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食事の温度を感じる入れ歯|熱伝導の話|名古屋・伏見の補綴専門医
温度が分かりにくい理由は、「床の材料」と「上あごを覆うこと」の2つです
結論から言うと、入れ歯で温度が分かりにくくなる理由は2つです。床の材料が熱を通しにくいことと、上あごを覆うことで感じ方が変わることです。
金属床で変えられるのは、主に1つめの「熱の通しやすさ」です。2つめの「上あごを覆うこと」による変化は、金属床にしても残るため、覆い方の設計や噛み合わせも合わせて考えます。
「入れ歯にしてから、温かいお味噌汁の温度が分からない」「食事が味気ない」。名古屋でも、こうしたご相談をいただきます。熱の伝わり方と、金属床で変わること・変わらないことを整理します。
この記事で分かること。
- 入れ歯で温度が分かりにくくなる2つの理由
- 金属と樹脂の、熱の伝わり方の違い
- 金属床で変わること、変わらないこと
入れ歯治療の全体像は、以下のページにまとめています。
まず、今の状態を確かめてください
| 状態 | 目安 |
|---|---|
| 熱い・冷たいが分かりにくい | 素材と設計を相談 |
| 噛みにくく味が出ない | 調整を相談 |
| 急に味が分からなくなった | 早めにご相談を |
温度も、おいしさの一部です
私たちは食事のおいしさを、舌で感じる味だけでなく、温度や食感でも感じています。スプーンの温度を変えて食べてもらった実験では、甘味の感じ方がスプーンの温度で変わり、食品に合った温度ではおいしさの評価が上がりました。

図:入れ歯で温度が分かりにくくなる2つの理由
上あごは、味の感じ方に関わっている
上あごの硬い部分には、味を感じる受容器はほとんどありません。それでも海外の総説では、この部分が味の感じ方に大きく関わっているとされています。上あごを覆ったときに味が変わる主な理由は、温度と食感の感じ方が変わるためと考えられています。
覆うと、味や食感の感じ方が変わる
国内の研究では、上あごを実験用の床で覆うと、塩味・酸味・苦味を感じにくくなる傾向がありました。甘味への影響は小さかったとされています。別の実験では、上あごを覆うと噛む回数が増え、飲み込むまでの時間が長くなりました。
ただ、同じ研究では、変化は時間とともに小さくなり、1週間後には戻る傾向も見られています。若い方を対象にした実験の結果なので、実際の入れ歯でどのくらいで慣れるかは人によって違います。
金属は、樹脂より熱を通しやすい素材です
入れ歯の床に使う材料によって、熱の通しやすさは違います。歯科材料の学会誌の研究では、歯科用の金属はどれも、床に使う樹脂より熱を通しやすいと報告されています。
| 床の材料 | 熱の通しやすさ |
|---|---|
| 樹脂(保険の入れ歯) | 通しにくい |
| コバルトクロム合金 | 通しやすい |
| チタン | 通しやすい |
| 金合金 | より通しやすい |

図:入れ歯の床の材料と熱の通しやすさ
同じ研究では、金属の中にも順番があり、金合金、チタン、コバルトクロム合金の順に熱を通しやすいとされています。どれも、樹脂と比べれば熱を通しやすい素材です。
学会の資料でも、同じように説明されている
日本補綴歯科学会の一般向けの資料でも、金属床は食べ物の熱が伝わりやすく、食事がおいしく感じられると説明されています。一方、保険の樹脂の入れ歯は、冷たさや温かさが伝わりにくく、厚みがあるとされています。
厚みも、熱の伝わり方に関わる
樹脂の床は、強さを保つためにある程度の厚みが必要です。金属は薄くても強さを保ちやすいため、床を薄く作りやすくなります。熱を通しやすい素材を、薄く作れることも、温度が伝わりやすくなる理由のひとつです。
私は、「温度が分からない」を2つに分けて伺います
温度が分からないというご相談で、私はまず、床の材料から来ている部分と、上あごを覆うことから来ている部分を分けて考えます。金属床で変えられるのは前者で、後者は覆う範囲や縁の位置、噛み合わせで考える部分です。
