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神経のない歯が多いお口の再建
痛まないことが、いちばんの問題になります
神経を取った歯は、虫歯になっても痛みません。そして、そういう歯が何本もあると、被せ物をつないで支える設計になることがあります。つながれた歯が痛まないまま内側で進むと、気づいたときには手遅れで、つないだ範囲ごとまとめて失うことがあります。この記事は、その流れがどこで起きるのかと、どこで止められるのかのお話です。
この記事でわかること
- 神経のない歯が、虫歯になっても痛まない理由が分かります
- つないだ被せ物の下で何が起きるかが分かります
- 1本の問題が、なぜ複数本の抜歯につながるのかが分かります
- 痛み以外に、何を手がかりにすればよいかが分かります
痛みは、神経が出している信号です
歯がしみる、噛むと痛い。これは歯の中の神経が知らせを出しているから感じるものです。根の治療で神経を取った歯には、その知らせを出す仕組みがありません。
ですから、内側で虫歯が広がっても、何も感じません。これは治療がうまくいっているかどうかとは関係のない、構造上の話です。
気づくきっかけが、別のものに変わります
神経のある歯なら、しみる、痛むという段階で来ていただけます。神経のない歯では、その段階がありません。
実際に来られるきっかけは、被せ物が外れた、歯が欠けた、歯ぐきが腫れた、臭いが気になる。このあたりです。どれも、かなり進んでからのサインです。外れた被せ物の内側を見ると、歯のほうが軟らかくなっていた。そういうことが起こります。
何本もあるのは、まとめて治した時期があるからです
神経を取った歯が何本もある方の多くは、20代から40代にかけて集中して治療を受けています。痛みが出るたびに治した時期があった、という方です。
そうすると、その歯たちは同じくらいの年齢を持っています。節目もまとまって来ますし、痛まない歯が同時に何本も存在することになります。
1本ずつ直すか、範囲を決めてまとめて設計するかという分かれ道は、その手前にあります。
何本もあると、つなぐ設計になりやすくなります
神経を取った歯は歯質が削られていますので、1本で力を受け止めにくくなります。そこで、隣り合う歯の被せ物をつないで、力を分けて受ける設計を選ぶことがあります。
これには理由があります。1本にかかる力が減り、揺れも抑えられます。支えが足りないときには有効な手段です。
問題は、その状態と「痛まない」が組み合わさったときに起きます。
つながれていると、一度にまとめて失うことがあります
中で進んでいても、外からは分かりません
つないだ被せ物には、歯と歯のあいだに継ぎ目がありません。フロスが通らないので、そこに汚れが残ります。境目が歯ぐきの下に入っている場合は、目で見ても分かりません。
そこに、痛まない歯が並んでいます。汚れが残り、内側で進み、知らせは来ない。この三つがそろうと、見つかるのは最後になります。
1本が抜歯になると、範囲ごと外すことになります
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。
3本つないでいて、そのうち1本が根まで進んでいたとします。その1本だけを抜くことはできません。装置は一体ですから、まず全体を切断して外すことになります。
外してみると、残りの2本も同じ環境に置かれていたわけですから、状態がよいとは限りません。仮に無事でも、被せ物を外された状態で残ります。そして、抜けた1本のぶん支えが減っていますから、元と同じ設計には戻せません。
こうして、1本の問題が3本の作り直しになり、条件が悪ければ複数本の抜歯になります。
| つないでいない場合 | つないでいる場合 | |
|---|---|---|
| 1本に虫歯が見つかったとき | その歯だけ外して処置できる | 範囲全体を切断して外す |
| 1本が抜歯になったとき | その場所だけ補えばよい | 残りの歯も被せ物を失い、設計をやり直す |
| 見つかるタイミング | 被せ物ごとに確認できる | 継ぎ目がなく、遅れやすい |
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます
連結が悪い、という話ではありません
つなぐこと自体は、支えが足りないときの正当な手段です。ここでお伝えしたいのは、つないだ場合には見張り方を変える必要がある、ということです。
つないだのに、これまでと同じ間隔で、同じ見方をしている。そこに落とし穴があります。
どこで、この流れを止めるか
痛み以外の手がかりを、先に共有します
痛みが使えない以上、別のサインを知っておいていただく必要があります。
歯ぐきの縁だけが赤い。フロスが引っかかる、または切れる。特定の場所だけ臭う。被せ物が少し浮いた感じがする。噛んだときに一か所だけ沈む感じがある。
どれも小さな変化です。ただ、神経のない歯では、これが唯一の知らせになります。気のせいかもしれない、という程度でお伝えください。
見る間隔を、短くします
症状で来ていただけない以上、こちらから見に行くしかありません。ですから、つないだ被せ物が入っている方では、定期の間隔を通常より短く設定します。レントゲンを撮る間隔も変わります。
「調子がいいので来なくて大丈夫です」という判断が、いちばん危ないのがこの状態です。調子がいいのではなく、知らせが来ないだけ、という可能性があります。
切れるところで、切っておきます
設計の側でもできることがあります。必要な範囲を超えて長くつながず、単位を分けておくことです。
3本を1つにするのか、2本と1本に分けるのか。分けられるなら、1本の問題が全体に及びません。掃除できる隙間も残せます。力の流れから見て分けられない場所もありますが、分けられるところは分けておきます。
縁の位置を、見える高さに置きます
被せ物と歯の境目が歯ぐきの深いところにあると、掃除もできず、写真にも写らず、レントゲンでも読みにくくなります。
