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オールオン4を勧められたが歯を残したい方へ
名古屋でオールオン4を勧められ、歯を残したいと考えている方へ
オールオン4を勧められたけれど、自分の歯は残したい。名古屋でそう調べている方に、先にお伝えしたいことがあります。残したいというお気持ちは、当然のものだと思います。ただ、そう望まれても残せない歯はあります。それを分けているのは医院の方針ではなく、検査で分かることです。この記事では、その中身が何なのか、歯を残した場合と、インプラントに置き換えた場合に何が報告されているのかを、順に並べていきます。勧めてくださった歯科医院の判断を、否定する内容ではありません。
この記事でわかること
- 残せるかどうかは、歯のぐらつき、歯ぐきの溝の深さ、根の分かれ目の状態で決まります
- 重い歯周病でも、歯を残せている人たちがいることが報告されています
- 全部をインプラントで支える方法も、こわれずに残っている割合は高いと報告されています
- どちらを選んでも、その後の通院は続きます
その日に返事をしなくて大丈夫です
全部抜いて、インプラントで作り直しましょう。そう説明された直後は、頭が整理できないものだと思います。抜くという言葉の重さと、治療の大きさが同時に来るからです。その場で返事をしなくて構いません。持ち帰って考えたいと伝えるだけで足ります。断りにくいと感じる方もいますが、時間をくださいと言うことは失礼にはあたりません。
勧めてくださった先生を疑う必要もありません。限られた時間と情報の中で、責任のある判断を示すのは自然なことです。ただ、その判断が何を見てのことなのかは、伺ってよい部分です。理由が分かれば、納得して選ぶか、別の意見も聞くかを、ご自身で決められます。どの歯がどう悪いのか、支えの骨がどれだけ残っているのか。この二つを聞いておくだけでも、後で整理しやすくなります。
オールオン4は、成績の報告がある治療です
先に立場をはっきりさせておきます。私はこの治療法を否定していません。全部の歯をインプラントで支える方法の成績は、いくつもの研究で報告されています。材料ごとにオールオン4を追った報告では、インプラントがこわれずに残っている割合は98.9〜99.5%とされています(de Araújo Nobre M ほか、2023年、Biomedicines)。
残っている歯が少なく、支えの条件も整っている方には、噛む力をまとめて取り戻せる有力な方法です。取り外しの手間もありません。ですからこの記事は、オールオン4と歯を残すことの、どちらが良いかを決めるものではありません。ご自身がどちらの条件に近いのかを、検査の結果から見分けるための記事です。
「残したい」という気持ちは、研究の見方とも合っています
歯が全部ない方に、取り外せない形で全体を作る治療を調べた研究があります(Kwon T, Bain PA, Levin L、2014年、Journal of Dentistry)。18の研究をまとめた調査です。10年を超える長さで追った研究がまだ少ないため、長い目で見た結論は出せないと述べています。
そのうえで著者らは、この治療をするためだけに、まだ働いている歯を抜くのは避けるべきだと書いています。つまり残したいというお気持ちは、気分の問題として片づけられるものではありません。研究の側にも、同じ方向の慎重な見方があります。
ただし、抜かないほうがよいという意味ではありません。働いていない歯、支えに使えない歯は、この話の対象外です。残すこと自体が目的になると、かえって他の歯に負担が回ることもあります。歯を全部失っている場合や、残った歯が支えにならない場合の道は、別の記事で整理しています。
残せるかどうかは何で決まるのか|数字を並べてみる
歯を残した側で、報告されていること
重い歯周病でも歯が残せている報告があります(Herz MM ほか、2025年、Dentistry Journal)。歯周病が進んだ115人、2,647本の歯を、歯ぐきを切る手術を使わずに治し、その後を追った研究です。かなり重い段階の方が24%、進行の速いタイプの方が40%を占める集団でした。
通院の期間は平均でおよそ9年、来院は平均で10回ほどでした。この間に歯周病が原因で失われた歯は、1人あたり1本ほどです。9年近くを通して、1人1本前後という数字になります。歯ぐきを切る手術を加えなくてもこの結果だった、という点も押さえておきたいところです。
日本人のデータもあります(Takedachi M ほか、2022年、Scientific Reports)。歯周病の患者607人を、平均で6年半ほど追いかけた研究です。15,838本の歯のうち、失われたのは260本でした。1年あたりに直すと、1人0.07本になります。10年たっても1本に届かない計算です。