技工を自分の手で行ってきたので、金属床でも、すべてが金属でできているわけではないことを知っています。
- 上あごの中央:金属が粘膜に触れる
- 歯ぐきに乗る部分:樹脂で作ることが多い
- 人工歯のまわり:樹脂で作る
どこを金属にし、どこを樹脂で残すかは、熱の伝わり方だけでなく、あとで裏打ちや調整をしやすいかも考えて決めます。
味の変化を、入れ歯だけのせいにしない
味が分かりにくいという訴えには、入れ歯以外の原因が隠れていることもあります。噛み合わせが合わずにすりつぶせない、口が乾く、お薬の影響などです。いつから、どの味が、入れ歯を外すとどうかを伺い、入れ歯で変えられる部分とそうでない部分を分けてご説明します。
金属床にすると、熱い食べ物の温度も伝わりやすくなります。熱いものは、口に入れる前に温度を確かめるようにしてください。
ご相談の前に、確かめていただきたいこと
温度や味の感じ方は、ご本人にしか分かりません。次のようなことをメモしておいていただくと、原因を分けて考えやすくなります。
- 熱いもの・冷たいもの、どちらが分かりにくいか
- 入れ歯を外して食べると、感じ方が変わるか
- 上の入れ歯と下の入れ歯、どちらを入れたときか
- 口の乾きや、お薬が変わったことはあるか
上あごの覆い方は名古屋で総入れ歯の発音・違和感に悩む方へ|原因と改善策を解説で書いています。床の厚みは薄い入れ歯にしたい方へ|金属床の厚みはどれくらいをご覧ください。
今の入れ歯から替えるかどうかは保険の入れ歯から金属床への作り替え判断で整理しています。費用の違いは金属床義歯の費用相場|コバルトとチタンの違いで書いています。
金属アレルギーがある方は金属アレルギーと入れ歯|チタン床という選択を参考にしてください。向かない方の条件は金属床義歯のデメリットと向かない方で整理しています。
長く使うためには金属床義歯の寿命とお手入れ|長く使うためにをご覧ください。修理は金属床の修理・リベース(裏打ち)はできる?で書いています。
他院で金属床を勧められた方は、以下の記事もご覧ください。
名古屋・伏見で「入れ歯で温度が分からない」を相談するなら
食事が味気ないまま使い続けると、食べる楽しみが減り、食事の量にも影響することがあります。様子見より相談を先にしていただければ、温度の分かりにくさが素材から来ているのか、設計から来ているのかをお伝えできます。
当院での進め方は、今の入れ歯の床の材料と厚み、上あごを覆う範囲、噛み合わせを確認するところからです。そのうえで、調整で改善できる部分と、床の素材や設計を変えて考える部分を分けてご説明します。
地下鉄伏見駅6番出口から徒歩2分です。名古屋市内・愛知県内から通われる方が多くいらっしゃいます。
よくあるご質問
金属床にすると、食事の温度は分かるようになりますか?
金属は樹脂より熱を通しやすく、床も薄く作りやすいため、温度は伝わりやすくなります。ただ、上あごを覆うことによる感じ方の変化は残るため、感じ方には個人差があります。
チタンとコバルトクロムで、温度の伝わり方は違いますか?
測定では、チタンはコバルトクロム合金より熱を通しやすいとされています。ただ、どちらも樹脂よりは熱を通しやすい素材です。強さや重さ、アレルギーの有無と合わせて選びます。
上の入れ歯で味が薄く感じるのは、なぜですか?
上あごを覆うと、温度や食感の感じ方が変わり、味の感じ方に影響すると考えられています。覆う範囲の設計や噛み合わせ、口の乾きも含めて確かめます。
※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。
検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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