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たばこを吸う方の全顎治療|結果に出る差と、できる対策
喫煙のことを伺うのは、責めるためではありません
治療の相談で喫煙のことをお聞きすると、身構えられる方がいらっしゃいます。責めるためにお聞きしているのではありません。設計と進め方が変わるためです。
たばこを吸う方でも、全顎治療は受けられます。ただ、治りの速さ、インプラントの定着、歯ぐきの反応には、実際に差が出ます。これは意志の強さの話ではなく、血の巡りが一時的に落ちるという体の反応の話です。
大切なのは、差があることを前提にして設計することです。やめられる方はやめていただくのが一番ですが、やめられない場合にも、できることはあります。
この記事では、喫煙がどの場面に影響するのか、そして続ける場合に何ができるのかを整理します。
なお、この記事は禁煙をお願いするための記事ではありません。治療の結果に何がどう影響するかを、事実として知っていただくための内容です。そのうえでどうされるかは、ご本人が決めることです。
喫煙が影響する、5つの場面

影響が出やすいのは、次の5つの場面です。
①抜いたあとの治り
何が起きるか:血の巡りが一時的に落ちるため、傷が閉じるまでの時間が長くなります
起こりうること:抜いたあとの痛みが長引く、治りが遅れて次の処置がずれる
できること:抜歯の前後だけでも本数を減らす、または控える。数日でも違いが出ます
②インプラントの定着
何が起きるか:インプラントは、骨とくっつくのを待つ期間があります。この段階で影響が出ます
分かっていること:喫煙されている方では、うまく定着しない割合が高くなることが複数の研究で報告されています
どう扱うか:できないという意味ではありません。リスクが上がることを前提に、経過を丁寧に追います
③歯ぐきの反応
何が起きるか:歯周病の治療をしても、歯ぐきの反応が出にくくなります
分かりにくい点:出血が起きにくくなるため、炎症があっても気づきにくくなります。「血が出ないから健康」とは限りません
できること:検査の間隔を短くして、数値で確認します
④見た目
何が起きるか:歯ぐきの色が沈み、赤みのある自然な色から離れていきます
被せ物との関係:前歯では、歯ぐきの色が仕上がりの印象を左右します。歯だけ白くしても、周りが沈んでいると調和しません
できること:歯ぐきの状態を整えてから、色と形を決めます
⑤着色
何が起きるか:セラミックそのものは着色しにくい材料ですが、被せ物と歯の境目、歯と歯のすき間には色がつきます
起きやすいこと:数年で「そこだけ色が違う」状態になります
できること:メンテナンスの間隔を短くする、清掃しやすい形で作る
①②は治療中の話、③④⑤は治療後の話です。どちらにも、対応の方法があります。
なぜ、血の巡りが関係するのか
傷が治るときも、骨がインプラントとくっつくときも、必要なのは血液が運んでくる材料と酸素です。喫煙後は血管が一時的に細くなり、この供給が落ちます。
だから、治りが遅くなります。体力や年齢の問題ではなく、供給の問題です。逆に言えば、控えている期間は供給が戻るため、期間を区切った禁煙にも意味があります。
やめられない場合に、できること

やめられるなら、時期を区切るだけでも効果があります
完全にやめるのが理想ですが、現実的でない方も多くいらっしゃいます。その場合でも、処置の前後だけ控えるという方法があります。抜歯やインプラントの手術の前後は、治りに直接関わる時期です。
「この期間だけ」と区切ると、実行できる方が増えます。いつからいつまでかは、処置の内容によって変わりますので、その都度お伝えします。
本数を減らすだけでも、意味があります
ゼロか百かではありません。量が減れば、影響も小さくなります。減らせた分は、そのまま結果に反映されます。
設計のほうを、変えられます
清掃しやすい形にする、修理しやすい単位で区切って作る、汚れがたまりやすい構造を避ける。喫煙を続ける前提で設計しておけば、問題が出たときに対処しやすくなります。
メンテナンスの間隔を、短くします
影響が出る場所は決まっています。間隔を短くして早く見つければ、小さいうちに手を打てます。
お伝えするのは、リスクであって、条件ではありません
「やめないなら治療しません」という考え方は取っていません。差が出ることをお伝えしたうえで、その前提で最善の方法を選びます。判断されるのはご本人です。
費用の面から見ても
全顎治療は、費用も時間もかかる治療です。定着しなかったインプラントをやり直す、早くに歯ぐきが下がって作り直す。こうしたことが起きると、負担はさらに大きくなります。
投じたものを守るという意味でも、期間を区切った対応には価値があります。
当院でしていること|名古屋の臨床から
初診で、本数と時期を伺います
責めるためではなく、設計に反映するためです。1日何本か、いつから吸っているか。数字が分かると、リスクの見積もりが具体的になります。
処置ごとに、控えていただきたい期間をお伝えします
「治療中はずっと」ではなく、「この処置の前後の何日間」という形でお伝えします。実行できる形にすることを優先しています。
インプラントの場合は、経過の追い方を変えます
定着を確認する時期を細かく分け、記録を残します。早く気づけば、対応の幅が広がります。
禁煙をすすめることはありますが、条件にはしません
やめられたときは、歯ぐきの反応が変わります。実際の変化を数値でお見せするようにしています。
名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。
まとめ|差があることを前提に、設計します
たばこを吸う方でも、全顎治療は受けられます。ただし、抜いたあとの治り、インプラントの定着、歯ぐきの反応、見た目、着色。この5つには差が出ます。
やめられるのが一番ですが、やめられない場合にもできることがあります。処置の前後だけ控える、本数を減らす、清掃しやすい設計にする、メンテナンスの間隔を短くする。
大事なのは、差があることを前提にして設計しておくことです。知らずに進めるのと、分かったうえで手を打つのとでは、結果が変わります。
よくあるご質問
Q. たばこを吸っているとインプラントはできませんか。
A. できないわけではありません。ただし、定着しない割合が高くなることが報告されています。リスクを理解したうえで進めるか、他の方法を選ぶかをご相談します。
Q. 加熱式や電子たばこなら大丈夫ですか。
A. 紙巻きより影響が小さいという報告はありますが、影響がないわけではありません。判断材料が十分にそろっていない部分もあるため、控えめに見ておくほうが安全です。
Q. 何日前からやめればよいですか。
A. 処置の内容によります。手術を伴う場合は、前後それぞれ数日から数週間をお願いすることがあります。長さは、その都度お伝えします。
Q. 正直に本数を言うと、治療を断られませんか。
A. 断りません。設計に反映するためにお聞きしています。実際より少なく伝えられるほうが、結果的に不利になります。
Q. やめたら、歯ぐきは戻りますか。
A. 色や反応が改善する方は多くいらっしゃいます。ただし、下がってしまった歯ぐきの高さそのものは戻りません。
Q. 家族には吸っていることを知られたくありません。
A. 診療の記録は外部に出しません。ご家族が同席される場面で触れてほしくない場合は、その旨をお伝えください。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン
インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。



