ブログ

  • TOP
  • ブログ
  • 治療の順番|なぜ抜歯や歯ぐきの治療が先なのか

治療の順番|なぜ抜歯や歯ぐきの治療が先なのか

順番には、動かせるものと動かせないものがあります

治療計画を見て、こう思われることがあります。「気になっている前歯は、最後なのか」

すぐに直してほしいところが後回しになり、痛くもない奥歯や歯ぐきの治療が先に並んでいる。順番が逆に見えるかもしれません。

順番には、動かせるものと動かせないものがあります

希望に合わせて前後させられる工程はあります。一方で、順番を入れ替えると結果が悪くなる工程もあります。この記事は、その線引きを書くものです。

先に結論をまとめると、こうなります。

  • 痛み・腫れ・感染を止めるのは、常に最初
  • 土台(骨と歯ぐき)が決まるまで、最終的な歯は作れない
  • 見た目の完成は、いちばん最後になる

3つめが、いちばん納得しにくいところだと思います。ただ、これには理由があります。

5つの段階と、その順番の理由

なぜこの順番になるのか。工程ごとに理由を書きます。

第1段階|痛み・腫れ・においを止める

なぜ最初か:感染があると、麻酔が効きにくく、傷も治りにくくなります。この状態で型を取っても、精度が出ません

飛ばすとどうなるか:痛みを抱えたまま長い治療に入ることになります。途中で通えなくなる原因の上位です

動かせるか:動かせません。ここは例外なく最初です

第2段階|抜くか残すかを決める

なぜここか:残す歯が決まらないと、設計そのものが立ちません。土台になる歯が変われば、上に載せるものも全部変わります

飛ばすとどうなるか:作ったあとに1本抜くことになり、その範囲をやり直します

動かせるか:動かせません。ただし「決める」だけで、抜く時期は調整できます

第3段階|歯ぐきと骨を整える

なぜここか:歯ぐきは治療のあと動きます。動いている最中に最終的な歯を入れると、数ヶ月後に境目が合わなくなります

飛ばすとどうなるか:歯と歯ぐきの境目に段差やすき間ができ、そこからむし歯が入ります。数年後の作り直しにつながります

動かせるか:動かせません。待ち時間もここに含まれます

第4段階|仮歯で形と高さを決める

なぜここか:診療台の上で数分噛んだだけでは分かりません。生活のなかで1ヶ月使って、初めて「少し高い」「発音しにくい」が出てきます

飛ばすとどうなるか:最終的な歯を入れてから違和感が出て、作り直しになります

動かせるか:短縮はできますが、飛ばせません。ここが仕上がりを決めます

第5段階|最終的な歯に置き換える

なぜ最後か:ここまでの工程がすべて決まって、初めて完成形を作れます

よいところ:本数が多くても、まとめて進められる段階です。ここは意外と早く終わります

動かせるか:範囲を分けることはできます。前歯を先に完成させる、といった組み方も可能です

この5つのうち、第1・第2・第3段階は順番を動かせません。体が治る順序に沿っているためです。

各段階にかかる時間は、以下の記事にまとめています。

相談できることと、できないこと

順番を動かせないと書きましたが、希望に合わせて調整できることもあります。ここは遠慮なく言ってください。

相談できること

  • 目立つ場所を先に仮歯で整える:最終的な歯は最後でも、見た目は早い段階で戻せます。前歯なら初回から数週間で形になります
  • 抜く時期をずらす:仕事や予定に合わせて、腫れる処置の日程を動かせます
  • 片側ずつ進める:常にどちらかで噛める状態を保つ組み方ができます
  • 費用の都合で一度止まる:仮歯まで進めば、そこで数ヶ月あけられます

相談しても動かせないこと

  • 感染がある状態で、最終的な歯を入れること
  • 歯ぐきが落ち着く前に型を取ること
  • 仮歯を飛ばして最終的な歯を作ること
  • 高さを変える範囲を、上下で別々の時期に完成させること

この4つは、お願いされてもお断りします。その場では早く進みますが、数年後にやり直す確率が上がるためです。理由は必ずご説明します。

「前歯だけ先に」と言われたときの答え方

いちばん多いご要望です。答えは「仮歯なら、すぐ整えられます」になります。

前歯の最終的な歯を先に完成させると、あとで奥歯の高さが変わったときに、前歯の当たり方も変わります。せっかく作ったものを削ることになりかねません。

ただ、見た目を数ヶ月我慢していただく必要はありません。仮歯で形と色を整えれば、会話する距離では分かりません。

当院でしていること|名古屋の臨床から

当院で、順番についてしていることを書きます。

計画書に「なぜこの順番か」を書きます

工程を並べるだけの計画書は作りません。それぞれの段階に、なぜそこなのかを一行添えます。「歯ぐきが落ち着くのを待つため」「高さを確かめるため」といった具合です。

理由が書いてあると、途中で「なぜまだ最終的な歯にならないのか」と迷わずに済みます。

急ぐものと急がないものを、初回に分けてお伝えします

痛み、腫れ、におい、ぐらつきは急ぎます。見た目の不満と噛みにくさは、多くの場合は急ぎません。この区別を最初にお伝えします。

逆に、急がないものを急がせる説明には注意してください。全体の治療で、その日のうちに大きな判断を迫る理由はほとんどありません。

予定が変わったら、その場でお伝えします

開けてみたら想定より進んでいた、歯ぐきの治りが遅い。こうしたことは実際に起こります。計画が変わりそうになった時点で、その場でお伝えします。あとでまとめて説明する、ということはしません。

費用が増える場合も、増える前にご相談します。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

初診で何をするかは、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ|順番に迷ったときに|よくあるご質問

要点は3つです。

第一に、順番は体が治る順序で決まっています。感染を止める、抜くか残すかを決める、歯ぐきを整える。この3つは動かせません。

第二に、見た目は最後になりますが、我慢は要りません。最終的な歯は最後でも、仮歯で早い段階から整えられます。会話する距離では分かりません。

第三に、調整できることは遠慮なく言ってください。腫れる処置の日程、片側ずつ進める組み方、費用の都合で一度止まること。これらは相談できます。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

痛みが心配な方は、以下の記事もご参照ください。

入れたあとの違和感については、以下の記事にまとめています。

よくあるご質問

Q1. 気になっている前歯を先に治してもらえませんか。
仮歯なら、すぐに整えられます。最終的な歯を先に完成させると、あとで奥歯の高さが変わったときに削ることになるため、そこは最後にさせてください。

Q2. 痛くない歯の治療が先なのは、なぜですか。
土台になる歯や歯ぐきが決まらないと、上に載せるものを設計できないためです。痛くない歯でも、設計上いちばん大事な位置にあることがあります。

Q3. 歯ぐきの治療を飛ばすことはできませんか。
できません。歯ぐきが動いている最中に最終的な歯を入れると、数ヶ月後に境目が合わなくなります。そこからむし歯が入り、作り直しになります。

Q4. 仮歯の期間を短くできますか。
短縮はできますが、飛ばせません。生活のなかで1ヶ月使って初めて分かることがあるためです。ここを飛ばすと、最終的な歯で作り直す確率が上がります。

Q5. 途中で順番を変えてもらうことはできますか。
できる部分とできない部分があります。日程や片側ずつの進め方は相談できます。感染がある状態で最終的な歯を入れる、といったことはお断りします。理由は必ずご説明します。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン

インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。