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治療の順番|なぜ抜歯や歯ぐきの治療が先なのか
順番には、動かせるものと動かせないものがあります
治療計画を見て、こう思われることがあります。「気になっている前歯は、最後なのか」
すぐに直してほしいところが後回しになり、痛くもない奥歯や歯ぐきの治療が先に並んでいる。順番が逆に見えるかもしれません。
順番には、動かせるものと動かせないものがあります
希望に合わせて前後させられる工程はあります。一方で、順番を入れ替えると結果が悪くなる工程もあります。この記事は、その線引きを書くものです。
先に結論をまとめると、こうなります。
- 痛み・腫れ・感染を止めるのは、常に最初
- 土台(骨と歯ぐき)が決まるまで、最終的な歯は作れない
- 見た目の完成は、いちばん最後になる
3つめが、いちばん納得しにくいところだと思います。ただ、これには理由があります。
5つの段階と、その順番の理由

なぜこの順番になるのか。工程ごとに理由を書きます。
第1段階|痛み・腫れ・においを止める
なぜ最初か:感染があると、麻酔が効きにくく、傷も治りにくくなります。この状態で型を取っても、精度が出ません
飛ばすとどうなるか:痛みを抱えたまま長い治療に入ることになります。途中で通えなくなる原因の上位です
動かせるか:動かせません。ここは例外なく最初です
第2段階|抜くか残すかを決める
なぜここか:残す歯が決まらないと、設計そのものが立ちません。土台になる歯が変われば、上に載せるものも全部変わります
飛ばすとどうなるか:作ったあとに1本抜くことになり、その範囲をやり直します
動かせるか:動かせません。ただし「決める」だけで、抜く時期は調整できます
第3段階|歯ぐきと骨を整える
なぜここか:歯ぐきは治療のあと動きます。動いている最中に最終的な歯を入れると、数ヶ月後に境目が合わなくなります
飛ばすとどうなるか:歯と歯ぐきの境目に段差やすき間ができ、そこからむし歯が入ります。数年後の作り直しにつながります
動かせるか:動かせません。待ち時間もここに含まれます
第4段階|仮歯で形と高さを決める
なぜここか:診療台の上で数分噛んだだけでは分かりません。生活のなかで1ヶ月使って、初めて「少し高い」「発音しにくい」が出てきます
飛ばすとどうなるか:最終的な歯を入れてから違和感が出て、作り直しになります
動かせるか:短縮はできますが、飛ばせません。ここが仕上がりを決めます
第5段階|最終的な歯に置き換える
なぜ最後か:ここまでの工程がすべて決まって、初めて完成形を作れます
よいところ:本数が多くても、まとめて進められる段階です。ここは意外と早く終わります
動かせるか:範囲を分けることはできます。前歯を先に完成させる、といった組み方も可能です
この5つのうち、第1・第2・第3段階は順番を動かせません。体が治る順序に沿っているためです。
各段階にかかる時間は、以下の記事にまとめています。
相談できることと、できないこと

順番を動かせないと書きましたが、希望に合わせて調整できることもあります。ここは遠慮なく言ってください。
相談できること
- 目立つ場所を先に仮歯で整える:最終的な歯は最後でも、見た目は早い段階で戻せます。前歯なら初回から数週間で形になります
- 抜く時期をずらす:仕事や予定に合わせて、腫れる処置の日程を動かせます
- 片側ずつ進める:常にどちらかで噛める状態を保つ組み方ができます
- 費用の都合で一度止まる:仮歯まで進めば、そこで数ヶ月あけられます
相談しても動かせないこと
- 感染がある状態で、最終的な歯を入れること
- 歯ぐきが落ち着く前に型を取ること
- 仮歯を飛ばして最終的な歯を作ること
- 高さを変える範囲を、上下で別々の時期に完成させること
この4つは、お願いされてもお断りします。その場では早く進みますが、数年後にやり直す確率が上がるためです。理由は必ずご説明します。
「前歯だけ先に」と言われたときの答え方
いちばん多いご要望です。答えは「仮歯なら、すぐ整えられます」になります。
前歯の最終的な歯を先に完成させると、あとで奥歯の高さが変わったときに、前歯の当たり方も変わります。せっかく作ったものを削ることになりかねません。
ただ、見た目を数ヶ月我慢していただく必要はありません。仮歯で形と色を整えれば、会話する距離では分かりません。
当院でしていること|名古屋の臨床から
当院で、順番についてしていることを書きます。
計画書に「なぜこの順番か」を書きます
工程を並べるだけの計画書は作りません。それぞれの段階に、なぜそこなのかを一行添えます。「歯ぐきが落ち着くのを待つため」「高さを確かめるため」といった具合です。
理由が書いてあると、途中で「なぜまだ最終的な歯にならないのか」と迷わずに済みます。
急ぐものと急がないものを、初回に分けてお伝えします
痛み、腫れ、におい、ぐらつきは急ぎます。見た目の不満と噛みにくさは、多くの場合は急ぎません。この区別を最初にお伝えします。
逆に、急がないものを急がせる説明には注意してください。全体の治療で、その日のうちに大きな判断を迫る理由はほとんどありません。
予定が変わったら、その場でお伝えします
開けてみたら想定より進んでいた、歯ぐきの治りが遅い。こうしたことは実際に起こります。計画が変わりそうになった時点で、その場でお伝えします。あとでまとめて説明する、ということはしません。
費用が増える場合も、増える前にご相談します。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
初診で何をするかは、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ|順番に迷ったときに|よくあるご質問
要点は3つです。
第一に、順番は体が治る順序で決まっています。感染を止める、抜くか残すかを決める、歯ぐきを整える。この3つは動かせません。
第二に、見た目は最後になりますが、我慢は要りません。最終的な歯は最後でも、仮歯で早い段階から整えられます。会話する距離では分かりません。
第三に、調整できることは遠慮なく言ってください。腫れる処置の日程、片側ずつ進める組み方、費用の都合で一度止まること。これらは相談できます。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
痛みが心配な方は、以下の記事もご参照ください。
入れたあとの違和感については、以下の記事にまとめています。
よくあるご質問
Q1. 気になっている前歯を先に治してもらえませんか。
仮歯なら、すぐに整えられます。最終的な歯を先に完成させると、あとで奥歯の高さが変わったときに削ることになるため、そこは最後にさせてください。
Q2. 痛くない歯の治療が先なのは、なぜですか。
土台になる歯や歯ぐきが決まらないと、上に載せるものを設計できないためです。痛くない歯でも、設計上いちばん大事な位置にあることがあります。
Q3. 歯ぐきの治療を飛ばすことはできませんか。
できません。歯ぐきが動いている最中に最終的な歯を入れると、数ヶ月後に境目が合わなくなります。そこからむし歯が入り、作り直しになります。
Q4. 仮歯の期間を短くできますか。
短縮はできますが、飛ばせません。生活のなかで1ヶ月使って初めて分かることがあるためです。ここを飛ばすと、最終的な歯で作り直す確率が上がります。
Q5. 途中で順番を変えてもらうことはできますか。
できる部分とできない部分があります。日程や片側ずつの進め方は相談できます。感染がある状態で最終的な歯を入れる、といったことはお断りします。理由は必ずご説明します。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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