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口が乾く方の全顎治療|唾液が少ないと、何が変わるか
口の乾きは、治療の設計に関わります
「最近、口が乾くんです」。この一言を、治療の相談とは別のことだと思って言わずにおられる方が多くいらっしゃいます。
ですが、唾液の量は、全顎治療の設計に直接関わります。唾液は、汚れを流し、酸を中和し、歯の表面を修復し、入れ歯を吸着させています。これが減ると、同じ治療をしても、もちが変わります。
とくに気をつけたいのは、これまで虫歯にならなかった場所から虫歯が出てくることです。歯の根元や、被せ物のふち。唾液に守られていた場所です。
この記事では、唾液が減ると何が変わるのか、そして乾きやすい方の全顎治療をどう設計すればよいかを説明します。
唾液が減ると、何が変わるのか

唾液が減ると、次のようなことが起こります。
①虫歯のできる場所が変わります
どういうことか:これまで問題のなかった歯の根元や、被せ物と歯の境目から虫歯が出ます
なぜか:唾液が流れていた場所ほど、守られていました。流れが減ると、そこが弱点になります
厄介な点:根元の虫歯は、被せ物のふちに沿って横に広がります。気づいたときには範囲が広いことがあります
②進む速さが変わります
どういうことか:同じ汚れの量でも、虫歯の進み方が早くなります
なぜか:唾液には、食後に酸性に傾いた口の中を戻す働きがあります。これが弱まると、酸にさらされる時間が長くなります
意味すること:メンテナンスの間隔を、これまでと同じにしていると間に合いません
③入れ歯が外れやすくなります
どういうことか:入れ歯は、粘膜との間の唾液の層で吸着しています
乾いていると:吸着が弱まり、話すときや食べるときに外れやすくなります
対応:設計を変える、保湿剤を併用する、そもそも別の方法を検討するなど、選択肢があります
④粘膜がこすれて痛みます
どういうことか:唾液は、粘膜を保護する膜の役割もしています
乾いていると:入れ歯や被せ物のふちが当たって痛む、口内炎ができやすくなります
見落としやすい点:「入れ歯が合っていない」と思われている痛みが、乾燥によることもあります
⑤味や会話にも影響します
どういうことか:味を感じるには、唾液に溶けることが必要です。乾いていると、味が分かりにくくなります
会話:長く話すと舌が張りついて話しづらい、という形で出ることがあります
お伝えしたいこと:これらは我慢する必要のあることではありません。対応の方法があります
唾液がしていることを、整理すると
唾液は、ただの水ではありません。汚れを洗い流す、食後の酸を中和する、歯の表面を修復する材料を運ぶ、細菌の増殖を抑える、粘膜を保護する、入れ歯を吸着させる。これだけの働きをしています。
減るということは、この6つが同時に弱まるということです。1つひとつは小さくても、重なると差が出ます。
乾きやすい方の、設計と対策

まず、原因を分けます
口の乾きには、いくつかの原因があります。お薬の影響(血圧、アレルギー、精神科の薬など、多くの薬に口の乾きの副作用があります)、口呼吸、加齢による分泌量の変化、全身の病気。
原因によって、対応が変わります。お薬が関係していそうな場合は、処方元の先生に相談することで変えられることもあります。自己判断で薬をやめることは避けてください。
設計で変えられること
①被せ物のふちの位置。歯ぐきの中に深く入れず、ご自身で清掃できる位置に設定します。
②つなぎ方。長くつなげると、1か所の虫歯で全体をやり直すことになります。修理できる単位で区切っておきます。
③材料の選び方。汚れがつきにくく、表面がなめらかに保てるものを優先します。
メンテナンスの間隔を、短くします
乾きやすい方では、虫歯の出方も速さも変わります。間隔を短くして、小さいうちに見つけることが、いちばん確実な対策です。
日常でできること
こまめに水を飲む、鼻で呼吸する、寝室の乾燥を避ける、保湿剤を使う、よく噛んで食べる。どれも小さなことですが、積み重なると差が出ます。糖分の入った飴やガムを頻繁に使うのは、かえって虫歯を増やすことがあるため、選び方に注意が必要です。
フッ素の使い方が変わります
唾液が少ない方では、フッ素の使い方がより重要になります。濃度の高いものを使う、就寝前に使う、うがいを控えめにする。使い方によって効果が変わるため、自己流ではなく確認してから始めてください。
当院でしていること|名古屋の臨床から
お薬手帳を確認します
口の乾きは、お薬の副作用として出ていることが少なくありません。何を飲んでおられるかが分かると、原因の見当がつきます。
清掃しやすさを優先して設計します
乾きやすい方では、見た目のために複雑な形にすることの代償が大きくなります。ご自身で確実に届く形を優先します。
メンテナンスの間隔を、個別に決めます
全員一律ではありません。乾きやすさと虫歯の出方を見て、間隔を決めます。
必要なときは、医科への相談をおすすめします
乾きが強い場合、全身の病気が関係していることがあります。歯科の範囲を超えると判断したときは、そうお伝えします。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
まとめ|前提にして設計すれば、結果は変えられます
唾液は、汚れを流し、酸を中和し、粘膜を守り、入れ歯を吸着させています。これが減ると、同じ治療をしても、もちが変わります。
とくに、これまで虫歯にならなかった根元や被せ物のふちから虫歯が出ます。進む速さも変わります。
対策は、原因を分けること、清掃しやすい形で設計すること、メンテナンスの間隔を短くすること。乾きやすいことを前提に設計しておけば、結果は変えられます。
よくあるご質問
Q. 口が乾くのは、年齢のせいですか。
A. 年齢による変化もありますが、お薬の影響であることが多くあります。何を飲んでおられるかを確認すると、見当がつきます。
Q. 薬をやめれば治りますか。
A. 自己判断でやめないでください。処方元の先生に相談することで、種類や量を調整できる場合があります。
Q. 乾いていても、インプラントはできますか。
A. できます。ただし、周りの清掃がより重要になります。清掃しやすい形で作ることと、間隔の短いメンテナンスが前提になります。
Q. 保湿剤は使ったほうがよいですか。
A. 乾きが強い方には有効です。就寝前の使用で、朝の楽さが変わる方もいらっしゃいます。
Q. 飴やガムで唾液を出すのはどうですか。
A. 噛むこと自体は唾液を増やしますが、糖分の入ったものを頻繁に使うと虫歯が増えます。糖分を含まないものを選んでください。
Q. 唾液を増やす方法はありますか。
A. よく噛む、水分をとる、唾液腺のあたりを軽くマッサージする。効果には個人差がありますが、試す価値はあります。原因が薬の場合は、そちらの調整のほうが効きます。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン
インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。



