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見た目のゴールをどう決めるか|歯の形と色の決め方

見た目は、4つの要素でできています

全体を治すとき、噛めるようにすることと同じくらい決めにくいのが見た目のゴールです。

「自然な感じで」「若い頃みたいに」。そう伝えても、出来上がりが思っていたものと違うことがあります。言葉が指しているものが、人によって違うからです。

見た目は、4つの要素でできています

  • :白さ、透明感、根元と先端の差
  • :1本ずつの輪郭、角の丸み、表面の質感
  • 大きさと並び:長さ、幅、上下左右のバランス
  • 歯ぐきとの関係:ラインの高さ、左右差、笑ったときにどこまで見えるか

「なんとなく気に入らない」の正体は、たいていこのどれかです。どれなのかが分かると、直せます。

決める順番があります

先に色を決めてしまう方が多いのですが、順番としては逆です。形と大きさが決まらないと、色は決められません。同じ色でも、歯が大きいと白さが強調されて見えるためです。

そして全体を治す場合、いちばん先に決めるのは上の前歯2本の位置と長さです。ここが基準になり、他のすべてがそこから決まります。

ゴールを決めるときに見ていること

ゴールを決めるときに、実際にどこを見て、何を決めるのか。順に書きます。

① 上の前歯の長さ|すべての基準

どう決めるか:唇を軽く開いたとき、上の前歯が何ミリ見えるか。会話しているときの見え方も確認します

目安:年齢とともに、見える量は減っていきます。若い頃の量に戻すと、不自然に見えることがあります

大事なこと:ここが決まらないと、他が決まりません。仮歯で長さを変えながら、鏡を見て一緒に決めます

② 歯ぐきのライン|笑ったときの見え方

どう見るか:笑ったときに歯ぐきがどこまで見えるか、左右で高さが揃っているか

調整できること:被せ物の形で見え方を変えられる範囲と、歯ぐき自体を整える必要がある範囲があります

正直なところ:歯ぐきを触る処置は、治るのに時間がかかります。必要かどうかは、仮歯の段階で判断します

③ 形と質感|自然に見えるかどうか

どう決めるか:角の丸み、表面のわずかな凹凸、隣の歯との重なり方。完全に左右対称にすると、かえって不自然に見えます

素材との関係:透明感を出しやすい材料と、強度が出る材料があります。前歯と奥歯で使い分けます

判断の場:写真をお見せしながら、どの方向が好みかを一緒に見ます

④ 色|最後に決めます

なぜ最後か:形と大きさが決まって初めて、その形に合う色が決まるためです

どう決めるか:自然光の下で確認します。室内の照明だけでは判断できません。技工士が直接お口を見て決める立ち会いも可能です

よくある行き違い:「白く」の基準が人によって違います。色見本を口元に当てて、写真に撮って比べると、ずれが減ります

⑤ 使えるもの|写真とデジタル

過去の写真:若い頃の写真をお持ちいただけると、参考になります。歯の形や並びの記憶より正確です

デジタルでの設計:口腔内スキャナと顔の写真を組み合わせ、完成予想を画面上で確認する方法があります

限界:画面と実物は完全に同じにはなりません。最終的な確認は、口に入れた仮歯でします

この5つを踏まえたうえで、仮歯で実際に試すのが本番です。画面や模型で決めきることはできません。

仮歯の期間の過ごし方は、以下の記事にまとめています。

叶えやすい希望と、条件がつく希望

見た目の希望は、遠慮なく言っていただいて構いません。ただ、叶えやすい希望と、条件がつく希望があります。

叶えやすいこと

  • 今より白くする
  • 今より短くする、角を丸くする
  • 前歯の小さなすき間を閉じる
  • 形をそろえる、左右差を目立たなくする

条件がつくこと

今より歯を長くする、大きくする。歯ぐきの位置が上限になります。長くしたい場合、歯ぐき側を整える処置が必要になることがあります。

並びを大きく変える。被せ物だけで動かせる範囲には限りがあります。無理に形で寄せると、歯を削る量が増えたり、不自然な厚みが出たりします。この場合は矯正を組み合わせる選択肢が出てきます。

すき間を大きく閉じる。1本あたりの幅が広くなりすぎ、四角い印象になります。何本かに分散させる設計にします。

健康な歯を削ってまで、見た目を変えるかどうか

ここは、はっきりお伝えしています。削った歯は元に戻りません。見た目のためだけに、まだ何ともない歯を削る判断は、慎重にすべきです。

全体を治す方の場合、多くの歯にすでに治療が入っているため、この葛藤は起きにくいのですが、健康な歯が混ざっている場合は必ず分けてご説明します。「その歯は触らない」という選択も含めて考えます。

