしたい。名古屋でセラミックやベニアのご相談を受けていると、このようなご希望をうかがうことがよくあります。
このとき大事になるのが、ホワイトニングとセラミック・ベニアの順番です。セラミックやベニアは、一度作るとあとからホワイトニングで白くすることができません。そのため、周りの歯も白くしたい場合は、先にホワイトニングで歯の色を整え、その色に合わせてセラミックやベニアを作る順番が基本になります。
名古屋・伏見のEden Dental Officeでは、セラミックやベニアの前にホワイトニングを希望される方には、まずホワイトニングを2週間行っていただいています。白さが物足りなければ、納得のいく白さになるまで続けていただき、そこから補綴治療(被せ物やベニアで歯の形や色をつくり直す治療)を始めます。
この順番には、色を合わせやすくするという理由のほかに、いくつかの理由があります。ホワイトニングの直後は歯の色がまだ落ち着いていないこと、漂白の直後は接着が弱くなること、そして歯の色が明るくなると、ベニアを薄く作りやすくなることがあることです。
セラミックやベニアの治療は、相談から装着までに何回かの通院が必要です。その前にホワイトニングの期間が加わるため、全体の期間は長くなります。お仕事や行事の予定がある方は、最初のご相談のときにお知らせいただくと、無理のない計画を立てやすくなります。
このページでは、それぞれの理由を、歯や材料の中で起きていることから順に説明します。少し専門的な話も出てきますが、できるだけ普段の言葉に置き換えてお伝えします。
ホワイトニングの種類や料金、受けられない方の条件は、以下のページにまとめています。
なお、ホワイトニングをしなければセラミックやベニアが作れない、ということではありません。今の歯の色のままで良い方は、その色に合わせて作ります。ホワイトニングは、周りの歯も明るくしたいというご希望がある場合に、先に行うものです。
また、ホワイトニングで明るくなる幅には個人差があり、もとの歯の色や変色の原因によっても変わります。当院では、施術の前に色見本(シェードガイド)で今の色を確認し、1〜2トーン程度明るくなることを目安としてお伝えしています。
なぜ先に白くするのか|セラミックの色と、下地の歯の色の関係

セラミックは、あとから白くならない
天然の歯が白くなるのは、過酸化水素から生じた活性酸素(反応しやすい成分)が、歯の内側の有機の色素を分解するためです。セラミックの色は、ガラスや結晶に混ぜた金属酸化物などの顔料でつけており、分解される有機の色素を持ちません。そのため、セラミックはホワイトニングで色が変わらないとされています。

セラミックを先に作ってからホワイトニングをすると、周りの天然の歯だけが明るくなり、新しく作ったセラミックが暗く見えるようになります。作ったばかりのセラミックを作り直すことにならないよう、色の変わる天然の歯を先に整えておく、というのが順番の理由です。
歯の色は、明るさ、色み(黄色か赤みか)、色の濃さの組み合わせで決まります。ホワイトニングでは、主に明るさが上がり、黄色みが薄くなるとされています。セラミックの色を選ぶときも、この3つを周りの歯と合わせるため、周りの歯の色が決まっていないと、どの色に合わせればよいかが決まりません。
天然の歯は、透明感のあるエナメル質が、黄色みのある象牙質を覆う重なりでできています。セラミックも、この重なりをまねて、不透明な層と透明感のある層を重ねて作ることがあります。周りの歯の明るさや透明感が分かってはじめて、どの層をどのくらいの厚みで重ねるかを決められます。
ベニアの色は、下の歯の色の影響を受ける
ラミネートベニアは、歯の表面に貼る薄いセラミックです。厚みはおよそ1ミリ以下のことが多く、光をある程度通します。歯に当たった光の一部はベニアを通り抜け、下の歯の表面で反射して戻ってきます。そのため、目に見えるベニアの色は、ベニア自体の色に、下の歯の色が重なったものになります。

