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歯科恐怖症セルフチェックと最初の一歩

名古屋で歯科恐怖症のセルフチェックを考えている方へ

歯科への怖さは、研究の世界では点数で測られています。よく使われる質問票は5問しかなく、19点以上が強い不安の目安とされています。名古屋で歯科恐怖症のセルフチェックを探している方に先にお伝えしたいのは、この点数が診断ではないということです。この記事では、何をどう測るのか、点数が高かったとき低かったときに何が言えるのか、そして最初の一歩をどこに置くかを整理します。

この記事でわかること

  • 怖さの強さは5問の質問票で点数にでき、19点以上が一つの目安とされています
  • 英国の1万人規模の調査では、19点以上の人が11.6%いました
  • 点数は強さを教えますが、原因も次にすることも教えてくれません
  • 点数が低くても足が向かないことがあり、その場合は別の理由を探します

歯科が怖いという感覚は、強さに幅があります。少し気が重い程度の方から、予約の電話の前で手が止まる方まで、同じ言葉の中に入っています。この幅を扱うために、研究では点数が使われてきました。

5つの場面ごとに、1から5で答えます

代表的な質問票がMDAS(修正版歯科不安尺度)です。開発したのはHumphris GM, Morrison T, Lindsay SJEら(1995年、Community Dental Health)です。5つの場面を挙げ、それぞれに「まったく不安でない」から「極度に不安」までの5段階で答えます。

尋ねられる場面は次の5つです。明日、歯科で治療を受けるとしたら。待合室で自分の番を待っているとき。これから歯を削られるというとき。これから歯石を取ってもらうというとき。これから麻酔の注射をされるというとき。合計は5点から25点の範囲に収まります。

19点以上が、とくに強い不安の目安とされています。ただし開発者側の解説には、これは連続体であって診断の境界ではないと明記されています。この点は後でもう一度触れます。

19点以上の人は、11.6%いました

英国の成人11,382人を調べた調査があります(Humphris G, Crawford JR, Hill K, Gilbert A, Freeman R、2013年、BMC Oral Health)。平均は10.65点、標準偏差は5.55でした。19点以上だった人は11.6%です。

別の1,000人調査でも、19点以上は11.6%で一致していました(Humphris G, Dyer TA, Robinson PG、2009年、BMC Oral Health)。この調査では、19点以上が女性で約15%、男性で約8%と報告されています。

10人に1人以上という割合です。強い怖さを抱えている状態は、例外的な事態ではありません。待合室に座っている10人のうち1人か2人は、同じ範囲に入っている計算になります。

ご家族に同席してもらうという受け方も、そのくらいありふれた選択肢として使われています。

一人で行くと決めなくてよい、という前提を先に持っておくだけで、予約の重さは変わります。

「先延ばし癖」とは別のものだと報告されています

ここは大事な点なので、数字を挙げておきます。成人164人にインターネットで尋ねた調査があります(Steinvik LM, Svartdal F, Johnsen J-AK、2023年、Dentistry Journal)。歯科受診を先延ばしすることがある人は39.6%でした。

この研究では、一般的な先延ばし癖の強さと、歯科受診の遅れとのあいだに有意な関連は見られませんでした。一方で、歯科への不安が高い人は、先延ばしの確率が2.9倍でした。怖さは、意志の強さや性格のだらしなさとは別の軸にあるということです。

何を測る質問票なのか|点数の意味と、点数で分からないこと

点数を出す前に、その点数が何を表しているのかを知っておくほうが安全です。ここを飛ばすと、数字だけが一人歩きします。

尺度によって、拾えるものが違います

測り方 何を測るか 利点 注意点・限界
MDAS(5問) 5つの場面ごとの不安の強さ 短く、19点以上という共通の目安がある 原因も対処法も分からない。診断ではない
DAS(4問) MDASの原型にあたる4場面 歴史が長く、比較できるデータが多い 麻酔の注射の項目がなく、注射への不安を拾えない
IDAF-4C+ 気持ち・行動・体の反応・考えの4側面 何が怖いのかを分けて見られる 質問数が多く、目安となる点数は確認できていない
受診の間隔の記録 実際にどれだけ空いたか 主観に頼らない 費用や時間など、別の理由と区別できない

