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治療が終わったあとの毎日のケア|インプラントと被せ物で道具が変わります
治療が終わったあと、みがき方は変わります
治療が終わって、新しい歯が入る。そこで終わりではありません。ここから先は、毎日の手入れがそのまま寿命に出ます。
ただ、これまでと同じみがき方でよいわけではありません。天然の歯と、インプラントや被せ物とでは、汚れがたまる場所も、傷みやすい場所も違います。今までどおり丁寧にみがいているのに調子が悪くなる方は、やり方が悪いのではなく、道具と当てる場所が変わったことに気づいていないだけであることがほとんどです。
この記事では、治療後にどこをどう掃除すればよいか、どんな道具を選べばよいかを、場所ごとに整理します。難しいことはありません。覚えることは、場所と順番だけです。
治療にかけた費用と時間を、そのまま持たせられるかどうかは、この毎日の数分で決まります。医院で行うメンテナンスは、あくまで確認と補助です。90日のうち89日は、ご自身の手にかかっています。
場所別|どこを、どう掃除するか

治療後のお口は、場所によって性質が違います。順番に見ていきます。
①インプラントの周り
何が違うか:天然の歯には、歯と骨の間にクッションのような組織があります。インプラントにはこれがありません。汚れへの抵抗力も弱くなります
どう掃除するか:歯ぐきとの境目に、毛先を斜めに当てます。強くこする必要はありません。細かく動かして、境目に沿わせます
気をつけること:痛みが出にくいため、進んでから気づくことがあります。掃除できていない自覚がなくても、定期的な確認が必要です
②被せ物と歯ぐきの境目
何が違うか:どれだけ精密に作っても、天然の歯と被せ物の境目はあります。ここが一番汚れの残る場所です
どう掃除するか:歯ブラシを歯ぐきの方向に軽く傾け、境目の線をなぞるように当てます。力ではなく、時間をかけます
気をつけること:強くみがくと歯ぐきが下がり、境目が見えるようになります。力を入れても汚れは落ちません
③ブリッジの下
何が違うか:歯のない部分をまたいで橋がかかっているため、その下に歯ブラシは届きません
どう掃除するか:ブリッジの下に通せる専用の糸、または細いブラシを使います。通すだけで大きく変わります
気をつけること:ここを掃除しないと、においの原因になります。「においが気になる」というご相談の多くは、この部分です
④連結された歯の間
何が違うか:複数の歯をつなげて作っている場合、歯と歯の間に糸が入りません
どう掃除するか:すき間の広さに合った歯間ブラシを使います。太すぎると歯ぐきを傷め、細すぎると届きません
気をつけること:サイズは1種類ではありません。場所ごとに違うことがあります
⑤噛む面と、歯ぎしりのある方
何が違うか:ここは磨きやすい場所です。むしろ問題になるのは、力とすり減りのほうです
どう掃除するか:普通に当てれば十分です。硬い歯ブラシで強くこする必要はありません
気をつけること:夜のくいしばりがある方は、ナイトガードの内側も毎日洗ってください。汚れがたまりやすい部分です
汚れは、力ではなく回数と時間で落ちます
「強くみがけば落ちる」と思われがちですが、逆です。歯ぐきの境目に残る汚れは、やわらかい膜のような状態でついています。毛先が届いてさえいれば、軽い力で落ちます。強くこすっても、毛先が寝てしまい、かえって届かなくなります。
とくにインプラントの周りは、強い力で傷つけると、そこに汚れがつきやすくなります。優しく、時間をかけて、が正解です。
1日のどこかで、鏡を見る時間を作ってください
感覚だけでみがいていると、いつも同じ場所が残ります。週に1回でも構いませんので、明るいところで鏡を見ながら、境目に毛先が当たっているかを確認してください。当たっていない場所は、必ず決まっています。
道具の選び方と、使う順番

順番は、すき間が先です
歯間ブラシや糸を先に通してから、歯ブラシを当ててください。逆にすると、すき間から出てきた汚れが表面に残ります。
歯ブラシは、やわらかめを選びます
硬い毛は、歯ぐきを下げ、被せ物の表面につやを失わせます。やわらかめで時間をかけるほうが、確実に落ちます。
歯みがき剤は、研磨剤の少ないものを
粒子の粗いもの、着色を落とすことをうたったものは、セラミックやインプラントの表面には向きません。表面に細かい傷がつくと、そこに汚れがつきやすくなります。