ただし同じ研究は、条件で数字が変わることも示しています。いちばん重い段階の方では1年に0.24本、進行の速いタイプの方では0.15本でした。残せる方もいれば、残しにくい方もいる。それを同じ研究が同時に示しています。
インプラントに置き換えた側で、報告されていること
先ほどの調査では、10年以上追った研究で、インプラントがこわれずに残っている割合は78.3〜98.9%と報告されています(Kwon ほか、2014年)。研究によって幅がある点は、そのまま受け取るのが正確だと思います。同じ調査は、10年を超える研究の数そのものが少ないことも指摘しています。
起きやすいこわれ方も挙がっています。ねじのゆるみや折れ、人工の歯の部分の欠けです。まわりの骨が減る量は、観察した期間を通じて0.59〜1.95mmでした。
入れた後の手入れも要ります。インプラントのまわりに起きる炎症を調べた報告があります(Wada M、2021年、Japanese Dental Science Review)。この炎症が起きた人の割合は8.9〜45%、インプラント1本ごとに数えると4.8〜23.0%と報告されています。数え方の違いで幅が大きい数字です。危ないという意味ではなく、入れた後も見ていく必要があるという意味で受け取ってください。
二つの数字は、同じものさしではありません
| 選ぶ道 | 報告されていること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 重い歯周病の歯を残して通い続ける | 9年ほど追った研究で、歯周病が原因で失った歯は1人1本ほど。日本人のデータでは1年に1人0.07本 | 通い続けることが前提。いちばん重い段階では1年に0.24本まで上がる |
| 全部をインプラントで支える | 10年以上の研究で、こわれずに残っている割合は78.3〜98.9%。噛む力をまとめて取り戻せる | 10年を超える研究が少ない。ねじや人工の歯のこわれ、まわりの炎症の手入れが要る |
| 残せる歯を活かして一部を補う | 自分の歯の感覚を一部残したまま、足りない部分を補える | 残す歯の条件が整っている必要がある。設計は複雑になる |
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます
表の読み方に、一つだけ注意があります。歯の側は、1年に何本失うかを数えています。インプラントの側は、何%が残っているかを数えています。ものさしが違うので、この表で勝ち負けは決められません。読み取っていただきたいのは、どちらにも報告された実績があり、どちらにも通院が続くという点です。
1本ずつ補う設計と、少ない本数でまとめて支える設計では、考え方の出発点から違います。
本数を多く使う方法との違いを先に知っておくと、提案された内容の位置づけが分かりやすくなります。
歯を残す選択にも、限界と条件があります
残せるかどうかを決めているのは、この3つです
先ほどの研究では、歯を失うことと強く結びついた所見が挙げられています。歯のぐらつき、根の分かれ目に病気が及んでいること、歯ぐきの溝の深さ、そして歯周病が進んだ段階であることです(Herz ほか、2025年)。
根の分かれ目というのは、奥歯の根が二股や三股に分かれている部分のことです。ここまで病気が届くと、道具が入りにくく、掃除がしづらくなります。ですから、ここに病気が及んでいるかどうかが、大きな分かれ目になります。
奥歯を10年間追いかけた研究もあります(Gopalakrishnan D ほか、2024年、Journal of Indian Society of Periodontology)。ここでも、ぐらつき、根の分かれ目、歯ぐきの溝の深さが、抜くことにつながりやすい所見として挙がっています。見ている材料は、おおむね共通しているということです。
裏を返せば、この3つがそろって軽い方は、残す方向で検討しやすくなります。重なるほど、残したときの見通しは慎重に見ることになります。残せるか残せないかの二つに一つではなく、程度の問題として扱っています。
費用の面からも、一つ申し上げておきます。支えを失った歯を無理に使って被せ物を作っても、1年ほどでだめになることがあります。そうなると分かっている設計に、大きな費用をかけていただくことは勧めません。残したいというお気持ちを伺ったうえで、それでも難しい歯は難しいとお伝えします。
通い続けられることが前提になります
