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フルマウス治療と医療費控除

名古屋でフルマウス治療の医療費控除を考えるとき、最初に押さえる区切り

医療費控除は、治療がいつ進んだかではなく、いつ支払ったかで年が決まります。名古屋でフルマウス治療と医療費控除の関係を調べている方に、先にお伝えしたいのはこの点です。工程が長い全顎の治療では、支払いが年をまたぐことが珍しくありません。また、生計を一にするご家族の医療費と合わせて申告できる仕組みもあります。この記事では、複数の治療を合算する場合と、年をまたぐ場合の考え方を整理します。金額の計算には踏み込みません。

この記事でわかること

  • 医療費控除の年が、治療の進み方ではなく支払った日で決まる仕組みが分かります
  • 生計を一にする家族の医療費を合算できる範囲が分かります
  • デンタルローンを使った場合に、どの年の対象になるかが分かります
  • 相談の前に、ご自身で用意しておける書類が分かります

対象になるのは「その年に実際に支払った分」です

国税庁は、その年の1月1日から12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象になると示しています。

ここで大切なのは、未払いの医療費は対象にならないという点です。実際に支払った年に初めて対象になります。治療が済んでいても、支払いが翌年なら翌年の分になります。

全顎の治療は工程が多く、期間が長くなります。ですから「治療の年」と「支払いの年」がずれることが起きます。控除の話をするときは、この2つを分けて考えてください。

1本だけの治療なら、この区別はほとんど問題になりません。診療と支払いが同じ日に済むからです。ところが工程が10も20も重なると、途中に年の変わり目が入る確率が上がります。

さらに、全顎の治療では検査、外科の処置、装置の製作、調整と、性質の違う支払いが並びます。それぞれ発生する時期が違いますので、合計だけを見ていると年の区切りが見えません。

なお本記事は制度の仕組みと対象範囲の説明にとどめます。控除額の計算や、ご自身の場合にいくら戻るかという試算は行いません。適用の可否や金額の判定は、税務署または税理士の領分になります。

年をまたぐかどうかは、支払いのタイミングで決まります

治療が2年にわたっても、支払いが1年に収まれば、その年に集約されます。逆に治療が1年で終わっても、支払いを分ければ年ごとに分かれます。

つまり、年またぎになるかどうかを決めているのは治療の長さではありません。支払いをどう区切るかです。ここは患者側で調整できる余地がある部分になります。

そして治療期間そのものは、お口の状態と工程の数で決まります。期間の幅が何によって生まれるかは、別の記事にまとめました。

支払いの時期を考える前提として、治療がどれくらい続きそうかを知っておくと組み立てやすくなります。

家族の医療費と合わせられます

医療費控除は、申告する本人の医療費だけの制度ではありません。国税庁は、自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象になると示しています。

「生計を一にする」は、同居していることが要件ではありません。別居していても、常に生活費を送っているなどの実態があれば該当しうるとされています。

一方で、同居していても各自が独立した生活を営んでいる場合は該当しません。別居のご家族の分を含める場合、振込の記録など、経済的な援助の実態を示す資料の提示を求められることがあります。

条件はもう一つあります。納税者本人が支払うことです。ご家族の治療費を対象に含めるには、申告する方が実際に支払っている必要があります。

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合算と年またぎ|3つの分岐を並べて確認します

何がどこで決まるのかを整理します

全顎治療で医療費控除を考えるとき、判断が分かれるのは3か所です。表にまとめます。

分岐 何で決まるか 国税庁が示している扱い 注意点・限界
年をまたぐか 治療の進み方ではなく、実際に支払った日 その年の1月1日から12月31日までに支払った分が対象。未払い分は対象外 治療が年をまたいでも、支払いが1年に収まれば1年分になる
ローンを使うか 信販会社との契約が成立した年 立替払いされた金額は契約成立年の対象。金利・手数料に相当する分は対象外 分割の支払いが翌年以降に続いても、控除の年は契約年に寄る
誰の申告にまとめるか 生計を一にするかどうかと、誰が支払ったか 自己と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費が対象 別居の場合は生活費を送っている実態が要る。本人が支払うことが条件

