ブログ

  • TOP
  • ブログ
  • ノンクラスプデンチャーの修理・調整はできる?|名古屋・伏見の補綴専門医

ノンクラスプデンチャーの修理・調整はできる?|名古屋・伏見の補綴専門医

直せるかどうかは、「素材」で決まります

結論から言うと、ノンクラスプデンチャーは修理や調整ができる場合もあれば、難しい場合もあります。分かれ目は、入れ歯が何の樹脂でできているかです。

同じ「ノンクラスプデンチャー」という名前でも、使われている樹脂はいくつもあります。院内の修理材がしっかり付く素材なら、その場で直せることがあります。付かない素材は、技工所に預けるか、作り直しを考えることになります。

「割れてしまったけれど、作った医院が遠い」「ゆるくなったので締めてほしい」。名古屋でも、他院で作ったノンクラスプデンチャーの修理のご相談をいただきます。

この記事で分かること。

  • 素材によって、直せる範囲がどう違うか
  • 割れた・ゆるい・歯が抜けたときの考え方
  • 相談の前に確かめておきたいこと

入れ歯治療の全体像は、以下のページにまとめています。

まず、今の状態を確かめてください

状態 目安
ゆるい・表面がざらつく 一度ご相談を
ひびが入った・当たって痛い 早めにご相談を
バネをかけていた歯が抜けた 設計の見直しを

分かれ目は、院内の修理材が「付くかどうか」です

入れ歯を院内で修理するときは、その場で固まる樹脂(常温重合レジン)を使います。割れた部分をつなぐ、足りない部分を足す、裏打ちをする。どれも、この修理材が入れ歯にしっかり付くことが前提です。

ところが、ノンクラスプデンチャーに使われる樹脂の中には、この修理材がほとんど付かない素材があります。材料を比べた研究では、ナイロン系(ポリアミド系)などは修理材とほとんど接着しませんでした。一方、ポリエステル系やポリカーボネート系は、通常の入れ歯より強く接着しました。

素材の系統 院内での修理・裏打ち 対応の場所
ポリアミド系 修理材が付かず難しい 技工所での工程
ポリエステル系 修理材が付きやすい 院内で対応しやすい
ポリカーボネート系 通常の入れ歯と同程度 院内で対応しやすい

ノンクラスプデンチャーの素材による院内修理のしやすさの違い

図:院内の修理材が付く素材と付かない素材

日本補綴歯科学会の指針の英語版でも、ポリアミド系は修理や裏打ちが難しく技工所で行う必要があると整理されています。一方、ポリエステル系は院内で修理・歯の追加・裏打ちができるとされています。

ポリアミド系でも、製品によっては技工所で樹脂を流し込み直し、裏打ちや歯の追加ができるものがあります。製品による差が大きいのが、ノンクラスプデンチャーの修理の難しさです。

ゆるくなっても、締めにくい素材がある

金属のバネなら、曲げ直して留める力を調整できます。ノンクラスプデンチャーの歯ぐき色のバネは樹脂なので、同じようにはいきません。

指針では、ポリアミド系の中には削る・磨くことが極めて難しく、留める力の調整も難しい製品があるとされています。研磨面は使ううちに光沢を失い、ざらついて暗くなることも報告されています。

困りごとごとに、考えられる対応が違います

素材の違いを踏まえて、よくある困りごとを整理します。どれも「素材が分かれば、見通しが立てやすくなる」という点は共通です。

困りごと 考えられる対応
割れた・ひびが入った 素材により院内か技工所
ゆるくなった 素材により調整に限界
当たって痛い 削って調整(製品差あり)
歯が抜けた 歯の追加か作り直し
歯ぐきと隙間ができた 裏打ちできる素材か確認

ノンクラスプデンチャーの困りごと別の対応

図:困りごと別の考え方

割れたときは、破片を捨てずにお持ちください。破片がそろっていると、元の形を再現しやすくなります。

相談の前に、確かめておきたいこと

修理の見通しを立てるために、分かる範囲で次のことを確かめておいてください。

  • 作った医院と、作った時期
  • 素材名や製品名(入れ歯の説明書・保証書に書かれていることがあります)
  • いつから、どんなふうに困っているか
  • 割れた場合は、破片がそろっているか

お手入れの方法も、素材で変わります。指針では、ポリエステル系はアルカリ性の入れ歯洗浄剤に弱いとされています。洗浄剤を選ぶときも、素材が分かっていると安心です。

修理では、保険は使えません

熱可塑性樹脂のノンクラスプデンチャーは、日本の公的医療保険の対象外です。学会の指針の英語版にも、そのことが明記されています。修理や調整も自費での対応になるため、見通しを先にお伝えするようにしています。

費用やデメリットの全体像は、以下の記事にまとめています。

私は、直す前に「なぜそこが壊れたか」を見ます

修理のご相談で、私が最初に確かめるのは何の樹脂でできているかです。作った医院で素材名が分かれば、いちばん確実です。分からない場合は、削った感触や見た目、表面の状態から推定します。

技工を自分の手で行ってきたので、熱可塑性樹脂は「温めて流し込んで形にする」材料だと手で知っています。後から一部だけ足す、削って整えるといった作業が、アクリルの入れ歯と同じようにはいかない素材があります。調整のしやすさは、素材を選んだ時点で決まっているということです。

もうひとつ見るのは、壊れた場所です。

  • 同じ場所が繰り返し割れる
  • 歯ぐき色のバネの付け根が欠けた
  • バネをかけていた歯が抜けた

こうした壊れ方は、そこに力が集まっていた合図です。学会の研究報告でも、バネ部分の破折や、裏打ち・修理の難しさは未解決の課題として挙げられています。

直せる場合でも、力の集まり方が変わらなければ、また同じことが起きます。修理で使い続けるか、設計を見直すか。その判断を分けてご説明します。

ノンクラスプデンチャーを最終的な入れ歯として使い続けてよいかという点は、以下のページで整理しています。

同じテーマの記事

名古屋・伏見で「ノンクラスプデンチャーの修理」を相談するなら

ひびやゆるみを放置すると、割れが広がったり、合わない入れ歯で歯ぐきやバネの歯に負担がかかったりします。様子見より相談を先にしていただければ、直せるかどうかと、その方法をお伝えできます。

当院での進め方は、入れ歯の素材と壊れた場所を拝見し、お口に入れた状態で噛み合わせと合い方を確認するところからです。そのうえで、院内で直せるか、技工所に預けるか、作り直しを考えるかを分けてご説明します。他院で作った入れ歯でも、まずはお持ちください。

地下鉄伏見駅6番出口から徒歩2分です。名古屋市内・愛知県内から通われる方が多くいらっしゃいます。

よくあるご質問

作った医院以外でも、修理してもらえますか?

多くの場合、拝見することはできます。ただ、素材によって院内で直せる範囲が違うため、作った医院で素材名が分かると見通しが立てやすくなります。分からない場合も、状態から推定してご説明します。

ゆるくなったノンクラスプデンチャーは、締めてもらえますか?

金属のバネのように曲げて締めることは、樹脂のバネでは難しい場合があります。素材によっては留める力の調整そのものが難しく、裏打ちや作り直しを考えることもあります。

バネをかけていた歯が抜けたら、歯を足せますか?

院内の修理材が付く素材であれば、歯を足せる場合があります。付かない素材は技工所での工程が必要になり、製品によっては対応が難しいこともあります。歯が抜けた理由も一緒に確認し、設計の見直しが必要かを判断します。

※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。

検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン

インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。