歯を残す道は、残した後の通院とセットになります。ここは正直にお伝えしておきたい部分です。定期的に通っている人たちの中でも、たばこを吸う方は歯を失う可能性が3倍ほどという報告があります(Vieira TR ほか、2018年、複数の研究をまとめた調査)。
通う回数が保てない見込みなら、残す設計は不利に働きます。仕事や介護の事情で、数年に一度しか来られないという方もいらっしゃいます。その場合は、残すこと自体が目的にならないほうがよいこともあります。通えない時期があること自体を、責めるつもりはありません。ただ、設計を決めるときの前提としては、正直に教えていただくほうが結果につながります。無理のある前提で組んだ計画は、途中で行き詰まりやすいからです。
一部だけ残す設計にも、条件があります
全部残すか、全部置き換えるかの二択ではありません。使える歯を残して、足りない部分を補う設計もあります。ただし、残す歯に十分な支えがあること、噛む力の流れが偏らないことが条件です。支えの弱い歯を無理に組み込むと、その歯に力が集中して、先に傷んでしまいます。何本残せるかではなく、どの歯をどこに使えるか、という見方をします。
支えにする本数をどう決めるかは、それだけで一つの検討事項です。
費用の見え方も設計によって変わるため、比べ方を先に知っておくと混乱が減ります。
相談の前に、ご自身で整理しておけること
- ☑ どの歯を残したいか。全部なのか、前歯だけなのか、噛める奥歯なのか。全部と答えていただいても構いません
- ☑ 説明で何を挙げられたか。ぐらつき、骨、歯ぐきの溝など。覚えている範囲で構いません
- ☑ 通える見込みはどうか。年に何回くらいなら現実的か、正直なところを教えてください
- ☑ たばこを吸うか。歯を残せるかどうかに関わるので、判断の材料としてお伺いします
- ☑ いつまでに決めたいか。期限があれば、その日程から逆算して検査の順番を組みます
「この歯は残せますか」と聞かれたとき、私が先に見ていること
見ているのは、歯そのものより支えの側です
残せますかと伺われたとき、私が最初に確認するのは、歯の頭の部分ではありません。その歯を支えている骨がどれだけ残っているか、根の分かれ目に病気が及んでいないか、揺れがどの程度かです。CTで骨の残り方を立体で確かめ、歯ぐきの検査で溝の深さを一本ずつ測ります。
歯の見た目が悪くても、支えが残っていることがあります。逆に、見た目が保たれていても、支えが失われていることもあります。ですから、写真や見た目だけで、その場でお答えすることはしません。答えではなく、答えのもとになる材料を先に共有するようにしています。同じ検査結果を見ながら話せる状態にしておくと、こちらの説明も具体的になります。
検査の結果は、画面を一緒に見ながらご説明します。どの歯がどの程度なのかを、画像と数字で確かめていただく形です。聞いたことのない言葉が出てきたときは、その場で止めてくださって構いません。分からないまま話が進むより、そのほうが結局は早く進みます。遠慮はいりません。
完成形から逆算して、使える歯を決めます
私は米国インディアナ大学大学院で補綴を学びました。被せ物や入れ歯で補う分野です。そこで驚いたのは、お口全体の治療では完成形の模型を先に作り、ゴールを患者さんと共有して合意してから、最初の1本に取りかかるという進め方でした。ゴールを決めずに走り出さない、という文化が徹底されていました。
指導医からは「1本の歯を診る前に、顔と噛み合わせの全体を診ろ」と教わりました。1本ずつ残せるかどうかを積み上げても、全体としての答えにはなりません。完成形を先に描き、そこから逆算して、この歯は支えとして使えるか、この歯は残しても居場所があるかを決めていきます。
つまり残せますかという問いは、その歯だけを見ても答えが出ない問いです。全体の形が決まって、はじめてその歯の役割が決まります。ですから初回に、この歯は残せますとも、残せませんとも申し上げないことがあります。答えを避けているのではなく、順番として全体が先に来るという事情です。
仮歯の期間で、答え合わせをします
もう一つお伝えしたいのは、判断を一度で決めきらない方法があることです。仮歯は間に合わせの歯ではなく、完成形の試し運転だと私は教わりました。噛み合わせの高さや発音、見た目をそこで十分に確かめてから、最終の歯に置き換えます。
残すと決めた歯が、実際の噛み合わせの中で耐えられるかも、この期間に確かめられます。仮歯の段階で揺れが増えるようなら、そこで設計を組み直せます。逆に、この期間を持たずに最終まで進むと、後戻りが難しくなります。急いだほうが早いように見えて、作り直しが入ると結局遠回りになります。
