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噛み合わせと肩こり・頭痛|関係があるとき、ないとき

「治せば治りますか」というご質問について

「噛み合わせを治せば、肩こりや頭痛が治りますか」。全顎治療のご相談で、よく出てくるご質問です。

正直にお答えします。関係していることもありますし、していないこともあります。そして、関係していたとしても、噛み合わせを整えれば必ず消えるとは限りません。

噛む筋肉は、こめかみから頬、首の横にかけて広がっています。ここに強い力がかかり続ければ、筋肉は疲れます。その疲れが、頭の重さや肩のこりとして感じられることはあります。ここまでは、体の構造として説明のつく話です。

一方で、肩こりや頭痛の原因は、姿勢、目の疲れ、睡眠、ストレス、内科的なことなど、たくさんあります。歯だけが原因ということは、多くありません。

この記事では、噛み合わせとの関係を疑ってよいサインと、歯科でできること・できないことを分けて説明します。「治ります」とは書きません。そのかわり、判断の材料をお渡しします。

関係を疑ってよい、5つのサイン

次のようなサインがあるとき、噛み合わせや噛む力が関係している可能性があります。

①朝がいちばんつらい

どういうことか:起きた直後に強く、日中に軽くなっていく。このパターンです

考えられること:寝ている間の食いしばりや歯ぎしりで、噛む筋肉が休めていない可能性があります

確認のしかた:起床時と夕方で、つらさの程度を1週間ほど記録してみてください。傾向がはっきりします

②片側にだけ出る

どういうことか:いつも同じ側のこめかみ、頬、肩に出る

考えられること:噛む側が偏っていると、その側の筋肉ばかりが使われます。反対側に噛めない歯があることが原因のこともあります

確認のしかた:食事のとき、どちら側で噛んでいるか意識してみてください

③歯の治療のあとから始まった

どういうことか:被せ物を入れた頃、あるいは歯を抜いた頃から出るようになった

考えられること:噛み合わせの高さや当たり方が変わったことで、力の配分が変わった可能性があります

この場合:歯科側で対応できる可能性が比較的高い部類です。時期が一致するかどうかは、重要な手がかりです

④歯にすり減りや欠けがある

どういうことか:前歯の先が平らになっている、奥歯の山が消えている、被せ物が欠ける

考えられること:強い力が実際にかかっている証拠です。歯に出ているなら、筋肉にも負担がかかっています

この場合:力そのものへの対策が必要です

⑤噛む筋肉を押すと痛い

どういうことか:こめかみや頬のあたりを指で押すと、痛みや張りを感じる

考えられること:噛む筋肉が疲れています

注意点:これは目安であって、診断ではありません。強い痛みが続く場合は、医科の受診も検討してください

当てはまるものが多いほど、噛み合わせや噛む力が関係している可能性は上がります。ただし、当てはまっても、それが唯一の原因とは限りません。

なぜ、噛む力がそれほど大きいのか

食事のときに使う力より、無意識の食いしばりのほうが強く、長く続くことがあります。食事は1回数十分ですが、夜間の食いしばりは何時間も続きます。

しかも、寝ている間は加減が効きません。日中なら「痛いからやめる」ができますが、睡眠中はそれがありません。噛む筋肉が休めないまま朝を迎えることになります。

朝がいちばんつらいというパターンに意味があるのは、このためです。

歯科でできること、できないこと

歯科でできること

①噛み合わせの当たり方を整える。特定の歯だけが強く当たっている場合、調整で力の配分が変わります。

②夜間の力を逃がす装置を作る。寝ている間の力を歯と筋肉から逃がします。

③噛めない場所を治す。片側でしか噛めない状態を解消すると、力の偏りが減ります。

歯科でできないこと

肩こりや頭痛そのものを治すとは、お約束できません。噛み合わせを整えて楽になった方はいらっしゃいますが、変わらなかった方もいらっしゃいます。

「噛み合わせを治せば頭痛が治ります」と断定する説明を受けた場合は、その根拠を聞いてよい部分です。大きな治療を、症状の改善を条件に始めるのは、おすすめしません。

先に医科を受診したほうがよい場合

頭痛が急に始まった、これまでにない強さである、しびれや吐き気を伴う、日ごとに悪化している。こうした場合は、歯の相談より先に医科を受診してください。歯科で時間を使っている間に、必要な診察が遅れることは避けたいためです。

試してから決める、という順番があります

いきなり全体を治すのではなく、まず装置で夜間の力を逃がしてみる、噛み合わせを部分的に調整してみる。それで変化があるかを見てから、大きな治療を判断する。この順番なら、費用をかける前に見当がつきます。

記録のつけ方

難しいものでなくて構いません。日付、朝の状態(0〜3の4段階)、夕方の状態、その日の出来事。これだけを2週間つけると、傾向が見えます。「なんとなくつらい」が「朝に強い」に変わるだけで、判断材料になります。

当院でしていること|名古屋の臨床から

症状の記録をお願いしています

いつ、どこが、どの程度つらいか。1〜2週間の記録があると、噛み合わせとの関係が見えやすくなります。朝と夕方で違うかどうかが、とくに重要です。

「治ります」とは言いません

関係している可能性がある部分と、そうでない部分を分けてお伝えします。噛み合わせの治療で改善が見込める範囲を、正直にお話しします。

小さい方法から試します

装置や部分的な調整で様子を見て、変化があるかを確認します。症状を理由に、いきなり全体の治療をおすすめすることはしません。

医科の受診をおすすめすることもあります

歯科の範囲ではないと判断した場合は、そうお伝えします。歯の治療の中で抱え込むことはしません。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

まとめ|小さい方法から試す順番があります

噛み合わせと肩こり・頭痛は、関係していることもあれば、していないこともあります。噛む筋肉に負担がかかれば疲れる、というところまでは説明がつきます。ただし、原因が一つとは限りません。

関係を疑ってよいサインは、朝がつらい、片側だけ、歯の治療のあとから始まった、歯にすり減りがある、噛む筋肉を押すと痛い。この5つです。

そして、いきなり大きな治療をする必要はありません。装置や部分的な調整で変化を見てから判断する、という順番があります。

よくあるご質問

Q. 噛み合わせを治せば、肩こりは治りますか。

A. 楽になる方はいらっしゃいますが、お約束はできません。改善が見込める部分と、そうでない部分を分けてご説明します。

Q. 全顎治療をすれば、体の不調も良くなりますか。

A. 体調の改善を目的に全顎治療をおすすめすることはしません。噛めるようになることの効果は説明できますが、それ以上のことは約束できません。

Q. まず何から試せますか。

A. 夜間の力を逃がす装置と、当たり方の調整です。費用も期間も限られており、変化があるかどうかの目安になります。

Q. 整体では「噛み合わせのせい」と言われました。

A. その可能性はありますが、歯科の側から見て根拠があるかを確認したうえで判断してください。歯にすり減りがあるか、片側で噛んでいるかなど、見て分かる手がかりがあります。

Q. 装置をつけると、悪化することはありますか。

A. 合っていない装置では、かえって負担が増えることがあります。作ったあとの調整と経過の確認が必要です。

Q. 全部の歯を治したら、体のバランスが整うと言われました。

A. そうした説明を受けることがあるかもしれませんが、根拠を確認したうえで判断してください。噛めるようになることの効果は説明できますが、それを超える効果を約束する説明には慎重であってよいと思います。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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