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入れ歯安定剤に頼らない入れ歯にするには

安定剤が要るのは、隙間があるからです

結論から言うと、入れ歯安定剤が要るのは入れ歯と歯ぐきの間に隙間があるからです。安定剤はその隙間を一時的に埋めているだけで、隙間そのものは残っています。

安定剤を使うことが悪いのではありません。ただ、「安定剤がないと使えない」状態は、入れ歯が何かを伝えているサインです。名古屋でご相談を受けるときも、まず「1日にどのくらい使いますか」からお聞きします。

この記事で分かること。

  • 安定剤が要る状態が、何を意味しているか
  • 安定剤を毎日使い続けることの、確認されている問題
  • 安定剤なしに戻すための、4段階の処置

入れ歯治療の全体像は、以下のページにまとめています。

まず、使い方で分けてください

使い方 意味
作ってすぐ・外出時だけ 一時的な範囲
毎日使う・量が増えた 隙間が広がっている
重ね塗り・粘膜が赤い 早めの相談を

入れ歯が外れる・浮く原因の構造は入れ歯が外れる・浮き上がる原因と安定させる方法で整理しています。

痛みが先にある方は入れ歯が痛いときの原因別対処法|当たる場所で分かることをご覧ください。

使い続けることの問題は、確認されています

安定剤を使う方は少なくありません。北海道大学の報告では、入れ歯を使う方の約3割が安定剤を使用しています。種類は粘着タイプが7割、クッションタイプ(ホームリライナー)が3割です。

同じ報告に、使い続けることの問題が3つ書かれています。

残る・たまる・隠す

1つ目は残留です。クリームタイプは粘膜への付着性が高く、塗布量を守っていても歯ぐきに残ることがあり、除去に相当な時間を要することもあるとされています。

2つ目は衛生です。残った安定剤は口の中の微生物のたまり場になります。古い安定剤の上に重ねて使うことは衛生上大きな問題で、義歯性口内炎や誤嚥性肺炎のリスクを助長するとされています。

3つ目は隠すことです。報告の言葉を借りると、治療が必要な入れ歯をそのままにして口腔内の状況を悪化させてしまう恐れがある、とあります。

問題 起きること
残留 歯ぐきに残り、除去に時間
衛生 微生物のたまり場になる
隠す 必要な治療が遅れる

3つ目が、この記事でいちばん伝えたいことです。安定剤で使えてしまうために、隙間が広がっていることに気づかないまま時間が過ぎます。

学会のガイドラインにも、同じ趣旨の記述があります。顎の骨のやせや噛み合わせの変化は無症状で患者自身が気づかないうちに進行する。だから定期的に検診することが望ましい、という内容です。

クッションタイプは、噛み合わせも変えます

クッションタイプは、内面に厚みが乗ります。厚みの分だけ、上下の入れ歯が当たる高さが変わります。

隙間を埋めるつもりで、噛み合わせの位置をずらしている。これがクッションタイプを長く使う方に起きやすいことです。しかも厚みは毎回同じではないので、噛み合わせの高さが日によって変わります。身体はそのたびに合わせようとし、顎の筋肉に負担がかかります。

安定剤なしに戻す道は、4段階あります

安定剤が要らなくなるには、隙間を埋める処置が要ります。処置は4段階に分かれ、内面だけの問題か、噛み合わせの問題かで決まります。

隙間の状態 処置
一点が当たり、浮く 調整
内面全体が合わない 裏打ち(リライン)
噛み合わせもずれている 作り直し
骨がやせて支えがない 固定(インプラント等)

入れ歯安定剤を要らなくする4段階の処置|名古屋エデンデンタルオフィス

図:隙間を埋める4段階。内面だけの問題なら調整・裏打ち、噛み合わせや支えの問題なら作り直し・固定です

線引きの根拠は、日本補綴歯科学会の「リラインとリベースの臨床指針2023」です。内面を貼り替える処置の適応は、噛み合わせの関係が適切で、内面の適合だけが悪い場合とされています。