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます

デンタルローンを使うと、年の区切りが変わります

ここは見落とされやすい部分です。国税庁は、信販会社が立替払いした金額について、契約が成立した年の医療費控除の対象になると示しています。

分割の支払いは翌年以降も続きます。それでも控除の年は、支払いが終わる年ではなく契約が成立した年に寄るということです。

もう一点あります。金利および手数料に相当する分は、医療費控除の対象になりません。立替えられた治療費の部分と、その分は分けて考える必要があります。

書類についても補足があります。医院からの領収書がない場合は、契約書または信販会社の領収書を保存しておくよう示されています。

なお、医院が独自に分割を受け付ける院内分割は、信販会社を介しません。この場合は立替払いではありませんので、実際に支払った日で年が決まる原則に戻ります。どちらの方法かによって、年の考え方が変わるということです。

ご自身がどちらを使うのかを、契約の前に確かめておいてください。名称が似ていても、仕組みが違えば控除の年も変わります。

分割の仕組みそのもの、つまり院内分割と信販会社を使う方法の違いについては、別の記事で扱っています。

どちらを選ぶかで控除の年の考え方が変わりますので、先に仕組みを押さえておくと判断しやすくなります。

自費の治療でも、対象になる範囲があります

保険が使えない治療は控除の対象外だと思われている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

国税庁は、歯科医師による診療・治療費のうち、病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分が対象になると示しています。そのうえで、金やポーセレンは歯の治療材料として一般的に使用されているため、これらを用いた治療費は控除の対象になるとしています。

一方で、特殊で高額な材料を使う場合は対象外となることがあるとも示されています。線引きは材料や状況によります。

手続きの面でも、自費の支払いは注意が要ります。確定申告では「医療費控除の明細書」の作成と添付が必要とされ、医療保険者から交付される医療費通知があれば記載を簡略化できるとされています。

裏を返せば、通知に含まれない支払いはご自身で明細書に書き出す必要があります。全顎の治療では支払いの回数が多くなりますので、その都度、領収書を整理しておくと後の作業が軽くなります。

保険金などで補填される金額がある場合の扱いにも触れておきます。補填される金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引くとされています。引ききれない分を、他の医療費から差し引くことはしません。

保険と自費のどちらを軸に組み立てるかは、控除とは別に決めるべきことです。組み合わせ方の考え方は別の記事に整理しました。

制度の守備範囲が分かると、見積りの読み方も変わってきます。

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対象にならないものと、医院が判断できないこと

対象外とされているものを確認します

含められると思われがちで、実は対象外とされているものがあります。

歯列矯正について国税庁は、発育段階にある子どもの成長を阻害しないようにするなど、医学的に必要と認められる場合は対象になると示しています。そのうえで、容ぼうを美化することを目的とする費用は対象外としています。

通院費については、診察日や金額の記録が必要とされています。付き添いが必要な場合、付添者の交通費も含まれます。ただし自家用車のガソリン代や駐車場代などは対象外です。公共交通機関が使える場合のタクシー代も対象になりません。

前に触れたとおり、ローンの金利および手数料に相当する分も対象外です。同じ支払いのなかに、対象になる部分とならない部分が混ざるということです。

また、健康診断の費用や、医師等への謝礼は対象にならないとされています。治療に必要な医薬品の購入費は対象ですが、予防目的のものは含まれません。

こうして並べると、判定の軸が見えてきます。診療または治療のために直接必要だったかどうか、という点です。そこから離れるほど、対象から外れていきます。

私たちが判定できないことがあります

「一般的に支出される水準を著しく超えない部分」という基準について、国税庁は考え方を示していますが、個別の判定は税務署の判断になります。

ですから当院では、この治療費が控除の対象になるかどうかを断定してお答えすることはしていません。できるのは、支払いの記録と書類を正確にお渡しすることまでです。

また、全顎治療のうち審美的な目的の部分をどう区分するかについて、一律の按分方法は確認できていません。ここも断定を避けます。判断に迷う場合は、税務署にお尋ねいただくのが確実です。

