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テトラサイクリン歯はホワイトニングで白くなる?
テトラサイクリン歯とは
この記事でわかること
- 薬の成分が歯の色を変える仕組み
- 変色の程度と、白くなる見込み
- 数か月かけるホームホワイトニングと、届かない場合の選択肢
歯全体が灰色っぽい、茶色っぽい。歯に横向きの縞模様がある。歯みがきをしても、クリーニングを受けても色が変わらない。名古屋でこうしたご相談を受けたとき、原因として考えるものの一つが、テトラサイクリン歯です。
テトラサイクリン歯は、歯が作られる時期に、テトラサイクリン系の抗菌薬(抗生物質)を飲んだことで起こる変色です。お母さんのおなかの中にいる時期から、8歳ごろまでの間に薬を飲むと、作られている途中の歯に薬の成分が取り込まれることがあるとされています。
取り込まれた成分は、主にエナメル質(歯の表面の硬い層)の内側にある象牙質に沈着します。そのため、表面の着色とは違い、歯みがきやクリーニングでは落ちません。
この変色は、ご本人の歯みがきの仕方や生活習慣が原因ではありません。子どものころに必要な治療として使われた薬の影響によるもので、ご自身ではどうすることもできなかったものです。テトラサイクリン系の抗菌薬は、かつて子どもにもよく使われていたため、この変色がある方は少なくありません。
現在は、歯が作られている時期の子どもには、この系統の薬はなるべく使わないようにされています。そのため、変色があるのは、薬がよく使われていた時代に子ども時代を過ごした大人の方が多くなっています。
どの歯に変色が出るかは、薬を飲んだ年齢によって変わります。前歯の永久歯は、生後半年ごろから6歳ごろまでの間に作られるとされています。この時期に薬を飲むと前歯に、もう少し後の時期に飲むと奥歯にも変色が出やすくなります。
テトラサイクリン歯の色は、いわゆる「黄ばみ」とは少し違って見えます。灰色がかっていたり、青みや茶色みがあったりするのが特徴です。光の当たり方によって、縞模様がはっきり見えることもあります。変色は1本だけでなく、上下の何本もの歯に同じように出ることが多いです。
子どものころから歯の色が気になっていて、笑うときに口元を隠してきた、という方もいらっしゃいます。色の原因を知っておくと、これからどうするかを考えやすくなります。
なお、テトラサイクリン歯かどうかは、変色の見た目と、子どものころの薬の記録などから判断します。古いことで記録が残っていない方も多いため、分からなくても問題ありません。
このページでは、薬の成分がどのようにして歯の色を変えるのか、なぜ時間をかけたホワイトニングが必要なのか、どこまで白くなりそうか、そしてそれでも届かない場合にどうするのかを順に説明します。
ホワイトニングの種類と料金は、以下のページにまとめています。
薬の成分が、歯の色を変える仕組み

テトラサイクリン歯の変色は、薬の成分が歯の中に「取り込まれる」段階と、取り込まれた成分が「色を濃くしていく」段階に分けて考えると分かりやすくなります。
カルシウムと結びついて、歯の中に取り込まれる
テトラサイクリンには、カルシウムと強く結びつく性質があります。これをキレート(金属と挟み込むように結合すること)と呼びます。歯や骨が作られている時期は、カルシウムとリン酸が次々と積み重なっていく時期です。

このときに薬の成分が体の中にあると、カルシウムと結びついた複合体が、作られている途中の象牙質に一緒に取り込まれると考えられています。取り込まれた成分は、歯ができあがったあとも中に残り続けます。
成分は、歯のミネラルの結晶の中に組み込まれるようにして残っています。表面に付いた着色のように、こすって落とせる場所にはありません。歯みがき粉やクリーニングで色が変わらないのは、このためです。
縞模様になるのは、歯が少しずつ層を重ねるように作られるためです。薬を飲んでいた時期に作られていた層にだけ成分が入るため、木の年輪のように帯状の色の違いが出ます。薬を飲んだ期間や回数、量によって、帯の数や濃さが変わるとされています。同じ系統の薬でも、薬の種類によって変色の色合いや濃さが違うとされています。
