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入れ歯で噛めない・力が入らない原因の切り分け|慣れか、設計か
噛めない原因は、「慣れ」と「設計」の2つに分かれます
結論から言うと、入れ歯で噛めない原因は慣れで変わるものと、設計で決まっているものの2つに分かれます。どちらかで、待つべきか直すべきかが変わります。
「慣れれば噛めるようになりますよ」と言われて、ずっと待っている方がいらっしゃいます。名古屋でご相談を受けるときも、まずこの2つを分けるところから始めます。
この記事で分かること。
- 慣れで変わる範囲と、設計で決まる範囲の見分け方
- 噛めないときに、入れ歯のどこで力が逃げているか
- 「合っています」と言われても噛めない理由
入れ歯治療の全体像は、以下のページにまとめています。
まず、この3つで分けてください
| 起きていること | 慣れか設計か |
|---|---|
| 入れて数週間・柔らかい物は噛める | 慣れの範囲 |
| 片側でしか噛めない | 設計の側 |
| 力を入れると沈む・滑る | 設計の側 |
痛くて噛めないなら、原因は別です。入れ歯が痛いときの原因別対処法|当たる場所で分かることをご覧ください。
動いて噛めないなら、これも別です。入れ歯が外れる・浮き上がる原因と安定させる方法で整理しています。
この記事が扱うのは、痛くもなく外れもしないのに、噛めないという状態です。
「合っています」と言われても噛めない理由
上下の総入れ歯を新しく作った40名を追った研究があります。装着の前後で、歯科医師の評価と患者さんの評価には関連性も一致性も認められなかったという報告です。
つまり、医師が「よく合っている」と判断した入れ歯でも、患者さんが「噛めない」と感じることは珍しくありません。どちらかが間違っているのではなく、見ているものが違います。
同じ研究では、もうひとつ興味深い傾向が出ています。前の入れ歯の評価が高い人ほど、新しい入れ歯の評価が下がりやすい(p<0.01)というものです。
長く使って身体が覚えた入れ歯から替えると、最初は「前のほうがよかった」と感じやすい。これは新しい入れ歯が悪いとは限りません。ここが「慣れ」の正体です。
噛む力がどこへ逃げているか
一方で、時間がたっても変わらないものがあります。噛む力が入れ歯のどこかで逃げている場合です。
力を入れたときに沈むなら、支える面の設計です。傾くなら、左右のバランスです。滑るなら、人工歯の噛み合わせの様式です。
このどれかが起きていると、慣れでは埋まりません。数週間たっても片側でしか噛めない方は、こちらに当たることが多くあります。

図:噛む力の逃げ先。沈む・傾く・滑るのどれかで、調整で済むか設計から見直すかが分かれます
3つの逃げ方は、直し方も違います。
| 力の逃げ方 | 見直す場所 |
|---|---|
| 沈む | 歯ぐきに当たる面の広さ |
| 傾く | 左右の支えの位置 |
| 滑る | 人工歯の噛み合わせ |
沈む・傾くは、調整で改善する余地があります。滑るは人工歯の並びそのものなので、調整だけでは届かないことがあります。ここが、調整で済むか作り直しかの分かれ目です。
人工歯の「噛み合わせ方」で、噛めるものが変わります
入れ歯の人工歯には、噛み合わせの様式があります。日本補綴歯科学会の資料に、様式による差の報告があります。
リンガライズドオクルージョンという様式があります。上の歯の内側の山だけで噛み合わせる並べ方です。
従来型の様式と比べた報告では、食品を砕く力が高く、硬い食品でより高い咀嚼値を示したとされています。
噛む動きも、速くなめらかになり、被験者の評価も「より食べやすい」というものでした。
つまり「入れ歯だから硬い物は無理」ではありません。人工歯をどう並べるかで、噛めるものの範囲が変わります。ここは慣れではなく、設計で決まる部分です。
支えている歯の数も関わっています
部分入れ歯90床を約5年追跡した研究では、使い続けられるかどうかに噛み合っている歯の数が有意に関連していました。
噛む相手がある歯が少ないと、力を受ける場所が偏ります。この場合も、慣れで解決する話ではありません。
学会のガイドラインには「義歯調整は有効か」「新義歯の順応期間は」という項目があります。調整も慣れも治療の一部です。ただし、どちらで解決する状態かを先に分ける必要があります。
「慣れる」を待っている間に、噛む相手の歯が傾いたり、片側だけで噛む癖が固まったりすることがあります。待つのは、慣れの範囲だと分かってからにしてください。
滑る・ずれるが原因なら、固定するという選択肢があります
力の逃げ先が「滑る」「傾く」で、入れ歯そのものが動いてしまう方には、インプラントで入れ歯を固定する方法があります。インプラントオーバーデンチャーと呼びます。
