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金属床と組み合わせるノンクラスプという設計|名古屋・伏見の補綴専門医
見える所は樹脂、支える所は金属という「役割分担」の設計です
結論から言うと、金属床と組み合わせるノンクラスプは、見える位置のバネだけを歯ぐき色の樹脂にし、噛む力を支える所は金属の枠で受ける設計です。樹脂だけのノンクラスプは、たわみやすいという弱点があります。それを、金属の枠で補う考え方です。
日本補綴歯科学会の見解では、ノンクラスプは剛性のあるもの(金属構造をもつ)と、剛性のないものに分けられます。見える位置に金属のバネが来ることを受け入れにくい場合に推奨できるのは、剛性のあるほうです。
「バネは見せたくないが、しっかり噛みたい」「樹脂だけのノンクラスプを勧められて迷っている」。名古屋でも、こうしたご相談をいただきます。金属床と組み合わせる設計の中身を整理します。
この記事で分かること。
- 部分入れ歯の部品の役割分担
- 金属の支えが、何をしているか
- 金属にする所と、樹脂にする所の決め方
入れ歯治療の全体像は、以下のページにまとめています。
まず、今の状態を確かめてください
| 状態 | 目安 |
|---|---|
| 噛むと沈む・たわむ | 支え方の見直しを相談 |
| バネの歯が揺れてきた | 早めにご相談を |
| 樹脂だけを勧められた | 設計から相談を |
部分入れ歯は、部品ごとに役割が分かれている
部分入れ歯は、いくつかの部品が、それぞれ別の役割を受け持っています。
| 部品 | 役割 | 併用設計での素材 |
|---|---|---|
| レスト | 噛む力を歯で支える | 金属 |
| 大連結子 | 左右をつなぐ | 金属 |
| 見える位置のバネ | 歯に留める | 樹脂 |
| 奥のバネ | 歯に留める | 金属または樹脂 |

図:部分入れ歯の部品の役割分担
設計は、「支え」から始めて「バネ」は最後
日本補綴歯科学会誌の論文では、部分入れ歯の設計は、レストの位置を決めることが第一歩とされています。その後、床、小さな連結部、大きな連結部と決め、歯に留める部品(バネ)は最後に考えるとされています。
支えは、歯の根の周りで受ける力を十分に使い、足りない分を歯ぐきで補うのが原則です。ノンクラスプでも、この順番は変わりません。
連結部は、厚さと幅で「たわみにくさ」が決まる
別の論文では、支えはレストや床、留める役はバネが受け持つと整理されています。左右をつなぐ大きな連結部は、厚さや幅が大きいほど、たわみにくくなるとされています。一方で、面積が大きいと違和感が増す傾向もあります。
金属の支えは、何をしているのか
金属のレストがあると、歯ぐきの負担が小さくなる
模型を使った国内の実験では、5種類の入れ歯で、歯ぐきにかかる圧力を比べています。
| 入れ歯の種類 | 歯ぐきの負担 |
|---|---|
| 金属の骨組みの入れ歯 | 最も小さい |
| 樹脂のレストのノンクラスプ | 最も大きい |
| 金属レストのノンクラスプ | 樹脂より軽減 |

図:レストの素材と歯ぐきの負担
研究では、ノンクラスプで歯ぐきの負担を軽くするには、金属のレストが必要と考えられる、とまとめられています。
支えは金属のレスト、留めるのは樹脂のバネ
学会誌の総説では、金属の骨組みを使う剛性のあるノンクラスプが推奨されています。歯の欠けた所の前後に歯がある場合は、支えは金属のレストで、留めるのは樹脂のバネで受け持つとされています。
奥に歯がない場合は、樹脂のバネに負担がかかりすぎないよう、連結部にたわみにくさが必要とされています。外から見えにくい奥の歯には、できれば金属のバネを使うべきともされています。
剛性のあるタイプの使用状況
日本補綴歯科学会誌のシステマチックレビューでは、金属を使った剛性のあるノンクラスプの研究が紹介されています。最長6年の経過で、29床のうち27床(93%)が使われていました。
結論では、適切に症例を選び、設計し、術後の管理をすれば、剛性のあるノンクラスプを使うことは妥当とされています。