当院でしていること|名古屋の臨床から

当院で、見た目のゴールを決めるときにしていることを書きます。

初回に、笑ったときの写真を撮ります

口の中の写真だけでは、見た目の設計はできません。正面から、横から、話しているとき、笑ったとき。顔全体のなかで歯がどう見えるかを記録します。

この写真を一緒に見ながら「ここが気になる」を指していただくと、言葉のずれが減ります。

仮歯は、何度でも直します

形を変える、長さを変える、角を丸くする。仮歯の段階なら、その場で削って調整できます。写真に撮って、前後を比べることもできます。

「せっかく作ってもらったのに」と遠慮される方が多いのですが、直すために作っているものです。気になる点は、その日のうちに言ってください。

技工士が直接お口を見ます

色と形は、写真や指示書だけでは伝えきれない部分があります。ご希望があれば、被せ物を作る技工士が診療室で直接お口を見て、色を決めることができます。

ご家族に見てもらう時間を取ります

自分の顔は、自分ではいちばん見慣れています。仮歯の段階で、ご家族や親しい方に見てもらってください。「前と変わった」「自然に見える」という第三者の感想は、判断の材料になります。

ご家族に同席いただくこともできます。Zoomでの同席もご用意しています。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

まとめ|仮歯で決めきるために|よくあるご質問

要点は3つです。

第一に、決める順番があります。上の前歯の長さ、歯ぐきのライン、形と質感、そして最後に色。先に色を決めても、形が変われば見え方が変わります。

第二に、叶えやすい希望と条件がつく希望があります。今より白く、短く、角を丸く、はほぼ叶います。長くする、並びを大きく変える、は歯ぐきや矯正の話が絡みます。

第三に、仮歯で決めます。画面や模型では決めきれません。実際に口に入れて、生活のなかで見て、直す。ここに時間をかけるほど、仕上がりの納得度が上がります。

名古屋・伏見駅から徒歩2分の当院は完全予約制・半個室で、無料相談とZoom相談をご用意しています。治療を受けることを前提にしないセカンドオピニオン外来(5,500円・税込)もあります。

治療全体の順番については、以下の記事にまとめています。

噛み合わせの高さを変える場合の話は、以下の記事をご覧ください。

よくあるご質問

Q1. 「自然な感じで」と伝えれば、伝わりますか。
言葉だけでは、指しているものが人によって違います。写真を一緒に見て、どの方向が好みかを指していただくのが確実です。過去のご自身の写真があると、さらに正確になります。

Q2. 白すぎる仕上がりになるのが心配です。
色は最後に決めます。色見本を口元に当てて写真に撮り、比べてから決めれば、ずれはかなり減ります。自然光の下で確認することも大事です。

Q3. 出来上がってから、気に入らなかったらどうなりますか。
最終的な歯になってからでは作り直しになります。だからこそ仮歯の段階で決めきります。仮歯で納得できていないまま先に進めることはしません。

Q4. 歯を長くしたいのですが、できますか。
歯ぐきの位置が上限になります。長くしたい場合、歯ぐき側を整える処置が必要になることがあります。仮歯の段階で、どこまで可能かを確かめます。

Q5. 何ともない歯まで削ることになりませんか。
健康な歯が混ざっている場合は、必ず分けてご説明します。「その歯は触らない」という選択も含めて考えます。削った歯は元に戻りません。

監修者情報

EDEN DENTAL OFFICE (エデン デンタル オフィス)

院長 村井亮介

名古屋中区の伏見駅から徒歩2分の「エデンデンタルオフィス」では、米国補綴専門医の資格を持つ院長が、10年、20年先を見据えた精密な治療を提供します。歯科医院特有の緊張感を和らげるため、家族のように寄り添う丁寧な対話を重視。患者様の背景や「どうなりたいか」という想いを深く汲み取り、できる限りの最高の治療クオリティーを常に心掛けております。

経歴

  • 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
  • 大手歯科医療法人勤務
  • インディアナ大学歯学部補綴科卒業

資格

  • 米国補綴専門医

所属学会

  • 日本補綴歯科学会
  • ACP american academy of prosthodontics member
  • ITI international team
    for implantology 会員
  • AO academy of
    osseointegration 会員

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