顎の骨に埋めたインプラントに入れ歯を留めるので、噛んだときに入れ歯が滑ったり、ずれたりする動きが抑えられます。歯ぐきの上に乗せるだけの入れ歯とは、支え方の仕組みが違います。
総入れ歯で、慣れでも調整でも噛めない状態が続いている方に、検討していただくことが多い方法です。適応には骨の状態や全身の条件があるため、拝見したうえでご説明します。
安定剤で押さえて噛んでいる方は、入れ歯安定剤に頼らない入れ歯にするにはもあわせてご覧ください。
私は「噛めない」と聞いたら、まず力の逃げ先を見ます
噛めないというご相談で、私が最初に見るのは入れ歯の形ではありません。噛んだときに、力がどこへ逃げているかです。
実際に噛んでいただき、沈むのか、傾くのか、滑るのかを見ます。これで慣れの問題か設計の問題かの見当がつきます。
技工を自分の手で行ってきたので、人工歯の並べ方を変えると噛み方そのものが変わることを手で知っています。並べ方は、あとから直せる範囲と直せない範囲があります。
そして、私は「噛めていますか」と毎回言葉で聞きます。先ほどの研究のとおり、こちらの見立てと患者さんの感じ方は別物だからです。
調整で変わる範囲かどうかは入れ歯の調整では何をする?回数・期間・調整の限界で整理しています。
我慢して使い続けた場合に何が起きるかは合わない入れ歯を我慢し続けるとどうなるかにまとめました。
総入れ歯で噛めない場合は、原因の出方に固有の傾向があります。
名古屋・伏見で「入れ歯で噛めない」を相談するなら
食べられる物が減っていくと、身体にも影響が出ます。様子見より相談を先にしていただければ、慣れで済むかどうかをその場でお伝えできます。
当院での進め方は、入れ歯を入れたまま実際に噛んでいただき、力の逃げ先を確認するところからです。そのうえで、調整で変わる範囲か、設計から見直す範囲かを分けてご説明します。
地下鉄伏見駅6番出口から徒歩2分です。名古屋市内・愛知県内から通われる方が多くいらっしゃいます。
他院で作った入れ歯についてのご相談も承っています。
あわせて読まれています。
- 入れ歯で口元が老けて見える?原因と設計での対処……見た目の変化が気になる方へ
- 嘔吐反射がつらい方の型取り・入れ歯設計の工夫……型取りがつらい方へ

図:相談の目安。「慣れ」で待ってよいのは1つ目だけです
よくあるご質問
入れ歯で噛めないのはなぜですか?
慣れの途中である場合と、設計で力が逃げている場合があります。前者は入れて数週間で柔らかい物は噛める状態、後者は時間がたっても片側でしか噛めない、力を入れると沈む・滑る状態です。どちらに当たるかで、待つべきか直すべきかが変わります。
入れ歯に慣れるまでどのくらいかかりますか?
日数の目安を示す一次情報は確認できていません。ただ、前の入れ歯の評価が高かった人ほど新しい入れ歯の評価が下がりやすいという報告があります。「前のほうがよかった」と感じる時期は、慣れの範囲であることが多くあります。数週間たっても変わらない場合はご相談ください。
入れ歯で硬いものは食べられますか?
人工歯の噛み合わせの様式によって、硬い食品の噛みやすさが変わるという報告があります。「入れ歯だから無理」とは限りません。ただし、支えている歯の数や噛み合わせの状態で範囲は変わります。実際に拝見したうえでお伝えします。
※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。
検査・診断のうえ、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明します。
監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)
院長 村井亮介
名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。
経歴
- 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
- 大手歯科医療法人勤務
- インディアナ大学歯学部補綴科卒業
資格
- 米国補綴専門医
所属学会
- 日本補綴歯科学会
- ACP american academy of prosthodontics member
- ITI international team
for implantology 会員 - AO academy of
osseointegration 会員
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インプラントをはじめ、審美補綴や義歯などの外科的治療に関するご相談を承っております。その他の治療内容についてもお気軽にお問い合わせ下さい。



