ブログ

  • TOP
  • ブログ
  • 噛めないままでいると、何を諦めることになるか

噛めないままでいると、何を諦めることになるか

痛くない状態が、いちばん長く続きます

痛くはない。困ってはいるけれど、なんとか食べられている。この状態が、いちばん長く続きます。

痛みがあれば人は動きます。噛みにくいだけでは、たいてい後回しになります。

気づかないうちに、食べるものが変わっていきます

噛みにくいものを避ける。柔らかいものを選ぶ。片側だけで噛む。これは意識してやっていることではありません。体が自然にそうしていきます。

その結果、数年かけて食事の中身が入れ替わります。ご本人は「好みが変わった」と感じていることが多いです。

この記事で書くこと

脅すための記事ではありません。今起きていることを、はっきりさせるための記事です。

そのうえで、急ぐものと急がないものを分けます。噛みにくさのすべてが、今すぐ治すべきものではありません。

噛めないままだと、何が起きていくか

噛めない状態が続くと、何が起きていくのか。5つに分けて書きます。

① 食べるものが偏る

何が起きるか:肉、根菜、繊維の多い野菜、硬い果物が減ります。麺類、パン、やわらかいご飯が増えます

何を失うか:たんぱく質と食物繊維が減りやすくなります

気づき方:この1年で食べなくなったものを思い出してみてください。ステーキ、たくあん、りんごの丸かじり。心当たりがあれば、それは好みの変化ではありません

② 片側だけで噛むようになる

何が起きるか:噛みやすい側だけを使い、そちらに負担が集中します

その先:使っている側の歯がすり減る、割れる。使っていない側は汚れがたまりやすくなります

気づき方:ガムを噛むとき、どちらで噛んでいるか意識してみてください

③ 残った歯が減っていく

何が起きるか:失った歯の分を、残った歯が引き受けます。負担が集中した歯から順に悪くなります

速さ:1本失うと次が早くなる、という連鎖が起きます

ここが分かれ目:この連鎖は、放置している期間が長いほど進みます。治療の範囲が広がる、いちばんの理由です

④ 骨が減っていく

何が起きるか:歯を失った場所の骨は、使われないと少しずつ減っていきます

なぜ問題か:あとでインプラントを入れようとしたとき、骨が足りずに、骨をつくる処置が必要になります。費用も期間も増えます

時間の影響:抜いてからの年数が長いほど、減り方は大きくなります。これは戻せません

⑤ 人と食事に行きにくくなる

何が起きるか:食べにくいものが出る店を避ける、会食の誘いを断る、口元を隠して笑う

正直なところ:医学的な話ではありませんが、ご本人にとっていちばん重いのは、ここであることが多いです

よく聞くこと:「孫と同じものが食べられない」。この一言で治療を決められる方がいます

④の骨の話だけは、時間が経つほど選択肢が狭くなります。他の項目と違い、待っても良くなることはありません。

歯が全体的に悪くなっていく流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。

急ぐものと、急がないもの

噛みにくさのすべてが、今すぐ治すべきものではありません。急ぐものと、急がないものを分けます。

急ぐもの

  • 痛み、腫れ、におい、ぐらつき:感染があります。放っておくと、残せた歯まで失います
  • 抜けたまま放置している場所:骨が減っていきます。減った骨は戻りません
  • 片側でしか噛めない状態:使っている側の歯が、順に壊れていきます
  • 体重が落ちてきた:食べられるものが減っている可能性があります

急がないもの

  • 見た目の不満(色、形、すき間)
  • 硬いものが少し噛みにくい、という程度
  • 入れ歯が少し当たる(調整で済むことが多い項目です)

急がないものを急がせる説明には、注意してください。逆に、急ぐものを「様子を見ましょう」で先延ばしにするのも困ります。どちらなのかは、初診のその日にお伝えできます。

「歳だから仕方ない」ではありません

噛めなくなることを、年齢のせいだと受け取っている方が多くいます。ですが、歯を失う原因の多くは年齢そのものではありません。歯周病、噛み合わせ、力、そして治療の積み重ねです。

80代でしっかり噛めている方もいれば、50代で噛めなくなる方もいます。分かれ目は年齢ではありません。

全部を戻す必要はありません

「元どおり」を目指すと、範囲も費用も大きくなります。まず何が食べたいのかを先に決めるほうが、現実的な計画になります。

肉が食べたいのか、人前で気にせず笑いたいのか、旅行先で同じものを食べたいのか。ここが決まると、どこから手をつけるかが決まります。

当院で伺っていること|名古屋の臨床から

当院で、噛めないというご相談を受けたときにしていることを書きます。

「何が食べにくいか」を具体的に伺います

「噛みにくい」だけでは、どこを直せばいいか決まりません。具体的な食べ物で伺います。

  • お肉は噛み切れますか。ステーキか、薄切りか
  • りんごは丸かじりできますか
  • たくあん、するめ、フランスパンはどうですか
  • 左右どちらで噛んでいますか

食べにくいものの種類で、原因が絞れます。噛み切れないのは前歯、すりつぶせないのは奥歯の問題です。

この1年の変化を伺います

「以前は食べていたのに、今は食べなくなったもの」を思い出していただきます。ご本人が困っていると気づいていない変化が、ここで出てきます。

ゴールを先に決めます

全部を戻すのではなく、「これが食べられるようになりたい」を1つか2つ決めてから、計画を組みます。そこに必要な範囲だけを治す、という進め方ができます。

結果として、想像より小さな範囲で済むことがあります。

骨の状態は、その日に確認します

抜けたまま放置している場所があれば、CTで骨の量を確認します。今なら普通に入れられるのか、骨をつくる処置が必要な段階なのか。これは時間とともに変わるため、早く知っておく価値があります。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

まとめ|何が食べたいかから決める|よくあるご質問

要点は3つです。

第一に、食べるものは知らないうちに変わっています。好みが変わったのではなく、噛みにくいものを避けているだけ、ということがあります。この1年で食べなくなったものを思い出してみてください。

第二に、骨だけは待っても良くなりません。抜けたまま放置した場所の骨は減り続けます。減った分は戻らず、あとの選択肢が狭くなります。

第三に、全部を戻す必要はありません。「これが食べられるようになりたい」を先に決めると、必要な範囲が絞れます。想像より小さく済むことがあります。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

費用がかさむときの進め方は、以下の記事にまとめています。

治療の順番については、以下の記事をご覧ください。

よくあるご質問

Q1. 痛くないのですが、行ったほうがいいですか。
痛みは、行くべきかどうかの目安になりません。抜けたまま放置している場所がある、片側でしか噛んでいない、この1年で食べなくなったものがある。どれかに当てはまるなら、一度見せてください。

Q2. 歳だから、噛めなくなるのは仕方ないのでは。
年齢そのものが原因ではありません。80代でしっかり噛めている方もいます。原因は歯周病、噛み合わせ、力、治療の積み重ねです。

Q3. 抜けたまま何年も経っています。もう手遅れですか。
手遅れということは、ほとんどありません。ただし骨は減っていきます。骨をつくる処置が必要になるかどうかは、CTで確認できます。早く知っておくほど、選択肢が残ります。

Q4. 全部治さないといけませんか。
いいえ。「これが食べられるようになりたい」を先に決めれば、必要な範囲を絞れます。全部を元どおりにすることが目的ではありません。

Q5. 入れ歯では噛めませんか。
設計と調整次第です。しっかり噛める入れ歯もあります。インプラントと組み合わせて安定させる方法もあります。何を食べたいかによって、向く方法が変わります。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

CONSULTATION 無料相談・セカンドオピニオン

インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。