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治療後に歯ぐきが下がってきたとき|原因と、できる対処
「歯が長くなった」と感じたとき
治療が終わって数年たったころ、「歯が長くなった気がする」「被せ物との境目が見えてきた」とご相談をいただくことがあります。
歯が伸びたのではありません。歯ぐきが下がって、これまで隠れていた部分が見えてきた状態です。
ここで大事なのは、順番です。下がった歯ぐきを戻すことより先に、下がった原因を止めることです。原因が続いたまま被せ物を作り直しても、数年で同じことが起きます。
この記事では、歯ぐきが下がる原因、様子を見てよい場合と対処が必要な場合、そしてどんな方法があるかを説明します。
歯ぐきが下がる、5つの原因

歯ぐきが下がる原因は、だいたい次の5つです。複数が重なっていることもあります。
①強い歯みがき
どういうことか:硬い毛の歯ブラシで、力を入れて横にこする。これを毎日続けると、歯ぐきは下がります
多い理由:熱心に磨いている方ほど起こります。手を抜いた結果ではありません
対処:やわらかめの歯ブラシに変え、力を抜いて時間をかけます。これだけで進行が止まることが多くあります
②歯周病
どういうことか:歯を支えている骨が減ると、その上にある歯ぐきも一緒に下がります
見分け方:出血、腫れ、歯の動き、口のにおいを伴うことが多いです
対処:歯周病の治療が先です。炎症が続いている間は、何を作り直しても同じことが起きます
③噛む力
どういうことか:特定の歯に強い力がかかり続けると、その歯の歯ぐきや骨に影響が出ることがあります
気づき方:下がっている歯が1〜2本に集中している、その歯にすり減りや欠けがある
対処:噛み合わせの調整や、夜間の力への対策が必要です
④被せ物のふちの位置
どういうことか:見た目のために、被せ物のふちを歯ぐきの中に深く入れることがあります。深すぎると炎症が続きます
起きること:炎症が続いた場所の歯ぐきは、下がっていきます
対処:作り直すときに、ふちの位置を見直します。清掃できる位置に設定するほうが、長い目では有利です
⑤もともとの歯ぐきの厚み
どういうことか:歯ぐきの厚みには個人差があります。薄い方は、同じ条件でも下がりやすい傾向があります
どうしようもないのか:体質的な部分はありますが、他の4つの原因を減らせば、進み方は変えられます
設計上の配慮:薄い方には、ふちの位置や形をより慎重に決めます
「歯が長くなった」と感じる、もう一つの原因
歯ぐきが下がる以外に、歯がすり減って短くなった結果、相対的に歯ぐきが下がって見えることがあります。歯ぎしりのある方に多いパターンです。
この2つは、対処が違います。歯ぐきが下がっているのか、歯が短くなっているのか。治療前の写真があれば、比べれば分かります。記録を残しておく意味は、こういうところにあります。
様子を見てよい場合と、対処が必要な場合

様子を見てよい場合
見た目が気にならない場所で、しみることもなく、虫歯もない。この場合は、原因を止めたうえで経過を見るという選択があります。下がった歯ぐきは自然には戻りませんが、進行は止められます。
奥歯であれば、境目が見えても実害がないことが多くあります。あわてて作り直す必要はありません。
対処が必要な場合
①しみる。露出した根の面は、エナメル質に覆われていません。刺激に弱い部分です。
②虫歯ができている。根の面の虫歯は進みやすく、範囲が広がりやすい部分です。
③段差ができて、汚れがたまる。被せ物のふちと歯の間に段差があると、そこから虫歯や炎症が起きます。
④前歯で、見た目が気になる。これは十分な理由になります。ご本人が気になるかどうかが基準です。
歯ぐきを戻す方法もあります
他の場所から歯ぐきを移植して、露出した根を覆う方法があります。ただし、すべての部位にできるわけではありません。周りの骨がどれだけ残っているかで、覆える範囲が決まります。
また、歯と歯の間の歯ぐき(三角形の部分)が失われている場合、そこを完全に戻すのは難しいのが実際です。できることとできないことを、先に確認しておいてください。
作り直すときは、原因を止めてから
これがいちばん大事な点です。磨き方、炎症、力。原因を残したまま新しい被せ物を入れても、数年で同じ状態になります。
放置するとどうなるか
下がった状態を放置しても、すぐに大きな問題が起きるわけではありません。ただし、次の3つは進みます。
①露出した根の面の虫歯。根の面はエナメル質に覆われておらず、進みやすい部分です。
②しみる範囲の拡大。露出が広がれば、しみる面積も広がります。
③見た目の変化。前歯では、年ごとに気になり方が変わります。
あわてる必要はありませんが、原因を止めないまま放っておくのとは違います。
当院でしていること|名古屋の臨床から
原因を特定してから、方針を決めます
磨き方か、炎症か、力か、ふちの位置か。原因によって対処が違います。「作り直しましょう」から入ることはしません。
磨き方は、実際に見せていただきます
強く磨いていることに、ご自身では気づきにくいものです。お使いの歯ブラシと、当て方を見せていただければ、その場で分かります。
被せ物のふちは、清掃できる位置に設定します
見た目のために深く入れることの代償を、先にご説明します。前歯では見た目を優先することもありますが、その場合のリスクもお伝えしたうえで決めます。
作り直さない選択も、お伝えします
実害がなく、ご本人が気にされていないのであれば、経過を見る選択があります。必要のない処置はご提案しません。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
まとめ|戻すことより、止めることが先です
歯が伸びたのではなく、歯ぐきが下がって隠れていた部分が見えてきた状態です。
原因は、強い歯みがき、歯周病、噛む力、被せ物のふちの位置、もともとの厚み。複数が重なっていることが多くあります。
そして、いちばん大事なのは順番です。下がった歯ぐきを戻すことより先に、下がった原因を止めること。原因が続いたまま作り直しても、同じことが起きます。
よくあるご質問
Q. 下がった歯ぐきは、自然に戻りますか。
A. 自然には戻りません。炎症による腫れが引いて一時的に下がって見えることはありますが、失われた歯ぐきは戻りません。
Q. 移植すれば、元どおりになりますか。
A. 覆える場合があります。ただし、周りの骨の残り方によって、どこまで覆えるかが決まります。歯と歯の間の三角形の部分は、完全に戻すのが難しい部分です。
Q. 被せ物を作り直せば、見えなくなりますか。
A. 境目を歯ぐきの位置に合わせれば、見えなくなります。ただし、原因を止めていなければ、また下がります。
Q. しみるのですが、我慢していればおさまりますか。
A. 落ち着くこともありますが、根の面が虫歯になっていないかの確認は必要です。しみる状態が続くなら、対処の方法があります。
Q. 電動歯ブラシは、歯ぐきを下げますか。
A. 押しつけて使えば下がります。当てるだけにしていれば、手みがきより優しいこともあります。使い方の問題です。
Q. 治療した歯だけ下がってきました。治療のせいですか。
A. 被せ物のふちの位置が深すぎた可能性はあります。ただし、その歯に力が集中している、その歯だけ磨きすぎているという場合もあります。原因を確認してから判断します。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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