こう書くと不親切に感じられるかもしれません。ただ、歯科医院が「対象になります」と言い切ってしまうと、後で食い違いが起きたときにご本人が困ります。

ですので当院は、国税庁が示している記述をそのままお伝えし、判断が要る部分は税務署の窓口をご案内する形をとっています。治療の内容を説明する資料は、その場でお出しできます。

税の都合で治療の順序を決めるのは、限界があります

支払いの年を寄せたいというご希望は、よくうかがいます。ある程度までは工程の組み方で調整できます。

ただし、噛み合わせの設計上、動かせない順序があります。骨や歯ぐきの治りを待つ工程は前後に動かせません。ここを税の都合で入れ替えると、後の工程に無理が出ます。

どこまで動かせるかは、お口の状態によります。どの処置を先にして、どれを後に回すかという優先順位そのものは、別のテーマとして扱っています。

動かせる範囲を知るには、まず順序の考え方を押さえるのが早道です。

相談の前に、ご自身で整理しておけること

  • ☑ 今年すでに支払った医療費があるか。ご家族の分も含めて、おおよそで構いません。
  • ☑ 生計を一にするご家族がいるか。別居の場合は、生活費を送っている実態があるかどうかです。
  • ☑ どなたの申告にまとめる予定か。実際に支払う方が誰かで、対象に含められる範囲が変わります。
  • ☑ 年内に支払いを寄せたい事情があるか。あれば工程の組み方で調整できる幅をお伝えします。
  • ☑ 分割の利用を考えているか。信販会社を使うかどうかで、対象になる年の考え方が変わります。

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私が、支払いの時期をどう扱っているか

見積りを工程ごとに区切って出す理由

私は米国インディアナ大学大学院で補綴学を3年間専攻し、MSDとCertificate in Prosthodonticsを取得しました。帰国後は日米の両方の現場で、治療計画の立て方の違いを見てきました。

日本と米国で最も違うと感じたのは、全体の設計をどこまで先に固めるかという点です。米国では、完成形を先に決めて患者と合意してから最初の1本に着手します。ゴールを決めずに走り出さない、という考え方が徹底されていました。

この進め方は、支払いの時期の話にもそのまま効きます。完成形が決まっていれば、工程を一覧にして、どこで区切れるかを先にお見せできるからです。

ですので私は、見積りを工程ごとに区切ってお出しします。合計だけを示されても、支払いがいつ発生するかが読めません。区切って出せば、年内に収めるのか、翌年に回すのかをご自身で判断していただけます。

区切って出すことには、もう一つの効果があります。途中で治療を止める判断をしやすくなることです。全部を一括で契約する形だと、事情が変わったときに動きが取りにくくなります。

工程ごとに区切っておけば、次の工程に進むかどうかをその都度決められます。控除の話とは別に、この形のほうが安心して進めていただけると考えています。

見積りの項目をどう読むかについては、別の記事に整理してあります。

何が含まれ何が別立てかが分かると、支払いの時期も具体的に組み立てられます。

順序を動かせる範囲を、先にお伝えします

支払いの時期を調整したいというご希望をうかがったら、私はまず工程を3つに分けて考えます。動かせる工程、動かせない工程、どちらとも言える工程です。

動かせない工程は、治りを待つ必要があるものです。抜歯した部位が治る前に次へ進むことはできません。ここは税の都合とは無関係に決まります。

動かせるのは、緊急性が低く、他の工程と前後関係がない部分です。たとえば、痛みが出ていない部位のやり替えは、時期を選べることがあります。

逆に、噛み合わせの高さを決める工程は動かせません。ここが決まらないと、他の部位の形も決められないからです。順番の入れ替えを検討するときは、この工程を基準に前後を見ます。

ご希望をうかがったうえで、動かせない部分は理由と一緒にお伝えします。理由が分かれば、無理に動かそうとして設計が崩れることもありません。

長く診療をしていて実感するのは、全体の設計をせずに部分的な修理を重ねたお口は、数年後に別の場所が壊れる連鎖を起こしやすいということです。壊れた場所は結果であって、原因は噛み合わせ全体の力の流れにあることが多いのです。ですから、順序を動かすときも設計の骨格は崩しません。