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます

この表で伝えたいのは、どれか一つが優れているということではありません。点数の高さだけを見るより、5問のうちどこが高かったかを見るほうが、次の相談で役に立つということです。

同じ19点でも、意味は年齢で変わります

先ほどの11,382人の調査では、年齢別の平均が報告されています。16〜34歳が11.76点、35〜54歳が10.39点、55歳以上が9.67点でした。年齢が上がるほど直線的に下がり、54歳を過ぎたあたりの低下がとくに大きくなっています。

つまり、若い方の19点と、60代の方の19点では、その集団の中での位置が違います。2009年の調査でも、19点というカットオフは若い男性で90パーセンタイル、若い女性で85パーセンタイルに相当すると示されました。点数は、どんな人にも同じ意味を持つ固定した線ではありません。

もう一つ、同じ調査で「受診が不規則な人ほど点数が高い」という関係も報告されています。行けていない期間が長いことは、怖さの結果として現れている可能性があるということです。順序が逆に語られやすい部分なので、ここは分けて考えたほうがよいと思います。

どの項目が高いかで、相談の中身が変わります

5問のうち、注射の項目だけが突出して高い方がいます。削る音の項目が高い方もいます。待合室の項目が高い方は、処置そのものよりも、待つあいだに膨らむ想像がつらいのだと分かります。

注射の項目が高かった方には、麻酔の場面をどう組み立てるかが最初の話題になります。

1回の治療をどのくらいの長さにするかも、待つ時間の負担と関わってきます。

こうした細かい調整は、点数を出しただけでは始まりません。点数はあくまで、話を始めるための入口です。

ご自身で採点したメモを持ってきていただく必要もありません。5問のうちどれがつらかったかを、口頭でお伝えいただければ足ります。数字を書き出すこと自体が負担になる方もいますので、そこは省いて構いません。

怖さの由来は、大きく3つに分かれていました

米国の歯科大学附属クリニックに通う499人を調べた研究があります。報告したのはKonneker C, Singh S, Tellez M, Ismail A, Dunne Sら(2025年、Frontiers in Oral Health)です。怖さの由来は、成人期のつらい受診経験が38.1%、子ども時代のつらい受診経験が32.5%、昔から不安で由来がはっきりしない方が20.6%でした。

引き金になった処置は、抜歯が29%、注射が27%、削る・詰めるが20%、根の治療が19%と報告されています。由来を思い出せなくても差し支えありません。5人に1人は、はっきりした出来事を挙げていません。

この研究では、子ども時代に由来する方の点数がもっとも高く、平均20.8点でした。成人期に由来する方は19.2点、由来がはっきりしない方は19.8点です。差はありますが、どの群も19点を超えています。由来の違いで扱いが変わるわけではない、と読むほうが実際に近いと思います。

セルフチェックで分からないこと、点数が当てにならない場面

正直に書きます。この種のセルフチェックには、はっきりした限界があります。

点数は、原因も対処法も教えてくれません

MDASが測るのは、5つの場面での不安の強さだけです。なぜ怖いのか、何をすれば楽になるのかは、質問項目の外にあります。点数が高かったからといって、治療の内容が変わるわけでもありません。変わるのは、進め方と時間の使い方のほうです。

そして、これは診断ではありません。開発者側の解説にも、連続体であってカットオフは臨床上の目安だと書かれています。19点だから病気で、18点だから病気でない、という線は存在しません。点数を見て「自分は重症だ」と受け取ってしまうことの影響については、検証されたデータを確認できませんでした。

点数が低くても、足が向かないことがあります

怖さの点数が低いのに受診できていない方もいます。この場合は、別のところに理由があります。

一つは費用の見通しです。先ほどの164人の調査では、先延ばしの理由の45%が費用でした。ストレスが11%、不快感が10%、怖さは7%です。もう一つは、口の中を見られる恥ずかしさです。歯科恐怖症のある成人30人の研究では、30人中27人が恥ずかしさを語り、63%が人前で口元を隠す行動をとっていました(Moore R, Brødsgaard I, Rosenberg N、2004年、BMC Psychiatry)。

