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持病や飲んでいる薬があるとき|全体の治療は受けられるのか
受けられない、という単純な線引きはありません
「糖尿病があるのですが、インプラントはできますか」「血液をさらさらにする薬を飲んでいます」。全体の治療を考える年代の方から、よくいただくご質問です。
先にお答えします。持病があるから受けられない、という単純な線引きはほとんどありません。多くの場合、条件を整えれば進められます。
ただし、そのためには最初に正確に知らせていただく必要があります。あとから分かるのが、いちばん困ります。
お薬手帳を持ってきてください
いちばん確実です。薬の名前を覚えていなくても、手帳があれば分かります。市販のサプリメントや漢方も、飲んでいれば教えてください。
「言うと断られるのでは」と心配される方がいますが、逆です。知らないまま進めるほうが危険で、知っていれば対策が取れます。
隠したまま進めると、何が起きるか
抜歯やインプラントの手術のあとに、血が止まりにくくなる。傷が治らない。まれですが、あごの骨に重い問題が起きることがあります。
いずれも、事前に分かっていれば防げるか、備えられるものです。薬を止めるかどうかは自己判断せず、必ず処方している先生と相談しながら決めます。
影響しやすい5つと、その進め方

全体の治療に影響しやすい持病を5つ挙げます。どれも「できない」という話ではなく、「こうすれば進められる」という話です。
① 糖尿病
何が影響するか:血糖の状態が悪いと、傷が治りにくく、感染しやすくなります。歯周病も進みやすくなります
目安:HbA1cという数値が一つの目安になります。主治医と連携して、落ち着いた状態で手術に入ります
どう進めるか:血糖が安定していれば、インプラントも通常どおり可能です。コントロールできているかどうかが問題で、病名そのものが問題なのではありません
お願いしたいこと:直近の検査結果をお持ちください。主治医への照会が必要な場合は、こちらから書面でお願いします
② 血液をさらさらにする薬
何が影響するか:抜歯や手術のときに、血が止まりにくくなります
よくある誤解:自己判断で止めるのがいちばん危険です。止めることで血栓ができるリスクのほうが重大な場合があります
どう進めるか:多くの場合、薬は続けたまま処置できます。止血の方法を変え、時間をかけて確実に止めます。中止が必要かどうかは、処方元の先生に確認します
お願いしたいこと:薬の名前と、いつから飲んでいるかをお知らせください
③ 骨粗しょう症の薬
何が影響するか:骨を強くする薬のなかに、あごの骨の治りに影響するものがあります。飲み薬と注射で、扱いが変わります
どう進めるか:服用期間、種類、注射か内服かを確認します。必要なら処方元と相談し、休薬や時期の調整を検討します
大事なこと:この薬を飲んでいる方は、抜歯の前に必ず申告してください。あとから分かるのが、いちばん避けたい状況です
お願いしたいこと:お薬手帳と、いつから飲んでいるかの情報を
④ 高血圧・心臓の病気
何が影響するか:処置中の血圧上昇や、緊張による負担
どう進めるか:血圧を測りながら進めます。麻酔の種類を選び、1回の処置時間を短く区切ることもあります。ペースメーカーが入っている場合は、使う機器を変えます
選択肢:緊張が強い方には、眠っているような状態で受けられる方法もあります
お願いしたいこと:ふだんの血圧と、直近の受診状況を
⑤ 喫煙
何が影響するか:病気ではありませんが、影響は大きい項目です。傷の治りが遅く、インプラントが骨とくっつきにくくなります。歯ぐきの治療も効きにくくなります
どう進めるか:やめられない前提でも計画は立てられます。ただし手術の前後だけは控えていただくようお願いしています
正直な話:本数を減らすだけでも違います。ゼロにできなくても、言っていただければ計画に織り込めます
お願いしたいこと:実際の本数を教えてください。少なめに申告されると、対策がずれます
糖尿病のある方のインプラントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
喫煙されている方は、以下の記事もご参照ください。
変わるのは「できるか」ではなく「進め方」です

持病があると、計画の中身がどう変わるのか。実際のところを書きます。
変わるのは「できるかどうか」ではなく「進め方」です
- 順番が変わる:血糖や血圧が落ち着くまで、手術を後ろに回すことがあります。その間に、削らずにできる処置を先に進めます
- 1回の量が変わる:まとめて抜く予定を、数回に分けることがあります。体への負担を分散させるためです
- 時期を選ぶ:骨粗しょう症の薬など、休薬の相談が必要な場合は、その調整を待ちます