下の歯の色が濃い場合、その色がベニアを通して透けて見えます。これを隠すには、ベニアを厚くするか、光を通しにくい不透明な材料を使う必要があります。セラミックの厚みが増すほど、下の歯の暗さを隠しやすくなるという報告があり、反対に薄いベニアでは、濃い色を隠しきれないことがあるとされています。
ベニアを厚くするには、その分だけ歯を削る量が増えます。また、不透明な材料を多く使うと、天然の歯のような透明感が出にくくなります。下の歯の色が濃いほど、削る量と見た目の自然さの両方で、条件が厳しくなる仕組みです。
削る量は、接着にも関わります。ベニアの接着は、エナメル質の上で行うほうが安定しやすいとされています。エナメル質の厚みは前歯の表側で1ミリ前後、歯ぐきに近い部分ではさらに薄く、深く削ると内側の象牙質が出てきます。象牙質は水分や有機物を多く含み、エナメル質に比べて接着の条件が難しくなるためです。
セメント(ベニアを貼り付ける材料)の色を不透明なものにして、下の色を隠す方法もあります。ただ、この方法でも、透明感とのかね合いは残ります。下地の色をできるだけ明るくしておくことは、こうした調整を少なくすることにもつながります。
下地が明るくなると、ベニアを薄くしやすくなる
ホワイトニングで下の歯の色が明るくなっていれば、ベニアで隠さなければならない色の差が小さくなります。その結果、ベニアを薄く、透明感のある材料で作りやすくなり、歯を削る量を抑えられることがあります。

当院では、健康な歯を見た目のためだけに大きく削ることは、あまりお勧めしていません。ホワイトニングを先に行うことは、色を合わせるためだけでなく、削る量を少なくするための準備としての意味もあります。
ただし、薬の影響による強い変色など、ホワイトニングで明るくなりにくい歯もあります。その場合でも、少しでも下地が明るくなれば、ベニアの設計に余裕が出ることがあります。
ホワイトニングのあと、色が落ち着く仕組み

ホワイトニングの直後に見える歯の色は、まだ最終的な色ではありません。セラミックやベニアの色は、落ち着いたあとの歯の色に合わせる必要があります。ここでは、色が変わって見える仕組みを説明します。
乾燥すると、歯は白く見える
エナメル質は、細長い結晶がびっしり並んだ構造で、結晶と結晶の間には、ふだん水分が入っています。光は、性質の違う物質の境目を通るたびに、向きを変えたり散らばったりします。この光の曲がりやすさを表す数値を、屈折率といいます。
エナメル質の結晶の屈折率はおよそ1.62、水はおよそ1.33、空気は1.0とされています。歯が潤っているときは、結晶のすき間が水で満たされているため、結晶との差が比較的小さく、光は内側まで届きます。
ところが、歯が乾くと、すき間の水分が空気に置き換わります。結晶と空気の屈折率の差は大きいため、光が表面近くで細かく散らばり、歯は白っぽく、不透明に見えるようになります。ホワイトニングの施術中や直後は、薬剤や長く口を開けていることで歯が乾燥し、この状態になりやすくなります。
唾液で潤うと、色は少し戻る
施術のあと、唾液によって歯の中に水分が戻ると(再水和)、乾燥による白さは少しずつ元に戻ります。30分ほど歯を乾燥させただけでも、色の変化が目で分かるほどになり、元に戻るまでには時間がかかったという報告があります。
このため、ホワイトニングの直後の白さは、乾燥による分が上乗せされた状態です。漂白の効果そのものに加えて、この乾燥による見え方の変化が落ち着くまでは、本当の歯の色は分かりません。この時期に色を決めてセラミックを作ると、歯の色が落ち着いたあとに、セラミックだけが白く浮いて見えることがあります。
漂白の効果そのものも、時間とともに少し戻る
乾燥とは別に、漂白で明るくなった色そのものも、時間とともに少しずつ戻る傾向があるとされています。高濃度の薬剤で短い時間に明るくするオフィスホワイトニングは、ホームホワイトニングに比べて、その後の色の戻りが大きかったという報告があります。
このように、方法によって色の戻り方に違いがあるとされています。セラミックやベニアを予定している場合は、どの方法で白くするかも、その後の治療の予定を含めてご相談のうえで決めます。どの方法が合うかは、歯の状態やご予定によって変わります。
どのくらい戻るかは、歯の質や変色の原因、飲食の習慣によって違い、個人差があります。セラミックの色を決めるのは、こうした戻りがある程度落ち着き、歯の色が安定してからのほうが、長い目で見て周りの歯と合いやすくなります。
白い斑点がある歯では、乾燥によって斑点が一時的に目立つこともあります。白い斑点や、白さにムラが出る理由は、以下の記事で説明しています。
色を確認するときの条件をそろえる
歯の色は、照明の種類や明るさ、見る角度、歯の乾き具合によって変わって見えます。そのため、ホワイトニング前後の色を比べるときや、セラミックの色を決めるときは、できるだけ同じ条件で色見本と照らし合わせることが大切です。