つまり、噛み合わせまでずれていれば、裏打ちでは届きません。クッションタイプを長く使った方が、ここに当たることがあります。

見分けるには、安定剤を落とした状態で入れ歯を入れ、噛んでいただきます。内面だけが浮くのか、噛んだときに全体がずれるのかで、段階が変わります。

調整で何をするか、どこまで届くかは入れ歯の調整では何をする?回数・期間・調整の限界にまとめています。

固定という選択肢は、入れ歯をインプラントで留める方法です。総入れ歯で骨がやせている方には、隙間を埋めるのではなく支えを作るという考え方になります。

安定剤で押さえても噛めない、という方は入れ歯で噛めない・力が入らない原因の切り分け|慣れか、設計かもあわせてご覧ください。

私は、安定剤を「やめさせる」のではなく「要らなくする」と考えています

安定剤をお使いの方に、私は「やめてください」とは言いません。隙間があるうちにやめれば、外れるだけだからです。

代わりに、1日にどのくらい使うかをお聞きします。量と頻度が、隙間の大きさの目安になります。毎日、量が増えている方は、隙間が広がっています。

クッションタイプの方は、噛み合わせから見直します。技工を自分の手で行ってきたので、内面に厚みが乗ると噛み合わせの高さが変わることを、手で知っています。

そのうえで、4段階のどれに当たるかをお伝えします。調整で済む方もいれば、作り直しから始めたほうが早い方もいます。

ただし、一概にダメとは言えません。顎の骨がやせて、入れ歯を載せる土手(顎堤)がほとんど残っていない方は、どれだけ内面を合わせても、物理的に支えが足りないことがあります。

こうした方には、入れ歯の手入れがきちんとできることを前提に、安定剤を使う選択肢もお伝えしています。毎日安定剤を落として入れ歯と歯ぐきを洗い、古い安定剤の上に重ねない。それが守れるなら、安定剤は隙間を隠すものではなく、足りない支えを補うものとして働きます。固定(インプラント)を選ばない場合の、現実的な使い方です。

我慢して使い続けた場合に何が起きるかは合わない入れ歯を我慢し続けるとどうなるかにまとめました。

総入れ歯で安定剤が手放せない方は、原因の出方に固有の傾向があります。

名古屋・伏見で「入れ歯安定剤をやめたい」を相談するなら

安定剤が毎日必要になっている方は、様子見より相談を先にしてください。安定剤で使えている間は、隙間の広がりに気づきにくいからです。

当院での進め方は、安定剤を落とした状態で入れ歯を入れていただき、どこに隙間があるか、噛み合わせはずれていないかを見ます。そのうえで、調整・裏打ち・作り直し・固定のどれに当たるかをご説明します。

地下鉄伏見駅6番出口から徒歩2分です。名古屋市内・愛知県内から通われる方が多くいらっしゃいます。

他院で作った入れ歯についてのご相談も承っています。

あわせて読まれています。

入れ歯安定剤の使い方で見る相談の目安|名古屋エデンデンタルオフィス

図:相談の目安。毎日使う・量が増えた、が隙間の広がりのサインです

よくあるご質問

入れ歯安定剤は使わない方がいいですか?

一時的に使うこと自体は問題ではありません。ただし、毎日必要な状態は隙間があるサインです。残留・衛生・必要な治療が遅れるという3つの問題が報告されています。安定剤が要る理由を先に確認してください。例外は、顎の骨がやせて土手(顎堤)がほとんど残っていない方です。入れ歯の手入れがきちんとできていれば、安定剤を使うことは選択肢のひとつです。

安定剤のいらない入れ歯はありますか?

隙間がなければ、安定剤は要りません。調整・裏打ち・作り直し・固定のどれかで隙間を埋めることが、安定剤のいらない入れ歯への道です。どれに当たるかは、内面だけの問題か噛み合わせの問題かで決まります。

入れ歯安定剤の代わりになるものはありますか?

代わりの製品を探すより、隙間を埋める処置が先です。内面だけの問題なら裏打ち、噛み合わせもずれていれば作り直し、骨がやせて支えがなければインプラントで固定する方法があります。

※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。

検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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