光に当たって、色が濃くなっていく
取り込まれた直後の成分は、黄色っぽい色をしているとされています。歯が口の中に生えてきて光に当たるようになると、成分が光によって少しずつ酸化し、茶色や灰色に変わっていきます。この変化は、数か月から数年かけてゆっくり進むとされています。
光が当たりやすい前歯の表側は、奥歯や歯の裏側よりも色が濃くなりやすい、とされています。同じ時期に作られた歯でも、前歯の変色のほうが目立つことが多いのはこのためです。
テトラサイクリンが沈着した歯には、暗い場所で紫外線を当てると黄色く光る性質があるとされています。ただし、同じ系統の薬でも種類によっては光らないことがあり、これだけで判断できるわけではありません。
この酸化は、歯が生えたあとも長い時間をかけて進むと考えられています。そのため、子どものころより大人になってからのほうが、色が濃く見えることもあります。
なぜ根元のほうが濃く見えるのか
テトラサイクリン歯は、歯の先端よりも根元(歯ぐきに近い部分)のほうが色が濃く見えることが多いです。歯の先端はエナメル質が厚く、根元に近づくほどエナメル質が薄くなります。
エナメル質は半透明で、その下の象牙質の色を透かして見せます。成分が沈着している象牙質の色が、エナメル質の薄い根元ほど透けて見えるため、根元が濃く見えます。この部分は、ホワイトニングでも明るくなりにくい傾向があります。
ホワイトニングの薬剤は、エナメル質の結晶のすき間を通り抜けて、象牙質まで届きます。テトラサイクリン歯では、色のもとがこの象牙質の中にあり、しかもミネラルとしっかり結びついています。表面の着色や、加齢による黄ばみより時間がかかるのは、届く距離と、色素の離れにくさの両方が関わっているためです。
テトラサイクリン歯と似た色に見えるものに、神経のない歯の変色や、加齢による黄ばみがあります。神経のない歯は1本だけ色が濃いことが多く、テトラサイクリン歯は複数の歯に同じような変色が出ることが多い、という違いがあります。歯の変色の原因の全体像は、以下の記事で整理しています。
変色の程度と、時間をかけて白くする理由

テトラサイクリン歯の変色には、大きな幅があります。歯科では、色の濃さと縞模様の有無によって、次のように4つの段階に分けて考える方法がよく使われます。

- 第1度:うすい黄色・茶色・灰色が、歯全体に均一に出ている。縞模様はない。
- 第2度:第1度より色が濃い。縞模様はない、または目立たない。
- 第3度:濃い灰色や青みがかった色で、はっきりした縞模様がある。
- 第4度:非常に濃い変色で、ホワイトニングで明るくなりにくい。
第1度から第2度であれば、ホワイトニングで明るくなることが期待できます。 黄色や茶色っぽい変色は、灰色や青みがかった変色よりも明るくなりやすいとされています。第3度から第4度では、ホワイトニングだけで周りの人と同じような白さにするのは難しいことがあります。
縞模様は、ホワイトニングで全体が明るくなっても、帯の部分の色の差が残ることがあります。明るくなったことで、かえって帯との差が目に入りやすくなったと感じる方もいます。この見え方も含めて、始める前に見込みをお伝えします。
ホームホワイトニングを長く続ける理由
テトラサイクリン歯のホワイトニングでは、ホームホワイトニングを長い期間続ける方法が中心になります。色のもとがエナメル質の奥の象牙質にあり、薬剤がそこまで届いて作用する必要があるためです。
ホームホワイトニングでは、過酸化尿素10%の薬剤を使います。過酸化尿素は口の中で分解して、過酸化水素約3〜3.5%と尿素になり、数時間かけて少しずつ働きます。低い濃度の薬剤を、毎日くり返し長い時間当てることで、奥の色素にも少しずつ届いていくと考えられています。