1日のうち、夜が一番大事です
寝ている間は唾液が減り、汚れが流れません。朝と昼が短くなる日があっても構いませんが、夜だけは時間をかけてください。
電動歯ブラシは、使っても構いません
ただし、押しつけないことが条件です。当てるだけで動いてくれる道具なので、力を加えると逆効果になります。
あると便利なもの、なくてよいもの
あると助かるもの。タフトブラシと呼ばれる、毛束が一つだけの小さなブラシ。奥歯の裏側や、連結部分の端に届きます。1本あると、届かない場所がかなり減ります。
必須ではないもの。洗口液は、使っても構いませんが、これだけで汚れは落ちません。機械的に落としたあとの補助とお考えください。
避けたいもの。着色を強力に落とすとうたった歯みがき剤、粗い粒子の入ったもの、つまようじで強くこじる習慣。いずれも表面と歯ぐきを傷めます。
当院でしていること|名古屋の臨床から
お使いの道具を、実際に見せていただきます
説明だけでは、サイズも当て方も伝わりません。普段お使いの歯ブラシと歯間ブラシをお持ちいただければ、その場で合っているか確認します。
場所ごとに、必要な道具をお伝えします
お口の中は、場所によって条件が違います。ここは歯間ブラシのS、ここは糸、ここは何も要りません。この単位でお伝えします。全部に同じ道具を使う必要はありません。
できていない場所を、責める形ではお伝えしません
染め出しなどで残っている場所を確認しますが、目的は道具を変えることです。磨き方の努力ではなく、道具が合っていないことのほうが多いためです。
メンテナンスのたびに、見直します
歯ぐきの状態は変わります。すき間の広さも変わります。以前ちょうどよかったサイズが、合わなくなることがあります。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
できる範囲から決めます
最初から全部の道具を使っていただく必要はありません。一番リスクの高い場所から一つずつ始めていただくほうが、続きます。続かない方法をお伝えしても意味がありません。
まとめ|覚えるのは、場所と順番だけです
治療が終わったあとのお口は、場所によって性質が違います。インプラントの周り、被せ物と歯ぐきの境目、ブリッジの下、連結された歯の間。それぞれに、届く道具が違います。
順番は、すき間が先で、歯ブラシがあと。歯ブラシはやわらかめ、歯みがき剤は研磨剤の少ないもの。そして、1日のうち夜を一番ていねいに。
覚えることは多くありません。ただし、今までと同じやり方のままでは足りない、ということだけは確かです。
よくあるご質問
Q. インプラントは虫歯にならないから、手入れは楽ですか。
A. 虫歯にはなりませんが、周りの歯ぐきと骨は炎症を起こします。しかも痛みが出にくいため、気づくのが遅れます。手入れの重要性は、天然の歯より高いとお考えください。
Q. 歯間ブラシで血が出ます。やめたほうがよいですか。
A. 炎症がある場所は、最初は出血します。サイズが合っていれば、続けるうちに落ち着きます。1週間たっても変わらない場合は、サイズか当て方を見直します。
Q. においが気になります。
A. ブリッジの下や、連結部分に汚れが残っていることが多いです。歯ブラシだけでは届かない場所なので、道具を足すと変わります。
Q. 電動歯ブラシと手みがき、どちらがよいですか。
A. どちらでも構いません。大事なのは、すき間の掃除を別に行っているかどうかです。電動でも、歯と歯の間には届きません。
Q. メンテナンスは、どれくらいの間隔で通えばよいですか。
A. お口の状態によって変わります。インプラントが多い方、歯ぎしりのある方は、間隔を短くします。ご自身の間隔は、担当医にご確認ください。
Q. 歯間ブラシを毎日使うのが大変です。
A. 全部の場所を毎日でなくても構いません。ただし、リスクの高い場所だけは毎日にしてください。どこかは、お口を見てお伝えします。
Q. デンタルフロスと歯間ブラシは、両方必要ですか。
A. すき間の広さで使い分けます。狭いところは糸、広いところは歯間ブラシです。両方必要な方も、片方で足りる方もいらっしゃいます。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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