顎が鳴る・口が開きにくい方の全顎治療|先に確認しておくこと

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顎が鳴る・口が開きにくい方の全顎治療|先に確認しておくこと

顎の症状があっても、全顎治療は受けられます

「口を開けると顎が鳴ります」「大きく開けると痛みます」。全顎治療のご相談で、途中から出てくることの多いお話です。ご自身では、治療とは別のことだと思われている方がほとんどです。

ただ、顎の関節と噛み合わせは、つながっています。関節に症状がある状態で噛み合わせを大きく変えると、症状が強くなることがあります。逆に、噛み合わせが原因で関節に負担がかかっていることもあります。

大切なのは、治療ができるかどうかではなく、順番です。顎の症状がある方でも、全顎治療は受けられます。ただし、先に確認しておくことと、進め方の工夫があります。

この記事では、顎に症状がある方が全顎治療を考えるときに、何を先に確認すればよいかを整理します。なお、強い痛みや、口がほとんど開かない状態が続いている場合は、まず専門的な診察を受けてください。

なお、顎の関節に強い痛みがある、口がほとんど開かない、突然開かなくなったという場合は、歯を治す前にその症状の診察が先です。この記事は、日常生活は送れているが、音や違和感がある方を想定しています。

顎の症状がある方で、先に確認する5つのこと

顎の症状といっても、内容はさまざまです。次の5つを確認すると、進め方の見当がつきます。

①音が鳴るだけか、痛みがあるか

どう違うか:開け閉めのときにカクッと音がするだけの状態と、痛みや引っかかりを伴う状態では、意味が変わります

音だけの場合:日常生活に支障がなければ、そのまま全顎治療を進められることが多くあります

痛みがある場合:噛み合わせを変える前に、まず落ち着かせることを優先します

②口がどこまで開くか

目安:ご自身の指を縦にして、2本分が入るかどうかが一つの目安です

届かない場合:奥歯の治療で長時間開けていることが負担になります。1回の時間を短く区切る、途中で休みを入れるなどの組み方に変えます

お伝えいただきたいこと:途中で顎がつらくなったら、遠慮なくおっしゃってください。姿勢と器具の当て方で変えられます

③朝と夕方で、症状が違うか

朝がつらい場合:寝ている間の食いしばりや歯ぎしりが関係している可能性があります

夕方につらくなる場合:日中の噛みしめや、片側でばかり噛む習慣が関係していることがあります

なぜ分けるか:原因の見当がつくと、対応する順番が変わります

④左右どちらで噛んでいるか

何を見ているか:無意識に食べているとき、いつも同じ側で噛んでいないかどうか

なぜ大事か:片側に偏ると、関節にかかる力も偏ります。抜けた歯やしみる歯があると、無意識にその側を避けます

全顎治療との関係:両側で噛める状態に戻すことが、関節の負担を減らすことにつながります

⑤症状が出始めた時期と、歯の治療の時期が重なるか

確認したいこと:被せ物を入れた頃から、あるいは歯を抜いた頃から始まっていないか

考えられること:噛み合わせの高さが変わったことをきっかけに、関節の位置関係が変わっている可能性があります

分かること:この場合は、噛み合わせを整えることで改善が見込めることがあります

これらは診察でも確認しますが、事前に思い出しておいていただけると、話が早く進みます。

なぜ、噛み合わせと顎の関節がつながるのか

下あごは、骨に固定されているわけではありません。関節と筋肉で吊られていて、歯が当たる位置によって、収まる場所が決まります。

つまり、噛み合わせを変えるということは、下あごの収まる位置を変えるということです。だから、関節に症状がある方の全顎治療では、慎重に進める必要があります。

逆に言えば、収まりの悪い位置で長く噛んできた方は、位置を整えることで楽になることがあります。どちらに転ぶかは、実際に仮歯で試してみないと分かりません。だからこそ、仮歯の期間が要になります。

こういうご相談があります

きっかけ:奥歯を数本失ったまま数年経ち、片側でばかり噛んでいた

症状:噛む側の顎が、夕方になると重くなる

考えられること:支えを失った側に下あごが寄り、関節への当たり方が偏っている可能性があります

進め方:まず支えを戻し、仮歯の段階で症状の変化を数ヶ月確認してから、最終的な歯に進みます

全顎治療で、顎の負担をどう減らすか

症状が強いときは、先に落ち着かせます

痛みがある、口が開きにくいという状態のまま噛み合わせを大きく変えると、どこまでが治療の影響で、どこまでが元の症状か分からなくなります。まず落ち着かせてから、噛み合わせに手をつけるほうが確実です。