過酸化水素から生まれる働きの強い酸素は、色素の分子の中の「つながった二重結合」を切り、光を吸収しにくい小さな分子に変えると考えられています。テトラサイクリンが酸化してできた色素も、この働きで少しずつ薄くなっていくと考えられています。
通常の黄ばみでは数週間で変化が出ることが多いのに対して、テトラサイクリン歯では2か月から1年ほど、平均すると3〜4か月ほど続けて変化が出たという報告があります。期間には大きな個人差があります。
長く続けるあいだに、明るくなる速さは少しずつゆるやかになっていくことが多いです。変化がほとんど見られなくなった場合は、それ以上続けても大きな変化が出にくいことがあります。どこで区切りをつけるかは、色見本での変化と、ご本人の満足度の両方を見て決めます。低い濃度の薬剤をゆっくり作用させる方法は、高い濃度を使う方法より、しみる症状が出にくく、結果も予測しやすいと考えられています。
長い期間続ける場合は、しみる症状や歯ぐきの様子、色の変化を確かめながら進めます。ご予定や体調に合わせて、途中でお休みを入れながら進めることもできます。
オフィスホワイトニングは、高い濃度の薬剤を短い時間で作用させる方法です。テトラサイクリン歯では、短い時間では奥の色素まで届きにくく、オフィスホワイトニングだけでは変化が小さいことがあります。組み合わせるかどうかは、最初の2週間の変化を見てから決めます。
期間が長くなる分、しみる症状や歯ぐきの荒れにも気をつけます。しみるのは、薬剤の一部が象牙質の細い管を通って神経の近くまで届き、神経が一時的に敏感になるためと考えられています。しみる場合は、装着する時間を短くしたり、間隔を空けたりして調整します。
名古屋・伏見での進め方と、ホワイトニングで届かない場合
当院での進め方
名古屋のEden Dental Officeでは、施術の前に虫歯や歯周病の検査を行い、色見本で今の色を確かめます。変色の程度と縞模様、根元の色の濃さを確認し、どのくらい明るくなりそうか、どの部分の色が残りそうかの見込みをお伝えします。
そのうえで、まず通常どおり2週間のホームホワイトニングを行い、変化を色見本で確認します。明るくなっていく様子があれば、ジェルを追加して期間を延ばしていきます。
色の変化は、毎日見ている鏡では気づきにくいものです。始める前と途中で、ご自身で同じ明るさの場所で写真を撮っておくと、変化を比べやすくなります。途中で「思ったより変わらない」と感じたときも、色見本で変化を確かめながら、続けるかどうかを一緒に判断します。
「どこまで白くなれば満足か」は、人によって違います。周りの人から気づかれない程度で十分という方もいれば、はっきり白くしたいという方もいます。見込みとご希望をすり合わせてから、進め方を決めます。
ホワイトニングで届かない場合の選択肢
ホームホワイトニングを続けても、変色が強く残る場合があります。当院では、歯を削らない方法から順に考えます。 ホワイトニングで明るくなった分を活かせるかどうかを、まず確認します。

それでも見た目のお悩みが大きく残る場合は、歯の表面に薄いセラミックを貼る方法(ラミネートベニア)を、最後の選択肢として検討します。ラミネートベニアは歯の表面を少し削るため、元には戻せません。
ホワイトニングで明るくなったあとも、根元の暗さや縞模様が残ることがあります。そのときに、残った色が日常生活でどのくらい気になるかは、人によって違います。笑ったときに見える範囲や、話すときの口元の動きも含めて確認します。根元の暗さが、笑っても唇や歯ぐきに隠れて見えにくい方もいらっしゃいます。その場合は、ホワイトニングだけで十分と感じる方もいます。
ラミネートベニアの前に、歯の表面に白い樹脂を薄く盛って色を整える方法を検討することもあります。削る量は少なくて済みますが、濃い変色を樹脂だけで覆うのは難しく、樹脂は時間とともに変色やすり減りが起こることがあります。
濃い変色をセラミックで覆うには、下の色が透けないよう、ある程度の厚みが必要になります。その分、歯を削る量が増えることがあります。先にホワイトニングで土台の歯の色を明るくしておくと、ベニアを薄く作りやすくなります。ベニアを貼らない歯との色の差も、小さくしやすくなります。