私は、ふつうなら歯科技工士に任せる製作の工程まで、自分の手で行ってきました。設計から製作まで一人で仕上げた入れ歯は100床近くになります。作る側の限界を知っているぶん、この本数の歯を支えに使えるかどうかを、現実的に見積もれます。設計の上では成り立っても、作る段階で無理が出る形というものがあります。
当院は名古屋市中区栄にあり、地下鉄「伏見駅」6番出口から徒歩2分です。カウンセリングルームは完全個室、診療室は半個室という構成にしています。完全予約制ですので、待合で長く待つ時間はほとんどありません。遠方の方や、まず画面越しから始めたい方には、Zoomでの相談も選べます。他院で言われた内容を整理したい場合の考え方は、別の記事にまとめています。
まとめ|名古屋でオールオン4を勧められ、歯を残したい方へ
残したいというお気持ちは、話の出発点です。ただ、そう望まれても残せない歯はあります。1年ほどでだめになると分かっている歯に、大きな費用をかける治療は、私はお勧めしません。残せるかどうかは、歯のぐらつき、根の分かれ目の状態、歯ぐきの溝の深さ、骨の残り方で見ます。重い歯周病でも、通い続けた人たちでは、失う歯は9年ほどで1人1本という報告があります。いちばん重い段階の方では、1年に0.24本まで上がります。
オールオン4の側にも、良い成績の報告があります。どちらかが正解という話ではありません。ご自身がどちらの条件に近いのかを、検査の結果から見分ける作業が先に来ます。
名古屋でオールオン4を勧められ、歯を残したいと迷っている段階なら、まず無料相談で構いません。この治療法と全体の治療がどう違うのかを先に整理したい方は、こちらにまとめています。
向いているかどうかの考え方や、他にどんな方法があるかを知りたい方には、こちらが参考になります。
よくあるご質問
Q1. 他院で残せないと言われました。その診断が間違っているということですか。
そうとは限りません。見ている情報が違えば、判断が変わることはあります。レントゲン写真だけで見える範囲と、CTで骨の形まで確かめた場合とでは、材料の量が違います。逆に、検査を足しても同じ判断になることもあります。私が申し上げられるのは、何を見ての判断なのかを伺えば、納得して選ぶための材料が増えるということです。前の先生の判断を否定するために検査をするのではありません。
Q2. 抜くかどうかの結論は、どのくらい待てますか。
状態によります。痛みや腫れが出ている場合は、その処置を先に行う必要があります。症状が落ち着いている場合は、まず炎症を抑えて、数か月後にもう一度見てから決める進め方もあります。歯ぐきの治療をした後で、状態が変わることがあるためです。どのくらい待てるかは、検査の結果を見てからお伝えします。急かすことはしませんが、待てない状態のときは、その理由も含めてご説明します。いつまで様子を見るか、次にどこを確かめるかを、あらかじめ決めてからお待ちいただく形にしています。
Q3. 一部だけ残して、残りをインプラントにすることはできますか。
条件が整えば、そうした設計もあります。残す歯に十分な支えがあること、噛む力の流れが一部に偏らないことが前提です。ただし設計は複雑になりますし、残した歯の手入れも続きます。どの歯を残すかは、完成形を先に描いてから逆算して決めます。全部残すか全部置き換えるかの二択ではない、とお考えいただければと思います。具体的な組み合わせは、検査のうえでいくつか案をお出しします。
Q4. 相談だけしたいのですが、抜くように説得されませんか。
説得はしません。相談の場でお伝えするのは、検査で分かったことと、そこから考えられる選択肢です。決めるのはご本人です。その日に結論を出していただく必要もありません。初回のご相談は無料です。他院で受けた説明について意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオン外来(5,500円税込)という入口もあります。ご希望であれば、撮影した画像や検査の結果をお持ち帰りいただき、あらためて考えていただく形でも構いません。ご家族と相談してから決めたい、という方も多くいらっしゃいます。
「抜かずに残せる歯はあるか」だけを確かめる相談も、初回は無料です。
※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。検査・診断のうえで、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明し、ご納得いただいてから治療を始めます。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン
インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。