仮歯の期間で、必ず確かめます

顎に症状がある方の全顎治療で、いちばん大事なのが仮歯の期間です。新しい高さと形で数ヶ月過ごしていただき、顎の症状が悪くならないことを確認してから、最終的な歯に進みます。

仮歯なら、高さも形も何度でも変えられます。最終的な歯にしてから合わなかった場合、やり直しの負担はまったく違います。

「治せます」とは言いません

噛み合わせを整えることで顎の症状が楽になる方はいらっしゃいます。一方で、関節そのものの変化や、生活の中の力の使い方が関係している場合もあり、歯の治療だけで解決するとは限りません。

歯の治療で改善が見込める部分と、そうでない部分を分けてお伝えします。「全部治ります」という説明があった場合は、根拠を聞いてよい部分です。

治療の姿勢と時間を、組み替えられます

長時間の開口がつらい方には、1回の時間を短くする、休憩を入れる、片側ずつ進めるといった方法があります。最初に伺っておけば、予定に組み込めます。

ご自身でできることもあります

①上下の歯を、日中は離しておく。安静時、上下の歯は本来触れていません。日中の噛みしめは、意識するだけで減らせます。

②大きく開けない。あくびや、大きな食べ物を丸ごと噛むときに注意します。

③片側噛みを減らす。ただし、噛めない側があるなら、それは治療で解決する部分です。

当院でしていること|名古屋の臨床から

顎の状態を、治療前に記録します

開く範囲、音の有無、痛みの場所。治療前の状態を記録しておくと、あとで変化が分かります。比べられる記録がないと、良くなったのか変わっていないのかも判断できません。

仮歯の期間を、短くしません

顎に症状がある方の場合、仮歯で様子を見る期間を通常より長めにとることがあります。急いで最終的な歯にしないほうが、結果として早く終わります。

1回の長さと姿勢を、ご相談して決めます

顎がつらくなるまでの時間には個人差があります。無理のない範囲を先に伺い、その中で組みます。

必要なときは、専門的な診察をご案内します

関節そのものの状態を詳しく調べたほうがよい場合は、その旨をお伝えします。歯の治療の中だけで抱え込むことはしません。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

まとめ|できるかどうかではなく、順番の問題です

顎に症状があっても、全顎治療は受けられます。大切なのは、できるかどうかではなく順番です。

音だけなのか痛みがあるのか、口がどこまで開くか、いつつらくなるか、どちらで噛んでいるか、症状が出た時期と歯の治療の時期が重なるか。この5つで、進め方の見当がつきます。

そして、仮歯の期間が要になります。新しい高さで数ヶ月過ごし、症状が悪くならないことを確かめてから最終的な歯に進む。この手順を省かないことが、いちばんの安全策です。

よくあるご質問

Q. 顎が鳴るだけですが、治療は受けられますか。

A. 音だけで痛みがなく、開け閉めに支障がなければ、進められることが多いです。治療前の状態を記録しておき、経過を見ながら進めます。

Q. 噛み合わせを治せば、顎の症状は治りますか。

A. 楽になる方はいらっしゃいますが、必ずではありません。関節そのものの変化や、日中の噛みしめが関係していることもあります。改善が見込める部分と、そうでない部分を分けてご説明します。

Q. 治療中に顎が痛くなったら、どうなりますか。

A. その時点でいったん止めて、原因を確認します。仮歯の段階であれば、高さや形を変えて対応できます。

Q. 長時間口を開けているのがつらいです。

A. 1回の時間を短くする、休憩を入れる、片側ずつ進めるといった組み方ができます。最初におっしゃってください。

Q. マウスピースは作ったほうがよいですか。

A. 夜間の力が関係している場合には、有効なことがあります。ただし、全員に必要なわけではありません。症状の出方を見てから判断します。

Q. 顎の症状があると、費用は高くなりますか。

A. 顎の症状があることを理由に費用が変わることはありません。仮歯の期間が長くなる場合、その分の調整回数は増えます。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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