私は、まず金属の枠を設計し、樹脂のバネは最後に決めます
この設計のご相談で、私が大切にしているのは、見た目から先に決めないことです。どの歯のどこにレストを置くかから考え、床、連結部と決めて、樹脂のバネは最後に決めます。
- 笑ったときに見える歯:樹脂のバネにする
- 見えにくい奥の歯:金属のバネで留める
- 噛む力を受ける所:金属のレストで支える
技工の目で見るのは、金属と樹脂の境目
技工を自分の手で行ってきたので、樹脂がどこで金属に乗り、どの厚みで歯を包むかで、入れ歯の性質が変わることを知っています。たわみ方、割れやすさ、歯ぐきへのかぶり方が変わります。
樹脂のバネは、歯ぐきのきわを覆います。そのため、覆う範囲は、見た目と、歯みがきのしやすさを天秤にかけて決めます。
後から変えにくい所ほど、最初に時間をかける
金属の枠の部分は、後から内側を足して合わせ直す裏打ちが、基本的にできません。だから、作る前の型取りと、噛み合わせの確認に時間をかけます。
型取りは、スキャンより型取り材での型取りを基本にしています。この先、あごや残っている歯がどう変わりそうかも見たうえで、金属にする範囲と、樹脂にする範囲を決めます。
金属を使うので、事前に伝えてほしいこと
金属の枠を使う設計のため、金属アレルギーの心配がある方は、事前にお知らせください。今の入れ歯の不満(見た目、たわみ、痛み)も、具体的に伺えると設計に生かせます。
バネの見え方の選択肢は笑うとバネ(金具)が見えるのが嫌な方の選択肢で書いています。樹脂の部分の弱点はノンクラスプデンチャーのデメリットと寿命|正直に解説をご覧ください。
保険の部分入れ歯との違いはノンクラスプと保険の部分入れ歯の比較で書いています。向かない方の条件はノンクラスプデンチャーが向かないケースをご覧ください。
前歯の見た目は前歯を失ったとき|見た目重視の選択肢、費用はノンクラスプデンチャー|バネが目立たない入れ歯の費用とデメリット【完全ガイド】で整理しています。
修理や調整はノンクラスプデンチャーの修理・調整はできる?で書いています。金属床そのものの特徴は金属床義歯|薄くて熱が伝わる入れ歯の費用・デメリット・寿命【完全ガイド】をご覧ください。
樹脂だけのノンクラスプを最終の入れ歯として勧められた方は、以下の記事もご覧ください。
名古屋・伏見で「金属床と組み合わせるノンクラスプ」を相談するなら
見た目だけで樹脂の範囲を広げると、噛む力を歯ぐきで受ける設計になり、支えの歯やあごの骨に負担がかかることがあります。様子見より相談を先にしていただければ、どこを金属にし、どこを樹脂にするとよいかをお伝えできます。
当院での進め方は、残っている歯の位置と状態、笑ったときに見える範囲、奥歯の噛み合わせ、今の入れ歯の合いを確認するところからです。そのうえで、レストを置く歯、金属の枠の範囲、樹脂のバネにする歯を、利点と注意点を並べてご説明します。
地下鉄伏見駅6番出口から徒歩2分です。名古屋市内・愛知県内から通われる方が多くいらっしゃいます。
よくあるご質問
金属の枠は、外から見えてしまいますか?
金属の枠は、口の内側に置く設計です。見える位置のバネは樹脂にしますが、見えにくい奥の歯は金属のバネのほうがよい場合もあります。
普通のノンクラスプと、何が違いますか?
樹脂だけのノンクラスプは、たわみやすく、噛む力を歯ぐきで受けやすい入れ歯です。金属と組み合わせる設計では、金属のレストと連結部で、噛む力を歯にも分担させます。
合わなくなったら、裏打ちできますか?
金属の枠の部分は、裏打ちで合わせ直すことが基本的にできません。そのため、最初の型取りと設計に時間をかけます。
※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。
検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン
インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。