通院の回数をまとめると、支払いの発生する時期も自然にまとまります。回数の組み方については別に整理しました。

年内に収めたい方は、回数の設計と一緒に考えると見通しが立ちます。

書類は先回りしてご用意します

控除の手続きでつまずきやすいのは、書類が後から揃わないことです。ですから当院では、支払いのたびに領収書をお渡しします。

デンタルローンを使われる場合は、契約書の控えを保存していただくようお伝えします。国税庁も、医院の領収書がない場合は契約書または信販会社の領収書を保存するよう示しています。

領収書は、申告期限から5年間、提示または提出を求められることがあります。治療が終わってからも保管が要る、ということです。まとめて1か所に入れておいてくださいとお願いしています。

書類を揃えることはお手伝いできますが、申告そのものはご本人の手続きになります。ここは分けてお伝えするようにしています。

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まとめ|名古屋でフルマウス治療と医療費控除を整理するために

医療費控除は、治療がいつ進んだかではなく、いつ支払ったかで年が決まります。未払いの分は対象にならず、実際に支払った年に初めて対象になります。デンタルローンを使う場合は、契約が成立した年に寄ります。

名古屋でフルマウス治療と医療費控除の関係を考えるなら、押さえるのは3つです。支払いをどの年に置くか、生計を一にするご家族の分を含めるか、分割を使うかどうかです。この3つが決まれば、工程の組み方も具体的に相談できます。

申告を忘れていた年があっても、還付申告は一定の期間内なら提出できるとされています。過ぎてしまったと思っている方も、まず領収書が残っているかを確かめてみてください。

費用と期間の全体像から確認したい方には、まとめ役の記事があります。

この記事は控除の仕組みに絞っていますので、費用の構造そのものから知りたい方はそちらが入口になります。

まずは無料相談で構いません。税の話は、治療を決めてからで間に合います。

治療の中身を先に確かめる相談は、初回無料です。

よくあるご質問

Q1. 治療が年をまたぎます。どちらの年で申告するのですか。

支払った年ごとに分かれます。国税庁は、その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費が対象で、未払いの分は対象にならないと示しています。ですので、年内に支払った分は今年、翌年に支払う分は翌年の申告に入ります。どちらか一方にまとめる必要はありません。工程の区切り方によって支払いの時期を調整できる場合がありますので、ご希望があればお知らせください。

Q2. 夫婦の医療費を合わせて申告できますか。

生計を一にしていて、申告する方が実際に支払っている場合は対象に含められます。国税庁は、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象と示しています。別居していても、常に生活費を送っているなどの実態があれば該当しうるとされています。どちらの申告にまとめるかの有利不利については、税務署または税理士にご確認ください。当院では判断いたしかねます。

Q3. デンタルローンを使うと、控除は受けられなくなりますか。

なくなりません。国税庁は、信販会社が立替払いした金額は契約が成立した年の医療費控除の対象になると示しています。ただし金利および手数料に相当する分は対象になりません。また、分割の支払いが翌年以降に続いても、控除の年は契約が成立した年に寄ります。医院の領収書がない場合は、契約書または信販会社の領収書を保存しておいてください。

Q4. 去年の分を申告し忘れました。今からでもできますか。

期間内であればできます。還付申告書は、その年の翌年1月1日から5年間提出できるとされています。ですので、申告を忘れていた年の分も、この期間内なら手続きが可能です。領収書は申告期限から5年間の保存が求められますので、まだ手元にあるかご確認ください。当院で発行した領収書について、再発行の可否や記録の照会はご相談いただけます。確定した費用と期間、主なリスクは、検査・診断のうえで治療前にまとめてご説明します。

名古屋市中区栄、地下鉄「伏見駅」7番出口から徒歩2分がEden Dental Officeです。カウンセリングルームは完全個室で、診療室は半個室です。完全予約制で、Zoomでの相談にも対応しています。

※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。検査・診断のうえで、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明し、書面でお渡ししたうえで進めます。また、医療費控除の適用可否や控除額の判定は税務署の判断によるものであり、当院が保証するものではありません。

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監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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