一般に、色を確認するのは、歯が乾く前の、処置の始めのほうがよいとされています。長く口を開けたあとや、歯の表面を乾かしたあとに確認すると、実際より白い色を選んでしまうおそれがあるためです。
また、同じ色を長く見続けると、目が慣れて色の違いが分かりにくくなるとされています。色見本と歯を比べるときは、短い時間で見比べ、必要なら少し目を休めてから見直します。
漂白の直後に接着が弱くなる仕組みと、進める順番
セラミックやベニアが歯にくっつく仕組み
セラミックやベニアは、樹脂系の接着材やセメントで歯に貼り付けます。まず歯の表面のエナメル質をリン酸などの酸で処理し、目に見えない細かい凹凸を作ります。そこに液状の樹脂が流れ込み、固まることで、凹凸にしっかりとかみ合います。
セラミックの側も、表面を処理して細かい凹凸を作り、シランカップリング材(セラミックと樹脂を化学的につなぐ薬剤)を塗ります。歯、樹脂、セラミックがそれぞれつながることで、薄いベニアでも歯にしっかり付いた状態になります。
樹脂が固まるのは、光や化学反応で生じたラジカル(反応しやすい成分)が、樹脂の分子を次々とつなげていくためです。この反応を重合といいます。接着の強さは、この重合が十分に進むかどうかに左右されます。
漂白の直後に接着が弱くなる理由
ホワイトニングの直後は、エナメル質の中に、分解しきれなかった過酸化物や、そこから生じた酸素が残っているとされています。酸素はラジカルと結びつきやすく、重合の連鎖を途中で止めてしまいます。そのため、漂白の直後に接着を行うと、樹脂が十分に固まらず、接着が弱くなるという報告があります。
残った酸素や過酸化物は、時間がたち、唾液に触れるうちに抜けていくと考えられています。時間を置いてから接着した場合には、接着の強さが漂白していない歯に近いところまで戻ったという報告もあります。
唾液には、カルシウムやリン酸などのミネラルが含まれています。漂白のあと、唾液に触れているうちに、エナメル質の表面の状態が整っていくことも、接着の回復に関わると考えられています。
このため、色が落ち着くのを待つことは、接着の面から見ても意味があります。セラミックやベニアの型取りや装着は、ホワイトニングを終えてから間を置いて行います。
当院での進め方
- 虫歯や歯周病の検査を行い、必要な治療を先に行う
- ホワイトニングを2週間行う
- 白さが物足りなければ、納得のいく白さになるまで続ける
- 歯の色が落ち着いてから、色見本で色を確認する
- セラミックやベニアの治療を始める
「納得のいく白さになるまで続ける」としているのは、セラミックやベニアを入れたあとは、その歯をホワイトニングで明るくすることができないためです。セラミックの色は、その時点の周りの歯に合わせて決まります。もう少し白くしたかったと後から感じても、セラミックの色だけは変えられないため、色を決める前に、白さに納得していただくことを大切にしています。