恥ずかしさが理由の場合、その日は口を開けずに話して帰る受け方から始められます。

点数の高さより、この選択肢があると知っているかどうかのほうが効くことがあります。

費用の見通しが理由の方も同じです。検査をしないと金額は決まりませんが、何を調べれば決まるのかは、見ないままでもお伝えできます。分からない状態が続くことと、いつ分かるかが分かっている状態とでは、負担の質が違います。

体の反応が中心のときは、別の枠で考えます

質問票の点数では拾いきれない状態もあります。器具が口に入った瞬間に強い反射が出る方は、不安の強さより体の反応の側が主題です。

診療室の音や匂いで具合が悪くなる方も、まず環境の調整から入ります。

過呼吸や発作を起こしたことがある方は、点数の話より先に、起きたときの対応を決めておく必要があります。

眠っているあいだに処置を進める方法そのものの説明は、別の記事にまとめています。

当院で対応できる範囲かどうかは、状態を伺ったうえで別途ご説明します。

相談の前に、ご自身で整理しておけること

  • ☑ 5問のうち、どれがいちばん高かったか。合計点より、どの場面が重いかのほうが、こちらの組み立てを変えます
  • ☑ 前回の受診はいつ頃か。正確でなくてかまいません。何年前くらいか、という粗さで十分です
  • ☑ 点数以外に止めているものはないか。費用の見通し、仕事の都合、口を見られる抵抗。当てはまるものを挙げてみてください
  • ☑ その日にどこまで進めたいか。話すだけで終えたいのか、見てもらうところまで進みたいのか。先に決めておくと迷いません
  • ☑ 体に出る反応があるか。吐き気、動悸、息苦しさ。あれば先にお伝えいただくほうが安全です

私が点数を伺ったあとに、続けて尋ねていること

ここからは、私が最初の1回で何を考えているかをお話しします。

「今の状態は結果であって、原因ではない」という見方をしています

長くお口全体の治療を見てきて、繰り返し確かめたことがあります。全体の設計をせずに部分的な修理を重ねたお口は、数年後にまた別の場所が壊れる連鎖を起こしやすい。壊れた場所は結果であって、原因は噛み合わせ全体の力の流れにあることが多い、ということです。

この見方は、通えなかった期間にもそのまま当てはまると考えています。今のお口の状態は、これまでに起きたことの結果です。行けなかった期間の長さを、本人の落ち度として数え上げても、治療の設計には何も足されません。ですから私は、最後に行ったのがいつかを伺っても、そこを掘り下げません。

英国の歯科恐怖症の専門ユニットの記録があります(Kani E, Asimakopoulou K, Daly B, ほか、2015年、British Dental Journal)。紹介された130人のうち79%が、鎮静を使わずに歯科治療へ進んでいました。治療に至るまでの面談は平均5回でした。数回かけて入っていく道筋が、実際にあるという報告です。

「何を取り戻したいか」を先に決めます

点数を伺ったあと、私が続けて尋ねるのは、何を取り戻したいかです。人前で笑えるようになりたいのか、硬いものを噛みたいのか、痛みが出ない状態を保ちたいのか。ここが決まらないと、治療の順序が決められません。

希望が一つに絞れなくても構いません。むしろ、いくつも挙げていただいたほうが、どれを先に叶えるかという話に進めます。順番を決めるのはこちらの仕事です。

私は米国インディアナ大学大学院で補綴を学んだあと、通常は歯科技工士に委ねられる製作の工程まで自分の手で行ってきました。設計から製作まで一人で仕上げた入れ歯は100床近くになります。作る側の限界を自分で知っているので、最初の相談の段階でも、どこまで実現できそうかを曖昧にせず話せます。

見通しを言葉にできると、怖さの中身が変わることがあります。研究でも、歯科への怖さと独立して結びついていたのは「自分でコントロールできない感じ」と「危険だと感じること」の2つでした(Armfield JM, Slade GD, Spencer AJ、2008年、BMC Oral Health)。分からないことが減るだけで、片方は少し軽くなります。

