ブログ

  • TOP
  • ブログ
  • 上の歯だけ・下の歯だけ総崩れの場合の治療

上の歯だけ・下の歯だけ総崩れの場合の治療

残っている側が、先に基準を決めています

上の歯は全部なくなったけれど、下の歯はまだ自分の歯が残っている。あるいはその逆。片方の顎だけが崩れている場合、決めることが一つ増えます。崩れた側をどう作るかに加えて、残っている側にどこまで手を入れるかです。残っている歯が、これから作る歯の位置を先に決めてしまうためです。この記事では、その決め方をご説明します。

この記事でわかること

  • 片方だけ崩れている場合に、決めることが一つ増える理由が分かります
  • 残っている側に手を入れる/入れないの分かれ目が分かります
  • 上が全部ない場合と、下が全部ない場合の違いが分かります
  • 相談の前に、ご自身で整理しておけることが決まります

両方崩れているほうが、かえって自由です

上下の両方が崩れている場合、噛み合わせの高さも、噛む面の傾きも、ゼロから決められます。難しくはありますが、制約はありません。

片方だけが崩れている場合は逆です。残っている側の歯が、高さと傾きをすでに持っています。上の歯が全部ない方であれば、下の歯の並びと傾きが、上に作る歯の位置をほぼ決めてしまいます。

その基準は、たいてい傾いています

問題は、残っている側が何年もかけて変わっていることです。

噛み合う相手がなくなった歯は、少しずつ伸びてきます。抜けた場所の隣の歯は、そちらへ倒れてきます。前のほうの歯は、前に押されて開いてくることがあります。

こうして、上下が噛み合う面は平らでなくなります。波打った面ができあがっている、という状態です。その上に、崩れた側の歯を並べることになります。基準が波打っていれば、乗せる側も波打ちます。

ご自身では分かりにくい変化です。少しずつ進むので、鏡を見ても違いに気づけません。入れ歯が合わなくなってきた、という形で表に出ることのほうが多いと思います。

だから、決めることが一つ増えます

波打った基準をそのまま受け入れて、崩れた側だけを作るのか。基準の側にも手を入れて、平らに近づけてから作るのか。

この判断が、片方だけ崩れている場合の中心になります。両方崩れている場合には出てこない問いです。

1本ずつ直すか、範囲を決めてまとめて設計するかという分かれ道は、その手前にあります。

残っている側に、どこまで手を入れるか

三つの選び方があります

選び方 何をするか 向いている場合 引き受けること
そのまま基準にする 崩れた側だけを作る 残っている側の並びが比較的そろっている 波打ちは残る。噛む場所が偏りやすい
少しだけ整える 伸びた歯を短くする、傾いた歯の形を整える 数本だけ突出している その歯に処置が必要になる
反対側も作り直す 上下とも設計し直す 高さが失われている、大きく傾いている 範囲と期間が増える

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます

いちばん上を選べるなら、それがいちばん負担が軽い方法です。残っている歯に手を入れずに済みます。

いちばん下は、範囲がまるごと変わります。ただし、高さそのものが失われている場合は、崩れた側だけを作っても噛み合いません。

見分けるのは、この二つです

一つめは、伸びてきている歯があるかどうかです。噛み合う相手を失った歯は、年単位で少しずつ出てきます。その歯が出すぎていると、そこだけ先に当たって、ほかの場所が噛めません。

二つめは、噛み合わせの高さが保たれているかどうかです。奥歯を失って長い方では、上下の間隔そのものが狭くなっていることがあります。この場合は、高さから作り直すことになります。

ご自身で確かめられる範囲もあります。軽く噛んだとき、どこか一か所だけが先に当たる感じがあるか。口を閉じたときに、以前より下あごが前に出ている気がするか。どちらも手がかりになります。

噛み合わせの高さが崩れている場合の考え方は、別の記事にまとめました。

上下で残っている場所がすれ違っている場合は、別の難しさです

上の右奥と下の左奥だけが残っている、というように、上下で残っている場所がずれていて噛み合うペアが作れない状態があります。これは片顎の話とは別の問題です。

上が全部ない場合と、下が全部ない場合

上が全部ない場合

上の顎には、入れ歯が接する面積があります。上あごの天井の部分まで覆えるため、吸いつきが得られやすく、取り外し式でも比較的安定します。

気をつけるのは、下に自分の歯が残っている場合です。硬い自分の歯と、入れ歯が向かい合うことになります。とくに下の前歯だけが残っていると、噛むたびに前のほうへ力が集中します。

そうすると、上の前のあたりの骨が痩せやすくなります。入れ歯の前側が浮いてきた、後ろが落ちてくる、という訴えにつながります。

前歯で噛み切る癖のある方は、とくにこの形になりやすくなります。前で噛むと入れ歯の後ろが浮きますので、浮かないように前へ押しつける。その繰り返しで、前にかかる力がさらに増えます。

決まった順番でそうなると確かめられているわけではありませんが、力が前に集まりやすい形であることは事実です。ですから設計では、奥のほうでも噛めるように力を分けます。

下が全部ない場合

下の顎は条件が違います。覆える面積が小さく、舌が常に動いています。取り外し式の入れ歯は、どうしても外れやすくなります。

この場合、インプラントで支えを足す設計の効きが大きくなります。数本の支えがあるだけで、沈み込みと外れやすさがかなり変わります。

上が自分の歯で残っている場合は、そちらが硬い相手になります。下の入れ歯は動きやすいうえに、上から硬いものが当たる。歯ぐきが痛む、という訴えが出やすいのはこの組み合わせです。