- 設計そのものを変える:手術の負担を減らすため、インプラントの本数を減らす、あるいは入れ歯を組み合わせる設計にすることがあります
手術を避ける設計も選べます
体の状態によっては、インプラントを使わない計画のほうが安全なことがあります。「インプラントができないから治せない」ということはありません。ブリッジや入れ歯を組み合わせて、噛めるところまで戻す方法があります。
この場合も、噛み合わせの高さを整えるという考え方は同じです。設計の道具が変わるだけです。
主治医との連携
必要な場合は、こちらから処方元の先生宛てに書面で照会します。患者さんに伝言をお願いすることはしません。正確に伝わらないことがあるためです。
返事を待つあいだ、治療が止まるわけではありません。手術以外の工程は進められます。
年齢について
年齢そのものを理由に、治療をお断りすることはありません。80代でインプラントを入れる方もいます。見ているのは年齢ではなく、骨の状態と全身の状態、そして通っていただけるかどうかです。
当院でしていること|名古屋の臨床から
当院で、持病のある方に対してしていることを書きます。
初診でお聞きすること
- 持病の病名と、いつから、どこに通っているか
- 飲んでいる薬すべて(お薬手帳で確認します)
- 直近の検査結果があれば、その数値
- 過去に抜歯や手術で、血が止まりにくかったことがあるか
- 麻酔で気分が悪くなったことがあるか
問診票に書いていただいたうえで、口頭でも確認します。書き忘れがいちばん多いのは、市販薬とサプリメントです。
緊張が強い方への選択肢
血圧が上がりやすい方、歯科が怖い方には、静脈内鎮静法という方法があります。点滴で薬を入れ、うとうとした状態で処置を受けていただきます。眠っている間に終わった、という感覚になる方が多い方法です。
全身麻酔とは違い、呼びかけには反応できます。血圧や酸素の状態を機械で見ながら進めます。
麻酔そのものについて
麻酔の量や種類も、持病に合わせて選びます。心臓に負担をかけにくいものを使う、量を抑える、といった調整ができます。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
痛みが心配な方は、以下の記事をご覧ください。
まとめ|最初に伝えていただきたいこと|よくあるご質問
要点は3つです。
第一に、持病があるから受けられない、という単純な線引きはほとんどありません。変わるのは「できるかどうか」ではなく「進め方」です。
第二に、お薬手帳を持ってきてください。市販薬とサプリメントも含めてです。言うと断られるのでは、と心配せずに教えてください。知らないまま進めるほうが危険です。
第三に、薬を自己判断で止めないでください。とくに血液をさらさらにする薬は、止めることのほうが危険な場合があります。中止の要否は、処方元の先生と相談して決めます。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
初診で何をするかは、以下の記事にまとめています。
よくあるご質問
Q1. 糖尿病があります。インプラントはできますか。
血糖が安定していれば可能です。数値が高い状態では、傷が治りにくく感染しやすいため、落ち着くまで待つことがあります。病名そのものではなく、コントロールの状態を見ます。
Q2. 血液をさらさらにする薬を飲んでいます。抜歯できますか。
多くの場合、薬を続けたまま抜歯できます。止血の方法を変えて対応します。自己判断で止めないでください。中止が必要かどうかは処方元の先生に確認します。
Q3. 骨粗しょう症の薬を飲んでいます。
必ず申告してください。薬の種類、飲み薬か注射か、服用期間で対応が変わります。処方元と相談したうえで進めます。あとから分かるのが、いちばん避けたい状況です。
Q4. 高齢ですが、大きな治療を受けても大丈夫でしょうか。
年齢そのものを理由にお断りすることはありません。見ているのは骨の状態、全身の状態、通っていただけるかどうかです。負担を減らす設計も選べます。
Q5. 歯科が怖くて、血圧が上がってしまいます。
静脈内鎮静法という選択肢があります。うとうとした状態で処置を受けられ、血圧や酸素の状態を機械で見ながら進めます。
Q6. たばこをやめられません。治療は無理でしょうか。
無理ではありません。やめられない前提でも計画は立てられます。ただし手術の前後だけは控えていただくようお願いしています。本数を減らすだけでも違います。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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