もっとも、見通しを話しすぎると、それはそれで負担になります。ですから最初の回では、全部の治療計画をお伝えしようとはしません。今日決まったこと、次に決まること、まだ先の話になることの3つに分けてお話しします。全体像を一度に受け取らなくてよい形にしておくためです。

名古屋・伏見で、最初の1回に何をしないかを決めます

当院は名古屋市中区栄にあり、地下鉄「伏見駅」7番出口から徒歩2分です。カウンセリングルームは完全個室、診療室は半個室という構成にしています。点数や、通えなかった期間の話は、完全個室のほうで伺います。

完全予約制なので、待合で長く座って待つ時間はほとんどありません。待合室の項目が高かった方には、この点だけで負担がかなり変わります。遠方の方や、まず画面越しから始めたい方には、Zoomでの相談も選べます。画面越しであれば、口元を映さずにお話しいただくこともできます。

そして、処置の途中でつらくなったときに止める合図を、最初に決めておきます。

この取り決めがあるかどうかで、同じ処置でも感じ方が変わると私は考えています。

まとめ|名古屋で歯科恐怖症のセルフチェックをした方が、次に選べること

歯科恐怖症のセルフチェックは、怖さの強さを点数にする道具です。5問で5〜25点、19点以上が一つの目安とされています。英国の調査では19点以上が11.6%でした。10人に1人以上が同じ範囲にいます。

ただし、これは診断ではありません。点数は原因も対処法も教えてくれず、点数が低くても足が向かないことがあります。合計点より、5問のうちどれが高かったかを覚えて相談に来ていただくほうが、話が早く進みます。

名古屋で歯科恐怖症のセルフチェックをして、次にどうするか迷っている段階なら、まず無料相談で構いません。長く歯科から離れた方が治療を再開するまでの全体像は、こちらにまとめています。

点数を出すことは入口の一つで、ほかにも選べる道があります。お口全体の治療がどんな段階を踏むのかを先に知りたい方は、こちらが参考になります。

よくあるご質問

Q1. 点数が19点以上でした。これは病気ということですか。

診断ではありません。質問票の開発者側の解説にも、点数は連続体であり、カットオフは臨床上の目安であって診断の境界ではないと書かれています。19点は「配慮を厚くしたほうがよい範囲」を示す線です。英国の調査では成人の11.6%がこの範囲に入っていました。病名がつくかどうかより、5問のどこが高かったかのほうが、実際の治療の組み立てには役立ちます。

Q2. 点数が低いのに、どうしても予約ができません。おかしいのでしょうか。

おかしくありません。受診が止まる理由は怖さだけではないからです。成人164人の調査では、先延ばしの理由の45%が費用、11%がストレス、10%が不快感で、怖さは7%でした。口の中を見られる恥ずかしさが理由になることもあります。ある研究では、歯科への不安を持つ方の63%が人前で口元を隠す行動をとっていました。どれに当てはまるかを一つ挙げていただければ、そこから話を始められます。当てはまるものが複数あっても構いませんし、うまく言葉にならない場合はその旨をお伝えください。

Q3. 心療内科や精神科に先に行ったほうがよいですか。

一概には言えません。歯科恐怖症の専門ユニットの記録では、紹介された方のうち全般性不安の高い方が36.9%、臨床的に意味のある抑うつがある方が12.3%と報告されています。他の不安や気分の問題を併せ持つ方は少なくないということです。すでに通院先がある場合は、その内容を教えていただければ、こちらの進め方をそれに合わせます。どちらが先かに正解はありませんので、迷っている段階でご相談いただいて構いません。

Q4. セルフチェックの結果を持っていくと、治療がすぐ始まってしまいませんか。

始めません。点数を伺うことと、治療に入ることは別です。当院では、その日にどこまで進めるかを最初にご相談して決めます。話すだけで終える回も選べますし、次の回に何をするかを一つだけ決めて帰っていただく形でも構いません。初回のご相談は無料です。他院で受けた説明について意見が聞きたい場合は、セカンドオピニオン外来(5,500円税込)という入口もあります。

※お口の状態には個人差があり、適した治療や結果は人によって異なります。検査・診断のうえで、費用・期間・主なリスクをまとめてご説明し、ご納得いただいてから治療を始めます。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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