同じ「片方だけ崩れている」でも、上と下では起きることが違います。ですから、どちらが崩れているかをまず伺います。

取り外し式を軸に組み立てる場合の考え方は、こちらにあります。

私が、片方だけ崩れた口で決めていること

完成形を先に作り、そこから逆算します

崩れた側をどう作るかを決める前に、上下が噛み合った完成形を先に作ります。模型の上で、どこで噛ませるかを決めてしまいます。

そこで初めて、残っている側に手を入れる必要があるかどうかが見えます。完成形を置いてみて収まるなら、そのまま基準にできます。収まらないなら、どの歯がどれだけ邪魔をしているかが分かります。

順番が逆になると、崩れた側を作ったあとに「噛まない」ということが起きます。

残っている側の歯が、いつまでもつかも見ます

残っている側の歯が、この先も支えとして働けるかどうかを先に見積もります。グラグラしている歯、根の先に影がある歯があれば、その歯を基準にした設計は成り立ちません。

数年後にその歯が抜けたとき、作ったものをまるごと作り直すことになるからです。ですから、抜ける可能性のある歯を外しても崩れない形にしておきます。

歯周病で失い続けている場合は、まずそちらを止める手順が先に来ます。

弱い歯どうしをつないで支えにする方法もあります。

範囲が両顎に広がることは、先にお伝えします

「上だけ治したい」と思って来られた方に、下にも手を入れる必要があるとお伝えすることがあります。予定していた範囲と違いますので、理由を画像でお見せします。

そのうえで、範囲を絞る選択もしていただけます。波打ちを受け入れて上だけ作る、という決め方もあります。完璧でなくても噛める形はありますので、どこで折り合いをつけるかを一緒に決めます。

期間を短くしたい場合の考え方は、別に一本あります。

相談の前に、ご自身で整理しておけること

  • ☑ どちらの顎が崩れているか。上か下か、それだけで話が始められます
  • ☑ 残っている側で噛めているか。左右どちらでも噛めるか、片側だけかを確かめてください
  • ☑ いま入れ歯を使っているか。お持ちいただけると、どこが合っていないかを一緒に確認できます
  • ☑ 崩れてから何年経っているか。おおよそで構いません。残っている側の変わり方に関わります
  • ☑ どこまで一度に進めたいか。上だけにしたいのか、全体を整えたいのか。希望を先にうかがうほど計画が合います

まとめ|名古屋で片方の顎だけ総崩れの治療を考えるとき

片方の顎だけが崩れている場合、崩れた側をどう作るかだけでは決まりません。残っている側が、高さと傾きの基準をすでに持っているためです。

その基準は、たいてい傾いています。噛み合う相手を失った歯は伸び、抜けた場所の隣の歯は倒れます。波打った面の上に、崩れた側を乗せることになります。

ですから決めるのは、その基準をそのまま受け入れるか、少し整えるか、反対側も作り直すかの三つです。見分けるのは、伸びてきている歯があるかどうかと、噛み合わせの高さが保たれているかどうかです。

上が全部ない場合は入れ歯が安定しやすい一方、下に自分の歯が残っていると前に力が集まります。下が全部ない場合は外れやすく、支えを足す設計の効きが大きくなります。

治療の選択肢を全体で見ておきたい方は、まとめ役の記事をご覧ください。

残っている本数から考えたい方は、こちらが近い話になります。

名古屋で片方の顎だけ総崩れの治療を検討されている方は、まず無料相談で構いません。いまお使いの入れ歯があれば、お持ちいただけると話が早く進みます。

よくあるご質問

Q1. 上の歯が全部ない状態です。下の歯も治さないといけませんか。

必ずではありません。下の並びが比較的そろっていれば、そのまま基準にして上だけ作れます。手を入れる必要が出てくるのは、伸びてきている歯があるときと、噛み合わせの高さが失われているときです。どちらに当たるかは検査で分かりますので、理由を画像でお見せしたうえで決めていただきます。

Q2. 片方だけインプラントにすることはできますか。

できます。とくに下が全部ない場合は、支えを足すことで外れにくさがかなり変わります。ただし、噛み合う相手が入れ歯なのか自分の歯なのかで力のかかり方が違いますので、上下をセットで設計します。片方だけを単独で決めることはしません。

Q3. 何年も放置してしまいました。もう手遅れでしょうか。

手遅れということはありません。ただ、年数が長いほど残っている側が変わっていますので、手を入れる範囲が広がりやすくなります。まず、いまどれだけ傾いているかを確かめるところからです。年数は正確でなくて構いません。

Q4. 上の歯が全部ないことが恥ずかしくて、相談に行けません。

そう感じる方は少なくありません。当院のカウンセリングルームは完全個室で、診療室は半個室です。初回は話をうかがうだけで、口の中を見せるかどうかもその場で決めていただけます。所在地は名古屋市中区栄、地下鉄「伏見駅」7番出口から徒歩2分です。

※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。無料相談は無料、セカンドオピニオン外来は5,500円(税込)です。当院は名古屋市中区栄、地下鉄「伏見駅」7番出口から徒歩2分にあります。完全予約制で、Zoomでのご相談にも対応しています。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン

インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。