ホワイトニングを続ける期間は、もとの歯の色や変色の原因、しみる症状の出方によって変わります。途中で白さが頭打ちになることもあるため、そのときは色見本で確かめながら、どこで区切るかを一緒に決めます。
すでに被せ物や詰め物がある場合は、それらはホワイトニングで白くならないため、周りの歯との色の差が出ることがあります。作り直しが必要かどうかも、この段階であわせてご説明します。
なお、ホワイトニングの期間中にしみる症状が出た場合は、症状が落ち着いてから補綴治療に進むほうが楽に受けられます。歯を削る処置や型取りは、しみる症状が残っているとつらく感じやすいためです。
セラミックやベニアを入れたあとも、天然の歯の白さは時間とともに少しずつ戻ります。セラミックの色は変わらないため、周りの歯が戻ってくると、色の差が出ることがあります。定期的なクリーニングや、必要に応じた追加のホワイトニングで、天然の歯の色を保つことが、セラミックとの色を合わせ続けることにもつながります。
まとめ|名古屋でセラミックやベニアを考えている方のホワイトニング
セラミックやベニアはあとから白くならないため、周りの歯も白くしたい場合は、先にホワイトニングで色を整え、その色に合わせて作る順番が基本です。ベニアは光を通すため下の歯の色の影響を受け、下地が明るいほど薄く作りやすくなり、削る量を抑えられることがあります。
ホワイトニングの直後は、乾燥によって歯が白く見え、唾液で潤うと少し戻ります。また、漂白の直後は残った酸素が樹脂の重合を妨げ、接着が弱くなるとされています。色と接着の両方の理由から、セラミックやベニアはホワイトニングを終えて間を置いてから進めます。
名古屋・伏見のEden Dental Officeでは、まずホワイトニングを2週間行い、物足りなければ納得のいくまで続けてから、補綴治療を始めています。効果には個人差があるため、途中で色を確かめながら一緒に進めます。
当院(名古屋・伏見)では、初めてのご相談は無料です。ホワイトニングの種類と料金、受けられない方の条件は、以下のページにまとめています。
よくあるご質問
Q1. ホワイトニングの白さに合わせて作ったセラミックは、あとで浮いて見えませんか?
天然の歯の白さは時間とともに少し戻るため、色の差が出ることはあります。定期的なクリーニングや追加のホワイトニングで天然の歯の色を保つと、差が目立ちにくくなります。
Q2. 前歯1本だけをセラミックにする場合も、ホワイトニングは必要ですか?
必要ではありません。今の歯の色で満足している場合は、その色に合わせて作ります。周りの歯も明るくしたい場合に、先にホワイトニングを行います。
Q3. ホワイトニングをしても、ベニアを削る量は変わらないこともありますか?
あります。削る量は、歯の色だけでなく、歯の形や並び、噛み合わせによっても決まります。ホワイトニングで明るくなる幅にも個人差があるため、診察で全体を見て判断します。
Q4. ホワイトニングとセラミックを同時に始めることはできますか?
検査や相談、治療計画の説明は同時に進められます。ただ、セラミックの色決めや装着は、ホワイトニングで歯の色が落ち着いてから行います。
Q5. 結婚式などの予定がある場合は、いつから始めればよいですか?
ホワイトニングだけでも、しみる症状や色が落ち着くまでの期間を見込む必要があり、セラミックやベニアまで含めるとさらに期間がかかります。予定が決まったら、早めにご相談ください。
Q6. 白くしすぎると、セラミックが不自然に見えませんか?
セラミックの色は、ホワイトニング後の歯の色に合わせて決めるため、周りと合った色になります。どこまで白くするかは、お顔の印象や肌の色も含めて、色見本を見ながら一緒に決めていきます。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン
インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。