ラミネートベニアにもリスクがあります。長く使ううちに、欠けたり外れたりすること、歯ぐきが下がって境目が見えてくることがあり、作り直しが必要になる場合があります。削った歯は元に戻らないため、こうした点も含めてご説明します。
ホワイトニングのあとにベニアを接着する場合は、少し間を空けます。漂白の直後は、歯の中に残った酸素が接着に使う樹脂の固まる反応を妨げ、接着が弱くなるとされているためです。色が落ち着くのを待つ意味もあり、間を空ける長さは歯の状態を見て決めます。
健康な歯を見た目のためだけに大きく削ることは、当院ではあまりお勧めしていません。どの方法にも利点とリスクがあるため、それぞれを比べたうえで、ご本人に決めていただいています。
ベニアやセラミックを考えている場合に、先にホワイトニングを行う理由は、こちらの記事で説明しています。
まとめ|名古屋でテトラサイクリン歯の変色にお悩みの方へ
テトラサイクリン歯は、歯が作られる時期に飲んだ抗菌薬の成分がカルシウムと結びついて象牙質に取り込まれ、光で酸化して色が濃くなる変色です。色のもとが歯の奥にあるため、表面の着色と違って、歯みがきやクリーニングでは落ちません。光の当たりやすい前歯と、エナメル質の薄い根元で、色が濃く見えやすくなります。
軽い変色であれば、ホームホワイトニングを数か月かけて続けることで、明るくなることが期待できます。濃い灰色の変色や根元の暗さは、ホワイトニングだけでは残ることがあります。
ホワイトニングで届かない場合も、明るくなった分は無駄にはなりません。ベニアを選ぶ場合でも、削る量を抑えることにつながります。
色が変わったのはご本人のせいではありません。時間はかかりますが、どこまで明るくしたいかを伺いながら、無理のない範囲で一緒に進めていきます。
名古屋・伏見のEden Dental Officeでは、変色の程度を確認し、どこまで明るくなりそうかの見込みをお伝えしたうえで、削らない方法から順に進めています。
当院(名古屋・伏見)では、初めてのご相談は無料です。ホワイトニングの種類と料金、受けられない方の条件は、以下のページにまとめています。
よくあるご質問
Q1. テトラサイクリン歯かどうかは、自分で分かりますか?
歯全体の灰色や茶色っぽさ、横向きの縞模様が目安になりますが、ほかの原因による変色と見分けるのは難しいことがあります。子どものころに飲んだ薬が分からない場合も含めて、一度ご相談ください。
Q2. 大人になってから飲んだ抗菌薬でも、歯の色は変わりますか?
テトラサイクリン歯は、歯が作られている子どもの時期に起こるものです。ただ、同じ系統の一部の薬では、大人になってから歯の色に影響が出たという報告もあるため、気になる場合はご相談ください。
Q3. 長い期間ホワイトニングを続けても、歯は傷みませんか?
低い濃度の薬剤を使い、歯科医院で歯や歯ぐきの状態を確認しながら進めます。しみる症状や歯ぐきの荒れが出た場合は、時間や間隔を調整し、症状が強いときは中止します。
Q4. ジェルの追加は、どのように行いますか?
ホームホワイトニングで使っているマウスピースはそのまま使えるため、ジェルだけを追加して続けられます。追加するかどうかは、色見本で変化を確かめながら決めます。
Q5. ホワイトニングで白くなった色は、戻りますか?
通常のホワイトニングと同じように、時間とともに少しずつ戻ります。定期的なクリーニングや、ジェルの追加で白さを保ちます。
Q6. ラミネートベニアにすれば、変色は隠れますか?
多くの場合は目立たなくできますが、濃い変色を覆うにはベニアに厚みが必要になり、その分だけ歯を削る量が増えることがあります。仕上がりと削る量のバランスを、事前にご説明します。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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