見た目の都合で縁を深く入れることはありますが、神経のない歯を何本も抱えている口では、見えるところ、掃除できるところに置くことを優先します。そのほうが、次の問題を早く見つけられます。
先に手をつけるべきことがある場合
歯周病が進んでいる場合は、そちらが先です。支えを決める前に、骨の条件を確かめる必要があります。
歯が酸で溶けている場合や、事故のあとに形が変わった場合は、原因も設計も別のものになります。
相談の前に、ご自身で整理しておけること
- ☑ つないである被せ物があるか。ご自身では分かりにくいので、「何本か一体になっている気がする」程度で構いません
- ☑ フロスが通らない場所があるか。通らない場所は、つないである場所です
- ☑ 被せ物が外れたことがあるか。場所と回数を覚えておいてください。力の集まる場所が分かります
- ☑ 最後にレントゲンを撮ったのはいつか。何年前かが分かれば十分です
- ☑ 神経を取った歯のおおよその本数と時期。正確でなくて構いません
私が、痛まない歯を抱えた口で決めていること
支えに使う歯と、休ませる歯を分けます
全部の歯に同じように力を受けさせると、弱い歯から壊れます。歯ぐきから上に残っている壁の高さ、根の状態、周りの骨、そして口の中での位置。これを全部の歯について並べ、どれに受けさせ、どれを休ませるかを決めます。
壁の高さについて補足します。被せ物は歯の周りを帯のように全周でつかんで初めて力を受け止められます。歯ぐきから上に2mmを下回ると成績が落ちるという報告があり、見た目には歯があっても支えには使えないことがあります。
症状のない歯も一覧に入れます。神経がなければ症状は出ませんので、症状の有無は情報になりません。
前歯の側が中心になっている場合は、見た目と力を同時に決めることになります。
奥歯の側に集中している場合は、噛み合わせの高さまで組み替える設計になります。
外れた場所を、力の地図として使います
被せ物や土台が外れた歯は、そこに力がかかっていた場所です。右上だけ二度外れている。そういう話をうかがえたら、右上に力が集まる理由を探します。
外れたことを失敗として片づけず、記録として使います。原因が分かれば、同じ場所をまた外れる設計にせずに済みます。
夜間の力を、設計に含めます
眠っているあいだの力は、日中より長く、強くかかります。配分をどれだけ丁寧に決めても、夜間の力を放っておくと計算が合いません。装置を使うかどうかまで含めて決めます。
仮歯で、配分とつなぐ範囲を確かめます
紙の上の配分が正しいとは限りません。仮歯の状態で数週間過ごしていただき、どこが当たるか、どこが痛むかを見ます。この段階なら、つなぐ範囲も変えられます。最終の歯を入れてからでは作り直しになります。
まとめ|名古屋で神経のない歯が多いお口の再建を考えるために
神経を取った歯は、虫歯になっても痛みません。知らせを出す仕組みがないためです。気づくのは、外れた、欠けた、腫れた、臭う、という段階になります。
そして、そういう歯が何本もあると、被せ物をつないで支える設計になることがあります。つないだ場所は継ぎ目がなくフロスが通らず、境目が歯ぐきの下に入っていることもあります。痛まない歯と、見えない場所と、掃除しにくい形。この三つがそろうと、見つかるのが遅れます。
そして1本が抜歯になると、装置ごと外すことになります。1本の問題が、まとめて複数本を失うことにつながるのは、この経路です。
止め方は三つです。痛み以外の手がかりを知っておくこと。見る間隔を短くすること。そして、切れるところで範囲を切っておくこと。
ご自身の口がどのパターンかを整理したい方は、状態別の設計をまとめたガイドから読み始めていただくと、話の位置関係が分かりやすいと思います。
名古屋で神経のない歯が多いお口の再建を検討されている方は、まず無料相談で構いません。
よくあるご質問
Q1. 神経のない歯は、虫歯になっても痛まないのですか。
痛みません。痛みは歯の中の神経が出している信号ですので、その神経がなければ知らせが来ません。進んでいないから痛くないのではなく、進んでいても知らせが来ないということです。ですから、痛みの有無で判断せず、画像で確認します。
Q2. つないである被せ物の下が虫歯になっていないか、どうやって分かりますか。
外から見て分かることは限られます。歯ぐきの縁の赤み、フロスが引っかかる、その場所だけ臭う、といった小さな変化が手がかりになります。確実なのはレントゲンですので、つないだ被せ物がある方では撮る間隔を短くします。調子がよくても、それは知らせが来ていないだけかもしれません。
Q3. 1本だめになったら、つないだ分も全部やり直しですか。
つないである範囲は、原則として一度外すことになります。装置が一体だからです。ただし、範囲の切り方によって影響の及ぶ広さは変わりますので、設計の段階で分けられるところは分けておきます。すでに入っているものについては、次に作るときにこの点を考えます。
Q4. 神経のない歯ばかりです。今から相談しても怒られませんか。
怒ることはありません。神経を取った歯が多いのは、それだけ治療を受けてこられたということです。経緯をうかがうのは、これまでを評価するためではなく、いまどこがどうなっているかを確かめ、どの歯を支えに使えるかを決めるためです。当院のカウンセリングルームは完全個室で、診療室は半個室です。所在地は名古屋市中区栄、地下鉄「伏見駅」7番出口から徒歩2分です。
※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。無料相談は無料、セカンドオピニオン外来は5,500円(税込)です。当院は名古屋市中区栄、地下鉄「伏見駅」7番出口から徒歩2分にあります。完全予約制で、Zoomでのご相談にも対応しています。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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